文字の大きさ
大
中
小
363 / 595
6.さんにん
362.クリスマス
「何回かは、わかんない。けど、エッチしてたのは半年間くらいかな。週に1回くらい」
彼女がゴクリと唾を飲む。
「楽しいとは思ったけど、幸せではなかったよ」
「どう、違うの?」
「全然違うよ。穂とのエッチは、いつも幸せ。…楽しいっていうのは…うーん…単純に、相手が気持ち良さそうにしてる顔を見て、普段見られない顔を見れてる優越感とか。どんな風にしたら相手が気持ち良いって思うのかな?っていう、実験的な要素もあるのかな?ホント、遊んでるって感覚が強い」
「幸せは?」
「えー…難しいな。…愛されてるって感じられることかな?」
「どうやったら感じるの?」
質問が多くて、笑みが溢れる。
「そうだなー…こうやって、穂が私のことを知ろうとしてくれることとか。私の願いを一生懸命叶えようとしてくれるとことか。気持ちを、ちゃんと伝えてくれるとことか。…そういうの全部含めて、愛を感じるよ。だから、エッチした後、いつも幸せな気持ちになるんだ。楽しいだけのときって、なんか、虚しくなるんだよね」
「…そっか」
「満足した?」
彼女が頷くから、私は安心してあくびが出る。
「永那ちゃん、好き」
「私も、穂が好きだよ。愛してる」
フフッと彼女が笑って、体を私に向ける。
そっとキスされて、私からもう一度キスをした。
平和な毎日が過ぎていく。
勉強して、お喋りして、散歩がてらお出かけして、寝る前に愛し合う。
29日には、お母さんも年末年始休暇に入って、4人で少し遠出した。
誉が助手席に座って、穂と2人で後部座席に座る。
それだけで楽しい。
穂のおばあちゃんの家に行く案も出たけど、お母さんが“疲れるから、やっぱり今年は行かなくていいや。お盆に行ったし”と言って、家で過ごすことになった。
あっと言う間に31日。
明日は千陽と優里と神社に行く予定だ。
穂が朝から黒豆を煮ていた。
私は暇だから、いつものように穂を後ろから抱きしめたんだけど…“お母さんいるからダメ!”と叱られてしまい、仕方なくテレビを見た。
いつもなら、抱きしめて、胸を揉んで、太ももを撫でて、最終的にはエッチに持ち込むんだけど…。
さすがにお母さんの前では、抱きしめるだけにしようと思ってたよ!?
でも抱きしめるのもダメと言われると…少し落ち込む。
夜、みんなでカウントダウンをした。
ふと、お母さんのことを思い出した。
いつも2人でカウントダウンしてたから。
お母さんも、病院でカウントダウンしてたりするのかな?
お母さんが退院する日まで、あと2週間ちょっと…。
早いな…あっと言う間だったな…嫌だな。
めでたい日だというのに、私の心はぐるぐると暗い感情が渦巻いた。
1時くらいまで音楽番組を見て、2人でベッドに潜った。
唇にやわらかい感触。
目を開けると、大好きな人。
微笑む彼女。
朝日に照らされた黒髪が綺麗だ。
毛先を手の平に乗せる。
キラキラしてる。
「永那ちゃん」
彼女は寝ている私の膝に座って、両手をお腹についている。
可愛い。エロい。襲いたい。
「あけましておめでとうございます」
女中さんみたいに、ペコリと頭を下げた。
「…あぁ、そっか。あけましておめでとうございます」
笑うと、顔を上げて彼女も笑った。
「食べたい」
花が咲いたみたいに、彼女が笑う。
「おせち!食べよう?」
そういう意味じゃない。
美味しそうだけど。
「お雑煮、今から作るね」
彼女が立ち上がろうとするから、手を引っ張って、強引に口付けする。
離れると、フフッと彼女が笑った。
ホント、食べちゃいたい。
「永那ちゃん、行こう?」
「うん」
彼女に手を引かれて、起き上がる。
穂はローテーブルの棚からゴムを出して、髪を結った。
私、この姿大好きなんだよね。
リビングに出ると、誉がもう起きていた。
正月のテレビを見ている。
「おはよー!」
「おはよう、誉」
「おはー」
寝癖を撫でると、ニシシと誉が笑う。
