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195.文化祭準備
文化祭委員の仕事は単調でつまらなかった。
穂と同じ空間にいられはするものの、生徒会長(仮)である彼女と話せる機会はほとんどなかった。
塩見と森山さんと、任された仕事をこなしていく。
主なことは生徒会の人たちがやるから、あたし達は本当に手伝い程度で、雑用みたいなことばかりをやらされた。
パンフレットに載せる、各クラス・部活の催し物の広告を書く時間があった。
あたし達は自分のクラスの広告を考えていたけど、塩見と森山さんが頭を捻っていた。
何か案がないか求められたけど、そんなのに興味もないから、あたしは「わかんない」と言って、2人に任せる。
頬杖をついて穂を眺めていたら、たまに目が合うから、それだけが幸せの時間。
既に2回の集まりを終えて、今日が3回目。
いい加減、飽きてきた。
こんなの人生で一度もやりたいと思ったことはなかったし、穂がいなければ、今回だってやるはずのなかったこと。
マジでめんどくさい。
資料のホチキス止めとか、資料室から資料を取ってくるのとか、体育館の設備の確認とか、当日の役割決めとか…そんなんばっかでつまらない。
正直、どうでもいい。
…昨日、穂がまた永那の家に行くと言っていたのも、あたしがイライラしている理由かも。
しかも、昨日って記念日でしょ?
あー、嫉妬する。
べつに、2人のイチャイチャする時間を邪魔したいわけじゃないし、見たいわけでもないから、あたしは永那の家に一緒に行きたいとは思わない。
それに…中学のときに永那の家に行ってみたいと言ったことがあったけど“絶対嫌”と睨まれたことがあったから、あたしから“行きたい”とは、もう言えない。
でも、もう少しあたしのこともかまってほしい。
…でも、そんなこと言えるはずもない。
言える立場じゃない。
すごく、寂しいけど。
「ちょっと、資料室行ってくるね」
穂が日住に言う。
「それなら俺が」
穂は優しく微笑んで、彼の耳元で何か囁く。
…あんなこと平気でするから、穂はモテるんだ。
そのことに気づいていないこともまた、彼女がモテてしまう要因なんだろうけど。
気づかせるようなことを言ったら、顔を真っ赤にするんだろうなあ…なんて思うと、ニヤける。
ちょうどいいから、あたしはこっそり穂の後をついていく。
資料室の扉を開けると、穂が棚を指さして確認していた。
「千陽…どうしたの?」
ドアを閉めて「べつに」と笑う。
彼女の目が泳いで、少し頬がピンク色に染まる。
…可愛い。
あたしは伸びた髪を後ろにやって、少し前かがみになって、胸元が見えやすいように歩く。
これなら上目遣いにもなるし…穂、好きでしょ?こういうの。
「ねえ、昨日、楽しかった?記念日でしょ?」
穂の目が大きく開かれる。
「う、うん…楽しかったよ」
目をそらされる。
あたしが目の前に来ると、穂は一歩後ずさった。
だから、あたしは一歩前に出る。
「エッチした?」
一気に穂の顔が赤くなる。
「し、してないよ…!」
「そうなの?」
意外。
…永那の家ではできないのかな?
