100 / 595
2.変化
100.夏休み
スマホでレシピを調べる。
前、穂と作ったときは肉に小麦粉をまぶしていたよね?
調べたレシピにはそれが載っていなくて、(まあいいや)と適当にカゴに食材を放り込んだ。
ついでに、いつものカレーの具材も買い込んでおく。
お母さんが余計な物をカゴに入れていく。
それを否定すれば、彼女はところかまわず泣き始めるから、私はただ受け入れる。
お母さんと買い物に出かけるとこうなるから、私は月に1回くらいしか誘わない。
…たぶん、それで彼女も不満はないのだと思う。
寝ていることが多いし、外に出たくないと言う日もある。
酷いときは、カーテンすら開けたくないと騒ぐ。
土日にそれをやられると、かなり憂鬱な気分になる。
昼間なのに、真っ暗なオンボロの部屋。
そんな最悪な場所で1日過ごすことになるのだから。
レシピ通りに生姜焼きを作って、食べる。
やっぱり穂のご飯のほうが美味しい。
…つい、ニヤける。
明日も穂のご飯が食べられるから。
「永那、おいしいねえ」
お母さんが言う。
「そう?よかった」
「永那は…?永那は、おいしくない?」
不安そうな顔を浮かべる。
「おいしいよ」
私は笑顔を、作る。
夏休みの宿題が少なすぎると、毎年感じる。
なにしろ一晩中勉強しかすることがないから、宿題が終わってしまうと暇になる。
でも最近は、少し、大学受験に興味を持っている。
受験勉強をしてみようかなあ?と。
高卒と大卒では生涯年収が全然違うと聞くし、ちゃんと大学を出て良いところに就職できれば、お母さんにもお姉ちゃんにも、何かしらできるのではないか?と考えている。
高校卒業したらすぐに働こうと思っていたけど。
奨学金を借りて…どうにかならないかな?って。
きっと穂も大学に行く。
もしこのまま…このまま、ずっと一緒にいられるなら、きっと私は大学に行かないことを後悔する。
勝手に穂と自分を比較して、穂を傷つけてしまいそうだ。
それは絶対、嫌だ。
そんなことを考えていたら、朝がきた。
お母さんが寝たのを確認してから、洗面台に行く。
私はコンタクトを取って、顔を見る。
前髪がかなり伸びてきた。
これから穂の家で毎日寝るなら、眼鏡で穂の家に行ったほうがいいよね?
コンタクトのまま寝ると目が乾燥しやすくなるし。
シャワーを浴びて、タオルでバサバサと髪を乾かす。
夏は湿気がすごいから、乾きにくい。
それでも、外に出てしまえば暑さと日差しですぐに乾くけど。
自分の部屋に行って、衣装ケースを開ける。
…どうしよう。
すっかり忘れていたけど、ズボン(パンツ)が2着しかないんだった。
2日連続で出かけたから、2枚とも洗濯機の中だ。
こういうとき、制服のありがたさを感じる。
去年バイトしたときは、パジャマにしている毛玉だらけのスウェットも活用して外出していた。
早く洗濯すればいいんだろうけど、なるべく節約したい私は、ある程度溜まってからしか洗濯機を回さない。
その癖が悪いほうに出る。
ふと、ジプロックに入った穂のショーツが目に入る。
瞬間的に穂のエッチな姿を思い出して、頭を衣装ケースにぶつける。
「…ぁあっ」
下腹部がキュウキュウと締め付けられて、ため息が溢れる。
ジプロックを開けて、ショーツの匂いを嗅ぐ。
洗濯してしまったから、もう彼女の匂いは感じられないけど、それでも良かった。
彼女の蜜の味は、鮮明に思い出せる。
ゴクリと唾を飲んで、体があの味を欲する。
あの日…1ヶ月記念日の日、蜜がついたままの彼女のショーツを持ち帰って、舐めた。
しゃぶって、余すことなく、彼女を感じる。
私は自分のショーツに手を突っ込んで、気持ちいいところに触れる。
畳に倒れ込んで、息を殺して、刺激を与え続ける。
次第にハァハァと、自分の呼吸する音だけが部屋に響く。
穂…穂…穂…穂…早く会いたいよ。
