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100.夏休み
スマホでレシピを調べる。
前、穂と作ったときは肉に小麦粉をまぶしていたよね?
調べたレシピにはそれが載っていなくて、(まあいいや)と適当にカゴに食材を放り込んだ。
ついでに、いつものカレーの具材も買い込んでおく。
お母さんが余計な物をカゴに入れていく。
それを否定すれば、彼女はところかまわず泣き始めるから、私はただ受け入れる。
お母さんと買い物に出かけるとこうなるから、私は月に1回くらいしか誘わない。
…たぶん、それで彼女も不満はないのだと思う。
寝ていることが多いし、外に出たくないと言う日もある。
酷いときは、カーテンすら開けたくないと騒ぐ。
土日にそれをやられると、かなり憂鬱な気分になる。
昼間なのに、真っ暗なオンボロの部屋。
そんな最悪な場所で1日過ごすことになるのだから。
レシピ通りに生姜焼きを作って、食べる。
やっぱり穂のご飯のほうが美味しい。
…つい、ニヤける。
明日も穂のご飯が食べられるから。
「永那、おいしいねえ」
お母さんが言う。
「そう?よかった」
「永那は…?永那は、おいしくない?」
不安そうな顔を浮かべる。
「おいしいよ」
私は笑顔を、作る。
夏休みの宿題が少なすぎると、毎年感じる。
なにしろ一晩中勉強しかすることがないから、宿題が終わってしまうと暇になる。
でも最近は、少し、大学受験に興味を持っている。
受験勉強をしてみようかなあ?と。
高卒と大卒では生涯年収が全然違うと聞くし、ちゃんと大学を出て良いところに就職できれば、お母さんにもお姉ちゃんにも、何かしらできるのではないか?と考えている。
高校卒業したらすぐに働こうと思っていたけど。
奨学金を借りて…どうにかならないかな?って。
きっと穂も大学に行く。
もしこのまま…このまま、ずっと一緒にいられるなら、きっと私は大学に行かないことを後悔する。
勝手に穂と自分を比較して、穂を傷つけてしまいそうだ。
それは絶対、嫌だ。
そんなことを考えていたら、朝がきた。
お母さんが寝たのを確認してから、洗面台に行く。
私はコンタクトを取って、顔を見る。
前髪がかなり伸びてきた。
これから穂の家で毎日寝るなら、眼鏡で穂の家に行ったほうがいいよね?
コンタクトのまま寝ると目が乾燥しやすくなるし。
シャワーを浴びて、タオルでバサバサと髪を乾かす。
夏は湿気がすごいから、乾きにくい。
それでも、外に出てしまえば暑さと日差しですぐに乾くけど。
自分の部屋に行って、衣装ケースを開ける。
…どうしよう。
すっかり忘れていたけど、ズボン(パンツ)が2着しかないんだった。
2日連続で出かけたから、2枚とも洗濯機の中だ。
こういうとき、制服のありがたさを感じる。
去年バイトしたときは、パジャマにしている毛玉だらけのスウェットも活用して外出していた。
早く洗濯すればいいんだろうけど、なるべく節約したい私は、ある程度溜まってからしか洗濯機を回さない。
その癖が悪いほうに出る。
ふと、ジプロックに入った穂のショーツが目に入る。
瞬間的に穂のエッチな姿を思い出して、頭を衣装ケースにぶつける。
「…ぁあっ」
下腹部がキュウキュウと締め付けられて、ため息が溢れる。
ジプロックを開けて、ショーツの匂いを嗅ぐ。
洗濯してしまったから、もう彼女の匂いは感じられないけど、それでも良かった。
彼女の蜜の味は、鮮明に思い出せる。
ゴクリと唾を飲んで、体があの味を欲する。
あの日…1ヶ月記念日の日、蜜がついたままの彼女のショーツを持ち帰って、舐めた。
しゃぶって、余すことなく、彼女を感じる。
私は自分のショーツに手を突っ込んで、気持ちいいところに触れる。
畳に倒れ込んで、息を殺して、刺激を与え続ける。
次第にハァハァと、自分の呼吸する音だけが部屋に響く。