「穂、あたし…ずっとおあずけされてて、そろそろ耐えられないんだけど?」
彼女がまた一歩後ずさるから、あたしはそれに合わせて一歩前に出る。
穂がそろそろと横歩きをして、あたしと棚の間をすり抜けるように移動する。
逃げようとする姿に、チクリと胸が痛む。
…あたしのことも大事にするって言ったのに。
あたしは窓の縁に寄りかかって、穂の腕を掴む。
右手で彼女の腕をグッと引っ張って、左手で彼女のネクタイを掴んで彼女を引き寄せた。
まだまだ暑いから、クールビズ的なやつで、ネクタイを着用する必要はまだない。
ブレザーも、まだ着なくていい。
でも穂は真面目だから、9月からネクタイをつけていた。
ブレザーはさすがに脱いでいるけど。
「穂、それは、傷つく」
眉をハの字にさせて、彼女の瞳が揺らぐ。
「ご、ごめん…」
「して?」
穂の視線があたしの唇に落ちる。
喉が上下して、唇が触れ合う。
…ああ、やっとだ。
やっと彼女から愛される。
こんなに、柄にもなく文化祭のことを頑張っているんだから、少しくらいのご褒美はほしい。
あたしが舌を出すと、彼女も絡ませてくれる。
子宮が疼く。
…早く、穂の家に泊まりに行きたいな。
今度はあたしの家でもいいかも。
そしたら誉という邪魔者もいないし。
思う存分愛してもらえる。
なんとなく、薄く目を開いた。
穂の後ろに…扉の向こう側に…人影。
あたしは慌てて唇を離して、穂の頭を胸に押し付けた。
むごむご、何か穂が言うけど…そんな場合じゃない。
…ヤバイ、かな。
「穂、ありがと」
髪を乱して、顔を真っ赤に染めて、瞳を潤ませる彼女の唇に、触れるだけのキスをした。
あたしは資料室を小走りに出た。
見つけた背中を追いかける。
肩を掴んで、振り向かせる。
あたしよりも背の低い、丸眼鏡の女。
彼女の瞳は怯えていた。
「ご、ごめんなさい…!」
「なにが?」
「あ…あの…えっと…その…」
「見たの?」
「…ご、めん、な、さい…」
…顔は見えていなくとも、穂が資料室に行ったことはわかっていたはずだから、きっと、バレてる。
肩のシャツを掴んだまま、空き教室に入った。
壁に彼女を押し付ける。
「誰にも、言わないよね?」
彼女はガクガクと頭を縦に振る。
あたしの心臓は、ものすごい速さで血液を全身に送る。
緊張なのか、怒りなのか、恥ずかしさなのか…そのどれもなのかは、わからない。
「あたし、あなたがエロ本持ってきてたの…知ってるから」
彼女の顔が引きつる。
穂と同じ空間にいられはするものの、生徒会長(仮)である彼女と話せる機会はほとんどなかった。
塩見と森山さんと、任された仕事をこなしていく。
主なことは生徒会の人たちがやるから、あたし達は本当に手伝い程度で、雑用みたいなことばかりをやらされた。
パンフレットに載せる、各クラス・部活の催し物の広告を書く時間があった。
あたし達は自分のクラスの広告を考えていたけど、塩見と森山さんが頭を捻っていた。
何か案がないか求められたけど、そんなのに興味もないから、あたしは「わかんない」と言って、2人に任せる。
頬杖をついて穂を眺めていたら、たまに目が合うから、それだけが幸せの時間。
既に2回の集まりを終えて、今日が3回目。
いい加減、飽きてきた。
こんなの人生で一度もやりたいと思ったことはなかったし、穂がいなければ、今回だってやるはずのなかったこと。
マジでめんどくさい。
資料のホチキス止めとか、資料室から資料を取ってくるのとか、体育館の設備の確認とか、当日の役割決めとか…そんなんばっかでつまらない。
正直、どうでもいい。
…昨日、穂がまた永那の家に行くと言っていたのも、あたしがイライラしている理由かも。
しかも、昨日って記念日でしょ?
