いたずらはため息と共に

常森 楽

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5.時間

328.考える

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摘まれ続けた粒を、彼女が優しく撫でる。
ほんの少し休ませるように、落ち着かせるように。
ここ数日は、粒を避けるようにさわられて、何度も焦らされてきた。
最終的にはイかせてくれるのだけれど、絶対にすぐにはイかせてくれなかった。
まるでそれを想起させるように、彼女の指が円を描き出す。
…やだ。焦らさないで。
そう、眉間にシワを寄せた瞬間、欲しいものが与えられる。
「あぁっ…!」
「好きなだけイっていいよ」
突起を口に含みながら話すから、息がかかって、少しくすぐったい。
氷柱が落ちて、パリンと割れるように、私は果てる。

彼女のあたたまった手が脇腹を撫でて、太ももに下りる。
すぐに割れ目に触れられて、ピチャピチャと音を鳴らす。
彼女が胸から離れて、顔を恥部にうずめる。
「んぁぁっ…あッ…」
「クンニ、気持ちいいよね」
…なにそれ。
「穂のは、やっぱりおいしい」
甘い果実にでもかぶりつくかのように、彼女が私の陰部を唇で挟む。
「あぁっ、あっ…イく、イきたい…っ」
「いいよ」
“イきたい”とお願いしないとイかせてもらえなかった数日間。
それがもう体に染み付いて、聞かれてもないのに、彼女にお願いする。
背を反って、ビクビクと体を揺らす。

「もっと…お願い…」
「ん」
彼女に触れられるところ、全てが、気持ちいい。
彼女が閉じないようにと脚を押さえる感覚すら。
「んぁっ、アッ…あァッ、ぁぁっ」
蕾を吸われて、体を捩らせる。
まだイッてる最中なのに、なかに彼女の指が入ってくる。
「あぁ…っ」
上手く息が吸えなくて、変な声が出る。
「もうキツい…痛くない?」
「痛く、ない…」
リズムを刻むみたいに、彼女の指がクイクイと動く。
羽ばたく鳥のように、私は両手を上げて、敷布団の端を掴んだ。
「ハァッあっ…あぁっ、気持ちいいよォ…気持ちいぃ…」
「可愛い、穂」
汗が滲む。
視界が、ボヤける。
一瞬、永那ちゃんが千陽を気持ち良くしてあげているイメージが浮かんだ。
やだ。
私だけが、いい。
永那ちゃんは、私のだもん。
…どうすれば、いいの。
でも…千陽も、すごく大事。
どうすれば…。

「永那ちゃん、永那ちゃん」
両手を広げて、彼女を求めた。
「ん」
彼女が笑う。
永那ちゃんは左手で軽く私のお腹を押す。
「あっ…だめっ」
「だめなの?」
「あぁっ…だめ、じゃ…ない…」
なかからもおなかからも圧迫されて、尿意に襲われる。
でも、気持ちいい…。
体から湯気が出るんじゃないかと思うほど、暑い。
「イきたいっ…あぁッ、あっ…」
クチュクチュと音が響く。
頭が真っ白になっていく。
イッても、彼女は休ませてはくれない。
私も、休む間なんて、いらないと思った。

「ハァッあぁっ、んんぅっ…んっ」
何度かイッて、彼女がうつ伏せになるように言う。
四つん這いになると、すぐに彼女が入ってくる。
「穂、“お願い”忘れてない?…もう、イかせてあげないよ?」
「や…イかせて…イかせ、て…ください…」
「ハァ…エロ…」
「んんっ…」
彼女が奥に入ってくる。
「ポルチオは、だいぶ感じられるようになってきたね。開発が進んで嬉しいよ」
お腹のなかが、熱い。
彼女の手で、体全体が揺らされる。
氷柱とは逆に形成される氷筍ひょうじゅんのように、脳に快楽が突き刺さる。
「あぁっ…ァッ…イ…イき、た…ぁっ、ぃ」
「いいよ」
彼女の手が止まらないことに安堵すると同時に、痙攣が止まらなくなる。
ガクガク震えて、足がったままになる。

なのに、彼女の手が止まらないことに、またホッとする。
もっと、もっと…。
汗が滴り落ちて、目にも入る。
痛くて、目を瞑った。
呼吸をすることに精一杯だけど、止めてほしくなくて「イきたい」とお願いする。
「わがままな穂」
優しくも意地悪な声だけで、全身が悦ぶ。
…“わがまま”とか、“悪い子”とか、“ちゃんとお願いしないと”とか…永那ちゃんは、私が今まで誰にも言われたことのないことを言う。
ずっと“良い子だね”と言われてきた。
褒められるのが当たり前だった。
だから過ちにも気づけず、ずっと孤独に生きていた。
だから…誰にもわがままを言えずに、生きてきた。
「ああ…手がちょっと、疲れてきたなあ…」
「ぁぁっ…んぅ…ッ、イきたいぃ…」
ハハハッと永那ちゃんが笑う。
「しょーがないなー」

久しぶりに、頭が真っ白になるくらい、イッた。
「穂、もう0時だよ。まだイきたい?」
喋ろうとして、咳き込む。
ゲホゲホと咳を繰り返していると、彼女が背中をトントンと叩いてくれる。
喉が乾いて、干からびてしまいそう。
彼女がなかからいなくなる。
支えがなくなって、重力に負けて、私は布団に倒れる。
左手の薬指に光る指輪を見た。
チュパッチュパッと音が聞こえた後、彼女が戻ってくる足音がした。
私の顔のそばでしゃがんで、お茶を口移しで飲ませてくれる。
コップに入ってるお茶だけじゃ足りなくて、空になったそれをジッと見た。
「もう一杯かな?」
彼女を見ると、ニッコリと微笑んでくれた。
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