穂…穂…穂…穂…早く会いたいよ。
“私、永那ちゃんと、シたい”
彼女の声が、表情が、脳に蘇る。
「っん…」
ピクピクと全身が痙攣して、力が抜ける。
しばらく呼吸だけに集中すると、心臓が落ち着きを取り戻す。
タラリと汗が額から落ちていく。
「服、どうしよ…」
土曜日にバイトの面接(面接らしいことは何もなく、ただ説明されるだけ)を受けて、今日から働くことになっている。
バイトだけだったら、毛玉まみれのスウェットで行けばいいんだけど、その後に穂の家に行くとなると…悩ましい。
近所の服屋が開くのは、早くても10時以降だし。
…でも、こんなチンタラ悩んでいる場合じゃない。
もうバイトに行かなきゃ。
とりあえずバイトにはスウェットで行って、服屋が開くまで待つか。
スマホを出して『ごめん、穂。今日行くのちょっと遅くなる』と連絡する。
自分の失敗のせいだけど、ため息をつかずにはいられない。
早く会いたいのに。
バイト先で、スウェットを着てきたことを怒られた。
まあ、これは去年も同じ。
黒のパンツ…スウェット生地じゃなくて、他の生地のやつを着てくるように指定されていた。
上は制服があるからなんでもいいんだけど。
…上の制服があるなら、下も制服作れよ。と思ってしまう。
「今日は初日だからいいけど、今度から気をつけてよ」
バーコード頭に、深いシワが刻まれた顔。
なんでこの人はここで働いているんだろう?
なんて、全く興味もないことを考える。
「あい、すみません」
早朝はお客さんが少ないから、基本的には清掃と品出し。
バイト終わり際の7~8時頃になると、チラホラ働いている大人達がお弁当やらおにぎりやらを買っていく。
前、穂と作ったときは肉に小麦粉をまぶしていたよね?
調べたレシピにはそれが載っていなくて、(まあいいや)と適当にカゴに食材を放り込んだ。
ついでに、いつものカレーの具材も買い込んでおく。
お母さんが余計な物をカゴに入れていく。
それを否定すれば、彼女はところかまわず泣き始めるから、私はただ受け入れる。
お母さんと買い物に出かけるとこうなるから、私は月に1回くらいしか誘わない。
…たぶん、それで彼女も不満はないのだと思う。
寝ていることが多いし、外に出たくないと言う日もある。
酷いときは、カーテンすら開けたくないと騒ぐ。
土日にそれをやられると、かなり憂鬱な気分になる。
昼間なのに、真っ暗なオンボロの部屋。
そんな最悪な場所で1日過ごすことになるのだから。
レシピ通りに生姜焼きを作って、食べる。
やっぱり穂のご飯のほうが美味しい。
…つい、ニヤける。
明日も穂のご飯が食べられるから。
「永那、おいしいねえ」
お母さんが言う。
「そう?よかった」
「永那は…?永那は、おいしくない?」
不安そうな顔を浮かべる。
「おいしいよ」
私は笑顔を、作る。
夏休みの宿題が少なすぎると、毎年感じる。
なにしろ一晩中勉強しかすることがないから、宿題が終わってしまうと暇になる。
でも最近は、少し、大学受験に興味を持っている。
受験勉強をしてみようかなあ?と。
高卒と大卒では生涯年収が全然違うと聞くし、ちゃんと大学を出て良いところに就職できれば、お母さんにもお姉ちゃんにも、何かしらできるのではないか?と考えている。
高校卒業したらすぐに働こうと思っていたけど。
奨学金を借りて…どうにかならないかな?って。
きっと穂も大学に行く。
もしこのまま…このまま、ずっと一緒にいられるなら、きっと私は大学に行かないことを後悔する。
勝手に穂と自分を比較して、穂を傷つけてしまいそうだ。
それは絶対、嫌だ。
そんなことを考えていたら、朝がきた。
お母さんが寝たのを確認してから、洗面台に行く。
私はコンタクトを取って、顔を見る。
前髪がかなり伸びてきた。
これから穂の家で毎日寝るなら、眼鏡で穂の家に行ったほうがいいよね?
