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3.成長
128.噂
昨日の旅行を振り返って2人で話していたら、みんなが帰ってきた。
金井さんが私と日住君を交互に見た。
私のことをジッと見つめてから、「2人で何してたの?」と日住君に聞いた。
「べつに、休んでただけだよ。…みんな帰ってきたからあっちに戻るかな」
そう言って、彼は自分のテントに帰った。
「30分休んだらレストランに行こうって、生徒会長が言ってましたよ」
日住君が座っていた椅子に金井さんが座る。
「わかった」
「先輩、泣きました?」
まさかバレると思わなくて、顔を両手で隠した。
「何話してたんですか?」
「秘密」
「だめです、教えてください」
「教えない」
寝るまでに、何度か問答を繰り返したけど、私は秘密を貫き通した。
金井さんの迫り方が怖い…!よく頑張ったよ、私。
次の日、川で釣りをして、そのままバーベキューを楽しんだ。
なぜ私が泣いたのかは、わからない。
でも日住君との関係は変わることはなく、今までと同じように話せたのは嬉しかった。
2時には帰途についた。
最寄り駅に3時半について、私は小走りに帰った。
この時間なら、まだ永那ちゃんがいるかもしれないと思って。
ドアを開けて、玄関に靴があるのを確認する。
「永那ちゃん!」
「…穂?」
リビングからひょこっと顔を出した永那ちゃんを見た瞬間、抱きついた。
「穂、おかえり」
ギュッと抱きしめてくれる。
緊張していた体から力が抜けていく。
「ただいま」
「姉ちゃん」
永那ちゃんの後ろに誉が立っていた。
「誉、具合は?」
「もう平気」
「そうなの?今回は早かったんだね」
永那ちゃんを抱きしめながら、誉の額に手を当てる。
「本当だ」
熱は下がっているみたいだった。
「姉ちゃん…どんだけ永那とくっついてんだよ」
そう言われて、カーッと顔が熱くなる。
パッと離れると、永那ちゃんが笑った。
私は笑った彼女の頬を両手で包んだ。
ジッと彼女の目を見る。
「あんあよー、ふい」(なんだよー、穂)
包むというより、ぶちゅーっと顔を潰していて、手を離す。
「永那ちゃん、寝てないよね?」
睨むと、永那ちゃんが目をそらす。
「酷いクマだよ!何やってるの!」
そして彼女が咳をする。
「風邪引いたの!?」
「…熱は、ないよ?」
眉頭に力が入る。
…よく、風邪を人にうつすと、うつした側の治りが早いなんて聞くけど…本当なのかな?
絶対違うと思うけど、それを信じてしまいそうになるほどに誉の治りが早くて、頭痛がする。
「もう…今日は家まで送る」
「え!?いいよ!」
「だめ」
私は強引に永那ちゃんに帰り支度をさせる。
「誉、また月曜なー」と言って、永那ちゃんは渋々出ていく。
私達は手を繋いで、駅に向かう。
「穂、どうだった?」
「んー…楽しかったけど、疲れた」
「そっか。おつかれさま」
「ありがとう。…ああ、永那ちゃんも、誉の世話ありがとう。おつかれさまでした」
「いえいえ。楽しく過ごせたよ」
「それならよかった」
誉と何をしていたのか聞いたら、誉の熱は次の日(昨日)には平熱に戻っていて、2人でずっとゲームをしていたという。
念のため外には出なかったと自慢気に言っているけど、(安静にしててよ…)と思ってしまう。
お母さんがお礼のお菓子をテーブルに置いといてくれて、それが嬉しかったらしい。
でも結局2人で食べたと…。後で誉を叱らなければ。
「ねえ、穂。旅行の写真ないの?」
もうグループのメッセージにはみんなが撮った写真が追加されていた。
私も今初めて見るから、どんな写真があるのか知らない。
「あ、永那ちゃんにお土産買ったのに、わたすの忘れた」
普段誰にもお土産なんて買ってこないから、わたす習慣がなかった…ショック…。
「いいよ、月曜日ちょうだい」
永那ちゃんが楽しそうに笑って、私のスマホを奪った。
彼女がスクロールするスマホを、私が覗き込む。
「わ!穂、浴衣だ!」
「あー、うん」
「いいなあ、私も見たかった」
みんな、そんなに浴衣姿って見たいものなの?