あー、嫉妬する。
べつに、2人のイチャイチャする時間を邪魔したいわけじゃないし、見たいわけでもないから、あたしは永那の家に一緒に行きたいとは思わない。
それに…中学のときに永那の家に行ってみたいと言ったことがあったけど“絶対嫌”と睨まれたことがあったから、あたしから“行きたい”とは、もう言えない。
でも、もう少しあたしのこともかまってほしい。
…でも、そんなこと言えるはずもない。
言える立場じゃない。
すごく、寂しいけど。
「ちょっと、資料室行ってくるね」
穂が日住に言う。
「それなら俺が」
穂は優しく微笑んで、彼の耳元で何か囁く。
…あんなこと平気でするから、穂はモテるんだ。
そのことに気づいていないこともまた、彼女がモテてしまう要因なんだろうけど。
気づかせるようなことを言ったら、顔を真っ赤にするんだろうなあ…なんて思うと、ニヤける。
ちょうどいいから、あたしはこっそり穂の後をついていく。
資料室の扉を開けると、穂が棚を指さして確認していた。
「千陽…どうしたの?」
ドアを閉めて「べつに」と笑う。
彼女の目が泳いで、少し頬がピンク色に染まる。
…可愛い。
あたしは伸びた髪を後ろにやって、少し前かがみになって、胸元が見えやすいように歩く。
これなら上目遣いにもなるし…穂、好きでしょ?こういうの。
「ねえ、昨日、楽しかった?記念日でしょ?」
穂の目が大きく開かれる。
「う、うん…楽しかったよ」
目をそらされる。
あたしが目の前に来ると、穂は一歩後ずさった。
だから、あたしは一歩前に出る。
「エッチした?」
一気に穂の顔が赤くなる。
「し、してないよ…!」
「そうなの?」
意外。
…永那の家ではできないのかな?
「穂、あたし…ずっとおあずけされてて、そろそろ耐えられないんだけど?」
彼女がまた一歩後ずさるから、あたしはそれに合わせて一歩前に出る。
穂がそろそろと横歩きをして、あたしと棚の間をすり抜けるように移動する。
逃げようとする姿に、チクリと胸が痛む。
…あたしのことも大事にするって言ったのに。
あたしは窓の縁に寄りかかって、穂の腕を掴む。
右手で彼女の腕をグッと引っ張って、左手で彼女のネクタイを掴んで彼女を引き寄せた。
まだまだ暑いから、クールビズ的なやつで、ネクタイを着用する必要はまだない。
ブレザーも、まだ着なくていい。
でも穂は真面目だから、9月からネクタイをつけていた。
ブレザーはさすがに脱いでいるけど。
「穂、それは、傷つく」
眉をハの字にさせて、彼女の瞳が揺らぐ。
「ご、ごめん…」
「して?」
穂の視線があたしの唇に落ちる。
喉が上下して、唇が触れ合う。
…ああ、やっとだ。
やっと彼女から愛される。
こんなに、柄にもなく文化祭のことを頑張っているんだから、少しくらいのご褒美はほしい。
あたしが舌を出すと、彼女も絡ませてくれる。
子宮が疼く。
…早く、穂の家に泊まりに行きたいな。
今度はあたしの家でもいいかも。
そしたら誉という邪魔者もいないし。
思う存分愛してもらえる。
なんとなく、薄く目を開いた。
穂の後ろに…扉の向こう側に…人影。
あたしは慌てて唇を離して、穂の頭を胸に押し付けた。
むごむご、何か穂が言うけど…そんな場合じゃない。
…ヤバイ、かな。
「穂、ありがと」
髪を乱して、顔を真っ赤に染めて、瞳を潤ませる彼女の唇に、触れるだけのキスをした。
あたしは資料室を小走りに出た。
見つけた背中を追いかける。
肩を掴んで、振り向かせる。
あたしよりも背の低い、丸眼鏡の女。
彼女の瞳は怯えていた。
「ご、ごめんなさい…!」
「なにが?」
「あ…あの…えっと…その…」
「見たの?」
「…ご、めん、な、さい…」
…顔は見えていなくとも、穂が資料室に行ったことはわかっていたはずだから、きっと、バレてる。
肩のシャツを掴んだまま、空き教室に入った。
壁に彼女を押し付ける。
「誰にも、言わないよね?」
彼女はガクガクと頭を縦に振る。
あたしの心臓は、ものすごい速さで血液を全身に送る。
緊張なのか、怒りなのか、恥ずかしさなのか…そのどれもなのかは、わからない。
「あたし、あなたがエロ本持ってきてたの…知ってるから」
彼女の顔が引きつる。
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