“私、永那ちゃんと、シたい”
彼女の声が、表情が、脳に蘇る。
「っん…」
ピクピクと全身が痙攣して、力が抜ける。
しばらく呼吸だけに集中すると、心臓が落ち着きを取り戻す。
タラリと汗が額から落ちていく。
「服、どうしよ…」
土曜日にバイトの面接(面接らしいことは何もなく、ただ説明されるだけ)を受けて、今日から働くことになっている。
バイトだけだったら、毛玉まみれのスウェットで行けばいいんだけど、その後に穂の家に行くとなると…悩ましい。
近所の服屋が開くのは、早くても10時以降だし。
…でも、こんなチンタラ悩んでいる場合じゃない。
もうバイトに行かなきゃ。
とりあえずバイトにはスウェットで行って、服屋が開くまで待つか。
スマホを出して『ごめん、穂。今日行くのちょっと遅くなる』と連絡する。
自分の失敗のせいだけど、ため息をつかずにはいられない。
早く会いたいのに。
バイト先で、スウェットを着てきたことを怒られた。
まあ、これは去年も同じ。
黒のパンツ…スウェット生地じゃなくて、他の生地のやつを着てくるように指定されていた。
上は制服があるからなんでもいいんだけど。
…上の制服があるなら、下も制服作れよ。と思ってしまう。
「今日は初日だからいいけど、今度から気をつけてよ」
バーコード頭に、深いシワが刻まれた顔。
なんでこの人はここで働いているんだろう?
なんて、全く興味もないことを考える。
「あい、すみません」
早朝はお客さんが少ないから、基本的には清掃と品出し。
バイト終わり際の7~8時頃になると、チラホラ働いている大人達がお弁当やらおにぎりやらを買っていく。
前、穂と作ったときは肉に小麦粉をまぶしていたよね?
調べたレシピにはそれが載っていなくて、(まあいいや)と適当にカゴに食材を放り込んだ。
ついでに、いつものカレーの具材も買い込んでおく。
お母さんが余計な物をカゴに入れていく。
それを否定すれば、彼女はところかまわず泣き始めるから、私はただ受け入れる。
お母さんと買い物に出かけるとこうなるから、私は月に1回くらいしか誘わない。
…たぶん、それで彼女も不満はないのだと思う。
寝ていることが多いし、外に出たくないと言う日もある。
酷いときは、カーテンすら開けたくないと騒ぐ。
土日にそれをやられると、かなり憂鬱な気分になる。
昼間なのに、真っ暗なオンボロの部屋。
そんな最悪な場所で1日過ごすことになるのだから。
レシピ通りに生姜焼きを作って、食べる。
やっぱり穂のご飯のほうが美味しい。
…つい、ニヤける。
明日も穂のご飯が食べられるから。
「永那、おいしいねえ」
お母さんが言う。
「そう?よかった」
「永那は…?永那は、おいしくない?」
不安そうな顔を浮かべる。
「おいしいよ」
私は笑顔を、作る。
夏休みの宿題が少なすぎると、毎年感じる。
なにしろ一晩中勉強しかすることがないから、宿題が終わってしまうと暇になる。
でも最近は、少し、大学受験に興味を持っている。
受験勉強をしてみようかなあ?と。
高卒と大卒では生涯年収が全然違うと聞くし、ちゃんと大学を出て良いところに就職できれば、お母さんにもお姉ちゃんにも、何かしらできるのではないか?と考えている。
高校卒業したらすぐに働こうと思っていたけど。
奨学金を借りて…どうにかならないかな?って。
きっと穂も大学に行く。
もしこのまま…このまま、ずっと一緒にいられるなら、きっと私は大学に行かないことを後悔する。
勝手に穂と自分を比較して、穂を傷つけてしまいそうだ。
それは絶対、嫌だ。
そんなことを考えていたら、朝がきた。
お母さんが寝たのを確認してから、洗面台に行く。
私はコンタクトを取って、顔を見る。
前髪がかなり伸びてきた。
これから穂の家で毎日寝るなら、眼鏡で穂の家に行ったほうがいいよね?
