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5.時間
319.酸いも甘いも
それでも、やっぱり穂は喜んだ。
「なんでみんないるの!?…ていうか、みんな大丈夫?」
あたしの後から誉、優里、桜がクラッカーを鳴らして「誕生日おめでとう!」と言った。
穂は最初こそみんなのことを心配していたけど、そのうち嬉しそうに、照れながら「ありがとう」と笑った。
「すごい!」
飾り付けられた風船をツンツンさわっている。
「あたしが膨らませたの。桜と」
「そうなんだ…ありがとう。私、こんなふうにお祝いされたの、初めて。友達が…来てくれるのも」
「穂!」
永那が穂を後ろから抱きしめる。
「嬉しい?」
「うん、嬉しい」
永那は穂の頬にキスして、ギュッと強く抱きしめた。
もうこのメンツの前だと、穂も“頬にキス”程度じゃ照れなくなったらしく、普通にしている。
みんながご飯を食べ終えた頃に、お母さんが帰ってきた。
「わあ!華やか!」
ダイニングテーブルは椅子が1つ足りなかったから、みんなラグに座ってくつろいでいた。
ローテーブルに置ききれなかった食事がダイニングテーブルに置いてあって、各々自由に取りに行く形式だった。
お母さんの分は、誉が事前に分けていた。
あたし達は人生ゲームやトランプ、UNOで遊んだり、永那と優里と誉の漫才みたいなやり取りを眺めて笑ったりして過ごした。
お母さんがご飯を食べ終えたら、みんなでハッピーバースデーを歌って、ケーキを食べた。
「2日連続でケーキなんて、人生で初!」
永那が一番嬉しそうだった。
「ずるい!!私も昨日食べたかった!!」
優里が話に乗る。
「穂、昨日もお祝いしてもらったの?」
お母さんが目をまん丸くする。
「そうなの。永那ちゃんと千陽に」
「よかったね。良い友達と、パートナーに恵まれて」
穂は頬をピンク色に染めながら頷く。
「俺も行きたかったー」
「今度ね」
あたしが言うと、誉が不貞腐れながら頷いた。
みんなが穂にプレゼントを渡す。
「こんなにたくさん貰ったの、初めて」
穂はずっと友達がいなかったと言っていたから、基本、全部が初めて。
こんなにも喜ばれると、友達になれて良かったと思える。
…あたしは、ただの友達なのか、わからないけど。
穂のなかで、あたしってどんな立ち位置なんだろう?
聞いたら、“大事な人”って答えられるのかな。
大事な人…嬉しい響き。
でも、ほんの少しだけ寂しくもある。
永那はドライフラワーをプレゼントしていた。
前から穂が欲しがっていたらしく、さっそく穂は部屋に飾っていた。
穂の部屋には写真がたくさん飾られていた。
あたしとのツーショットも飾っていて、ニヤけそうになる口元を手で隠した。
先に桜がお風呂に入る。
次に誉が入って、あたしと優里が一緒に入った。
こういうとき、廊下に洗面台があると便利だ。
ドライヤーで次の人を待たせてしまっているという罪悪感がない。
お母さんがお酒を飲もうとしたから、穂が慌ててお風呂に入れさせた。
お母さんが出た後、穂と永那が一緒に入る。
2人はすんなり一緒にお風呂に行ったけど…穂が昨日一緒に入るのを渋ったのは、あたしがいたから?
ちょっと、傷つく。
「誉」
「なに?」
「2人っていつも一緒にお風呂入ってんの?」
「うん」
…めっちゃ傷つく。
「姉ちゃん、最初すっげー嫌がって、永那が泣いたら結局一緒に入ってた」
誉が思い出し笑いしながら言う。
…穂は、そもそも誰かとお風呂に入るというのが、苦手なのかな。
少し傷が回復。
「永那、よく泣くようになったよね」
優里が笑う。
「そうだね。あたし、2人が付き合うまで永那が泣いてるとこ見たことなかったもん」
「中学のときも泣いてなかったんだ?卒業式とかも?」
「うん、泣いてない」
「あ~、私も恋人…っていうか、好きな人欲しい~。そしたら私も、なんか、キラキラできる気がする!泣いたり笑ったり~、いいな~」
優里が床に倒れた。
桜は体育座りをしながら、無言であたし達の話を聞きていた。
たまに相槌は打っていたけど。
お母さんは自室でお酒を飲んでいるみたいだった。
誉が「俺もー」と、優里の隣に倒れる。
「誉はまだまだこれからでしょー?中学も高校もある!」
「好きな人、できるかな?」
「できるんじゃない?…私は…まだできたことないけど…」
「それを言えば、優里だって大学があるでしょ?」
あたしはローテーブルに頬杖をつきながら言う。
「大学~!初恋とかってさ、普通高校とかで済ませるものじゃない?私、恥ずかしいよ~」
「べつに、恥ずかしいことじゃないでしょ」
「桜ちゃんは、塩見とはどうなの?」
「え!?し、塩見君ですか!?なぜ!?」
「2人、仲良いじゃん」
優里がニヤニヤしてる。
「あ、あれは…私があまりに鼻血を出すので、し、心配してくれているだけです…」
「え~、そうかな~。最近桜ちゃんお洒落だし~」
優里のダル絡みが始まった。
優里のダル絡みを適当に聞き流していたら、穂と永那が戻ってきた。
イチャイチャしてるのかと思ったけど、案外早く出てきたから意外だった。
永那がラグに座って、穂が部屋に行ったから、あたしは立ち上がって穂のそばに行く。