「…永那ちゃんは、お祭り行けないよね?」
永那ちゃんが心底悲しそうな表情を浮かべる。
「うん…ごめん」
「いいよ、いいよ。私、去年も行かなかったし。すごい楽しみにしてるわけでもないから」
「そっか…。いつか一緒に行けたらいいな」
「そうだね」
私は笑うけど、永那ちゃんの顔は浮かなくて、髪を撫でた。
少し笑みを作ってくれるけど、またすぐに悲しげな目をする。
電車に乗ると、涼しい風に晒される。
私達は隣に座って、指を絡める。
「そういえば、永那ちゃん?」
「ん?」
「あのね…永那ちゃんと佐藤さんが付き合ってるんじゃないかって噂があるんだって」
「ああ…そんなの、昔からだよ」
「そうなの?」
「うん、千陽が抱きついてくるからねー。…誰かから聞いたの?」
「…うん。キスしてたって」
永那ちゃんが私の肩に頭を乗せていたけど、バッと起き上がった。
「は?…誰、そんなこと言ったの」
「誰が言ったかはわからないけど、生徒会の子が聞いたって言ってた」
永那ちゃんの眉間に深いシワが刻まれる。
金井さんが私と日住君を交互に見た。
私のことをジッと見つめてから、「2人で何してたの?」と日住君に聞いた。
「べつに、休んでただけだよ。…みんな帰ってきたからあっちに戻るかな」
そう言って、彼は自分のテントに帰った。
「30分休んだらレストランに行こうって、生徒会長が言ってましたよ」
日住君が座っていた椅子に金井さんが座る。
「わかった」
「先輩、泣きました?」
まさかバレると思わなくて、顔を両手で隠した。
「何話してたんですか?」
「秘密」
「だめです、教えてください」
「教えない」
寝るまでに、何度か問答を繰り返したけど、私は秘密を貫き通した。
金井さんの迫り方が怖い…!よく頑張ったよ、私。
次の日、川で釣りをして、そのままバーベキューを楽しんだ。
なぜ私が泣いたのかは、わからない。
でも日住君との関係は変わることはなく、今までと同じように話せたのは嬉しかった。
2時には帰途についた。
最寄り駅に3時半について、私は小走りに帰った。
この時間なら、まだ永那ちゃんがいるかもしれないと思って。
ドアを開けて、玄関に靴があるのを確認する。
「永那ちゃん!」
「…穂?」
リビングからひょこっと顔を出した永那ちゃんを見た瞬間、抱きついた。
「穂、おかえり」
ギュッと抱きしめてくれる。
緊張していた体から力が抜けていく。
「ただいま」
「姉ちゃん」
永那ちゃんの後ろに誉が立っていた。
「誉、具合は?」
「もう平気」
「そうなの?今回は早かったんだね」
永那ちゃんを抱きしめながら、誉の額に手を当てる。
「本当だ」
熱は下がっているみたいだった。
「姉ちゃん…どんだけ永那とくっついてんだよ」
そう言われて、カーッと顔が熱くなる。
パッと離れると、永那ちゃんが笑った。
私は笑った彼女の頬を両手で包んだ。
ジッと彼女の目を見る。
「あんあよー、ふい」(なんだよー、穂)
包むというより、ぶちゅーっと顔を潰していて、手を離す。
「永那ちゃん、寝てないよね?」
睨むと、永那ちゃんが目をそらす。
「酷いクマだよ!何やってるの!」
そして彼女が咳をする。
「風邪引いたの!?」
「…熱は、ないよ?」
眉頭に力が入る。
…よく、風邪を人にうつすと、うつした側の治りが早いなんて聞くけど…本当なのかな?
絶対違うと思うけど、それを信じてしまいそうになるほどに誉の治りが早くて、頭痛がする。
「もう…今日は家まで送る」
「え!?いいよ!」
「だめ」
私は強引に永那ちゃんに帰り支度をさせる。
「誉、また月曜なー」と言って、永那ちゃんは渋々出ていく。
私達は手を繋いで、駅に向かう。
「穂、どうだった?」
「んー…楽しかったけど、疲れた」
「そっか。おつかれさま」
「ありがとう。…ああ、永那ちゃんも、誉の世話ありがとう。おつかれさまでした」
「いえいえ。楽しく過ごせたよ」
「それならよかった」
誉と何をしていたのか聞いたら、誉の熱は次の日(昨日)には平熱に戻っていて、2人でずっとゲームをしていたという。
念のため外には出なかったと自慢気に言っているけど、(安静にしててよ…)と思ってしまう。
お母さんがお礼のお菓子をテーブルに置いといてくれて、それが嬉しかったらしい。
でも結局2人で食べたと…。後で誉を叱らなければ。
「ねえ、穂。旅行の写真ないの?」
もうグループのメッセージにはみんなが撮った写真が追加されていた。
私も今初めて見るから、どんな写真があるのか知らない。
「あ、永那ちゃんにお土産買ったのに、わたすの忘れた」
普段誰にもお土産なんて買ってこないから、わたす習慣がなかった…ショック…。
「いいよ、月曜日ちょうだい」
永那ちゃんが楽しそうに笑って、私のスマホを奪った。
彼女がスクロールするスマホを、私が覗き込む。
「わ!穂、浴衣だ!」
「あー、うん」
「いいなあ、私も見たかった」
みんな、そんなに浴衣姿って見たいものなの?
「…永那ちゃんは、お祭り行けないよね?」
永那ちゃんが心底悲しそうな表情を浮かべる。
「うん…ごめん」
「いいよ、いいよ。私、去年も行かなかったし。すごい楽しみにしてるわけでもないから」
「そっか…。いつか一緒に行けたらいいな」
「そうだね」
私は笑うけど、永那ちゃんの顔は浮かなくて、髪を撫でた。
少し笑みを作ってくれるけど、またすぐに悲しげな目をする。
電車に乗ると、涼しい風に晒される。
私達は隣に座って、指を絡める。
「そういえば、永那ちゃん?」
「ん?」
「あのね…永那ちゃんと佐藤さんが付き合ってるんじゃないかって噂があるんだって」
「ああ…そんなの、昔からだよ」
「そうなの?」
「うん、千陽が抱きついてくるからねー。…誰かから聞いたの?」
「…うん。キスしてたって」
永那ちゃんが私の肩に頭を乗せていたけど、バッと起き上がった。
「は?…誰、そんなこと言ったの」
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永那ちゃんの眉間に深いシワが刻まれる。
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