コンタクトのまま寝ると目が乾燥しやすくなるし。
シャワーを浴びて、タオルでバサバサと髪を乾かす。
夏は湿気がすごいから、乾きにくい。
それでも、外に出てしまえば暑さと日差しですぐに乾くけど。
自分の部屋に行って、衣装ケースを開ける。
…どうしよう。
すっかり忘れていたけど、ズボン(パンツ)が2着しかないんだった。
2日連続で出かけたから、2枚とも洗濯機の中だ。
こういうとき、制服のありがたさを感じる。
去年バイトしたときは、パジャマにしている毛玉だらけのスウェットも活用して外出していた。
早く洗濯すればいいんだろうけど、なるべく節約したい私は、ある程度溜まってからしか洗濯機を回さない。
その癖が悪いほうに出る。
ふと、ジプロックに入った穂のショーツが目に入る。
瞬間的に穂のエッチな姿を思い出して、頭を衣装ケースにぶつける。
「…ぁあっ」
下腹部がキュウキュウと締め付けられて、ため息が溢れる。
ジプロックを開けて、ショーツの匂いを嗅ぐ。
洗濯してしまったから、もう彼女の匂いは感じられないけど、それでも良かった。
彼女の蜜の味は、鮮明に思い出せる。
ゴクリと唾を飲んで、体があの味を欲する。
あの日…1ヶ月記念日の日、蜜がついたままの彼女のショーツを持ち帰って、舐めた。
しゃぶって、余すことなく、彼女を感じる。
私は自分のショーツに手を突っ込んで、気持ちいいところに触れる。
畳に倒れ込んで、息を殺して、刺激を与え続ける。
次第にハァハァと、自分の呼吸する音だけが部屋に響く。
穂…穂…穂…穂…早く会いたいよ。
“私、永那ちゃんと、シたい”
彼女の声が、表情が、脳に蘇る。
「っん…」
ピクピクと全身が痙攣して、力が抜ける。
しばらく呼吸だけに集中すると、心臓が落ち着きを取り戻す。
タラリと汗が額から落ちていく。
「服、どうしよ…」
土曜日にバイトの面接(面接らしいことは何もなく、ただ説明されるだけ)を受けて、今日から働くことになっている。
バイトだけだったら、毛玉まみれのスウェットで行けばいいんだけど、その後に穂の家に行くとなると…悩ましい。
近所の服屋が開くのは、早くても10時以降だし。
…でも、こんなチンタラ悩んでいる場合じゃない。
もうバイトに行かなきゃ。
とりあえずバイトにはスウェットで行って、服屋が開くまで待つか。
スマホを出して『ごめん、穂。今日行くのちょっと遅くなる』と連絡する。
自分の失敗のせいだけど、ため息をつかずにはいられない。
早く会いたいのに。
バイト先で、スウェットを着てきたことを怒られた。
まあ、これは去年も同じ。
黒のパンツ…スウェット生地じゃなくて、他の生地のやつを着てくるように指定されていた。
上は制服があるからなんでもいいんだけど。
…上の制服があるなら、下も制服作れよ。と思ってしまう。
「今日は初日だからいいけど、今度から気をつけてよ」
バーコード頭に、深いシワが刻まれた顔。
なんでこの人はここで働いているんだろう?
なんて、全く興味もないことを考える。
「あい、すみません」
早朝はお客さんが少ないから、基本的には清掃と品出し。
バイト終わり際の7~8時頃になると、チラホラ働いている大人達がお弁当やらおにぎりやらを買っていく。
あなたにおすすめの小説
小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話
穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
✽全28話完結
✽辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
✽他誌にも掲載中です。
✽2026.4/11 エブリスタ用に使用している表紙に変更しました。
→表紙はイラストをGrok タイトルをChatGPTでAI生成しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
身体だけの関係です‐三崎早月について‐
みのりすい
恋愛
「ボディタッチくらいするよね。女の子同士だもん」
三崎早月、15歳。小佐田未沙、14歳。
クラスメイトの二人は、お互いにタイプが違ったこともあり、ほとんど交流がなかった。
中学三年生の春、そんな二人の関係が、少しだけ、動き出す。
※百合作品として執筆しましたが、男性キャラクターも多数おり、BL要素、NL要素もございます。悪しからずご了承ください。また、軽度ですが性描写を含みます。
12/11 ”原田巴について”投稿開始。→12/13 別作品として投稿しました。ご迷惑をおかけします。
身体だけの関係です 原田巴について
https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/734700789
作者ツイッター: twitter/minori_sui
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。