コンタクトのまま寝ると目が乾燥しやすくなるし。
シャワーを浴びて、タオルでバサバサと髪を乾かす。
夏は湿気がすごいから、乾きにくい。
それでも、外に出てしまえば暑さと日差しですぐに乾くけど。
自分の部屋に行って、衣装ケースを開ける。
…どうしよう。
すっかり忘れていたけど、ズボン(パンツ)が2着しかないんだった。
2日連続で出かけたから、2枚とも洗濯機の中だ。
こういうとき、制服のありがたさを感じる。
去年バイトしたときは、パジャマにしている毛玉だらけのスウェットも活用して外出していた。
早く洗濯すればいいんだろうけど、なるべく節約したい私は、ある程度溜まってからしか洗濯機を回さない。
その癖が悪いほうに出る。
ふと、ジプロックに入った穂のショーツが目に入る。
瞬間的に穂のエッチな姿を思い出して、頭を衣装ケースにぶつける。
「…ぁあっ」
下腹部がキュウキュウと締め付けられて、ため息が溢れる。
ジプロックを開けて、ショーツの匂いを嗅ぐ。
洗濯してしまったから、もう彼女の匂いは感じられないけど、それでも良かった。
彼女の蜜の味は、鮮明に思い出せる。
ゴクリと唾を飲んで、体があの味を欲する。
あの日…1ヶ月記念日の日、蜜がついたままの彼女のショーツを持ち帰って、舐めた。
しゃぶって、余すことなく、彼女を感じる。
私は自分のショーツに手を突っ込んで、気持ちいいところに触れる。
畳に倒れ込んで、息を殺して、刺激を与え続ける。
次第にハァハァと、自分の呼吸する音だけが部屋に響く。
穂…穂…穂…穂…早く会いたいよ。
“私、永那ちゃんと、シたい”
彼女の声が、表情が、脳に蘇る。
「っん…」
ピクピクと全身が痙攣して、力が抜ける。
しばらく呼吸だけに集中すると、心臓が落ち着きを取り戻す。
タラリと汗が額から落ちていく。
「服、どうしよ…」
土曜日にバイトの面接(面接らしいことは何もなく、ただ説明されるだけ)を受けて、今日から働くことになっている。
バイトだけだったら、毛玉まみれのスウェットで行けばいいんだけど、その後に穂の家に行くとなると…悩ましい。
近所の服屋が開くのは、早くても10時以降だし。
…でも、こんなチンタラ悩んでいる場合じゃない。
もうバイトに行かなきゃ。
とりあえずバイトにはスウェットで行って、服屋が開くまで待つか。
スマホを出して『ごめん、穂。今日行くのちょっと遅くなる』と連絡する。
自分の失敗のせいだけど、ため息をつかずにはいられない。
早く会いたいのに。
バイト先で、スウェットを着てきたことを怒られた。
まあ、これは去年も同じ。
黒のパンツ…スウェット生地じゃなくて、他の生地のやつを着てくるように指定されていた。
上は制服があるからなんでもいいんだけど。
…上の制服があるなら、下も制服作れよ。と思ってしまう。
「今日は初日だからいいけど、今度から気をつけてよ」
バーコード頭に、深いシワが刻まれた顔。
なんでこの人はここで働いているんだろう?
なんて、全く興味もないことを考える。
「あい、すみません」
早朝はお客さんが少ないから、基本的には清掃と品出し。
バイト終わり際の7~8時頃になると、チラホラ働いている大人達がお弁当やらおにぎりやらを買っていく。
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