「なんでみんないるの!?…ていうか、みんな大丈夫?」
あたしの後から誉、優里、桜がクラッカーを鳴らして「誕生日おめでとう!」と言った。
穂は最初こそみんなのことを心配していたけど、そのうち嬉しそうに、照れながら「ありがとう」と笑った。
「すごい!」
飾り付けられた風船をツンツンさわっている。
「あたしが膨らませたの。桜と」
「そうなんだ…ありがとう。私、こんなふうにお祝いされたの、初めて。友達が…来てくれるのも」
「穂!」
永那が穂を後ろから抱きしめる。
「嬉しい?」
「うん、嬉しい」
永那は穂の頬にキスして、ギュッと強く抱きしめた。
もうこのメンツの前だと、穂も“頬にキス”程度じゃ照れなくなったらしく、普通にしている。
みんながご飯を食べ終えた頃に、お母さんが帰ってきた。
「わあ!華やか!」
ダイニングテーブルは椅子が1つ足りなかったから、みんなラグに座ってくつろいでいた。
ローテーブルに置ききれなかった食事がダイニングテーブルに置いてあって、各々自由に取りに行く形式だった。
お母さんの分は、誉が事前に分けていた。
あたし達は人生ゲームやトランプ、UNOで遊んだり、永那と優里と誉の漫才みたいなやり取りを眺めて笑ったりして過ごした。
お母さんがご飯を食べ終えたら、みんなでハッピーバースデーを歌って、ケーキを食べた。
「2日連続でケーキなんて、人生で初!」
永那が一番嬉しそうだった。
「ずるい!!私も昨日食べたかった!!」
優里が話に乗る。
「穂、昨日もお祝いしてもらったの?」
お母さんが目をまん丸くする。
「そうなの。永那ちゃんと千陽に」
「よかったね。良い友達と、パートナーに恵まれて」
穂は頬をピンク色に染めながら頷く。
「俺も行きたかったー」
「今度ね」
あたしが言うと、誉が不貞腐れながら頷いた。
みんなが穂にプレゼントを渡す。
「こんなにたくさん貰ったの、初めて」
穂はずっと友達がいなかったと言っていたから、基本、全部が初めて。
こんなにも喜ばれると、友達になれて良かったと思える。
…あたしは、ただの友達なのか、わからないけど。
穂のなかで、あたしってどんな立ち位置なんだろう?
聞いたら、“大事な人”って答えられるのかな。
大事な人…嬉しい響き。
でも、ほんの少しだけ寂しくもある。
永那はドライフラワーをプレゼントしていた。
前から穂が欲しがっていたらしく、さっそく穂は部屋に飾っていた。
穂の部屋には写真がたくさん飾られていた。
あたしとのツーショットも飾っていて、ニヤけそうになる口元を手で隠した。
先に桜がお風呂に入る。
次に誉が入って、あたしと優里が一緒に入った。
こういうとき、廊下に洗面台があると便利だ。
ドライヤーで次の人を待たせてしまっているという罪悪感がない。
お母さんがお酒を飲もうとしたから、穂が慌ててお風呂に入れさせた。
お母さんが出た後、穂と永那が一緒に入る。
2人はすんなり一緒にお風呂に行ったけど…穂が昨日一緒に入るのを渋ったのは、あたしがいたから?
ちょっと、傷つく。
「誉」
「なに?」
「2人っていつも一緒にお風呂入ってんの?」
「うん」
…めっちゃ傷つく。
「姉ちゃん、最初すっげー嫌がって、永那が泣いたら結局一緒に入ってた」
誉が思い出し笑いしながら言う。
…穂は、そもそも誰かとお風呂に入るというのが、苦手なのかな。
少し傷が回復。
「永那、よく泣くようになったよね」
優里が笑う。
「そうだね。あたし、2人が付き合うまで永那が泣いてるとこ見たことなかったもん」
「中学のときも泣いてなかったんだ?卒業式とかも?」
「うん、泣いてない」
「あ~、私も恋人…っていうか、好きな人欲しい~。そしたら私も、なんか、キラキラできる気がする!泣いたり笑ったり~、いいな~」
優里が床に倒れた。
桜は体育座りをしながら、無言であたし達の話を聞きていた。
たまに相槌は打っていたけど。
お母さんは自室でお酒を飲んでいるみたいだった。
誉が「俺もー」と、優里の隣に倒れる。
「誉はまだまだこれからでしょー?中学も高校もある!」
「好きな人、できるかな?」
「できるんじゃない?…私は…まだできたことないけど…」
「それを言えば、優里だって大学があるでしょ?」
あたしはローテーブルに頬杖をつきながら言う。
「大学~!初恋とかってさ、普通高校とかで済ませるものじゃない?私、恥ずかしいよ~」
「べつに、恥ずかしいことじゃないでしょ」
「桜ちゃんは、塩見とはどうなの?」
「え!?し、塩見君ですか!?なぜ!?」
「2人、仲良いじゃん」
優里がニヤニヤしてる。
「あ、あれは…私があまりに鼻血を出すので、し、心配してくれているだけです…」
「え~、そうかな~。最近桜ちゃんお洒落だし~」
優里のダル絡みが始まった。
優里のダル絡みを適当に聞き流していたら、穂と永那が戻ってきた。
イチャイチャしてるのかと思ったけど、案外早く出てきたから意外だった。
永那がラグに座って、穂が部屋に行ったから、あたしは立ち上がって穂のそばに行く。
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