穂は顔を洗って、歯磨きをし終えた後、キッチンに立つ。
誉が寝癖を跳ねさせながら隣に立った。
私は椅子に座って、頬をテーブルにつけて、2人の様子を眺める。
そのうちお母さんがあくびをしながら起きてきた。
お皿に、豪華に盛り付けられたおせちが並ぶ。
お母さんが「すごーい」と小さく拍手していた。
「ほとんど買ったものだけど…」
穂が眉根を下げながら笑う。
「でも黒豆、煮てたよね?栗きんとんと田づくりもお姉ちゃんの手作り~!すごいよ~!」
お母さんが言って、へへへと穂が照れる。
「俺も手伝ったよ!」
「そうだね。ありがとう、誉」
お雑煮を持ってきてくれる誉の頭を、お母さんが撫でる。
「めっちゃうまそう」
私が言うと、穂の笑顔が弾けて、隣に座った。
可愛い。
こんな美味しいおせちは初めて食べた。
っていうか、ちゃんとしたおせち自体、何年ぶりかに食べた。
小学生のときは、伊達巻ばっかり食べてた気がする。
「お母さんのお昼の分は、取っておいてあるからね」
「は~い」
誉は友達と会うらしいし、私と穂は千陽と優里と会うから、お昼はたぶん外で食べることになる。
元旦の神社と言えば、屋台だもんね。
彼女がゴクリと唾を飲む。
「楽しいとは思ったけど、幸せではなかったよ」
「どう、違うの?」
「全然違うよ。穂とのエッチは、いつも幸せ。…楽しいっていうのは…うーん…単純に、相手が気持ち良さそうにしてる顔を見て、普段見られない顔を見れてる優越感とか。どんな風にしたら相手が気持ち良いって思うのかな?っていう、実験的な要素もあるのかな?ホント、遊んでるって感覚が強い」
「幸せは?」
「えー…難しいな。…愛されてるって感じられることかな?」
「どうやったら感じるの?」
質問が多くて、笑みが溢れる。
「そうだなー…こうやって、穂が私のことを知ろうとしてくれることとか。私の願いを一生懸命叶えようとしてくれるとことか。気持ちを、ちゃんと伝えてくれるとことか。…そういうの全部含めて、愛を感じるよ。だから、エッチした後、いつも幸せな気持ちになるんだ。楽しいだけのときって、なんか、虚しくなるんだよね」
「…そっか」
「満足した?」
彼女が頷くから、私は安心してあくびが出る。
「永那ちゃん、好き」
「私も、穂が好きだよ。愛してる」
フフッと彼女が笑って、体を私に向ける。
そっとキスされて、私からもう一度キスをした。
平和な毎日が過ぎていく。
勉強して、お喋りして、散歩がてらお出かけして、寝る前に愛し合う。
29日には、お母さんも年末年始休暇に入って、4人で少し遠出した。
誉が助手席に座って、穂と2人で後部座席に座る。
それだけで楽しい。
穂のおばあちゃんの家に行く案も出たけど、お母さんが“疲れるから、やっぱり今年は行かなくていいや。お盆に行ったし”と言って、家で過ごすことになった。
あっと言う間に31日。
明日は千陽と優里と神社に行く予定だ。
穂が朝から黒豆を煮ていた。
私は暇だから、いつものように穂を後ろから抱きしめたんだけど…“お母さんいるからダメ!”と叱られてしまい、仕方なくテレビを見た。
いつもなら、抱きしめて、胸を揉んで、太ももを撫でて、最終的にはエッチに持ち込むんだけど…。
さすがにお母さんの前では、抱きしめるだけにしようと思ってたよ!?
でも抱きしめるのもダメと言われると…少し落ち込む。
夜、みんなでカウントダウンをした。
ふと、お母さんのことを思い出した。
いつも2人でカウントダウンしてたから。
お母さんも、病院でカウントダウンしてたりするのかな?
お母さんが退院する日まで、あと2週間ちょっと…。
早いな…あっと言う間だったな…嫌だな。
めでたい日だというのに、私の心はぐるぐると暗い感情が渦巻いた。
1時くらいまで音楽番組を見て、2人でベッドに潜った。
唇にやわらかい感触。
目を開けると、大好きな人。
微笑む彼女。
朝日に照らされた黒髪が綺麗だ。
毛先を手の平に乗せる。
キラキラしてる。
「永那ちゃん」
彼女は寝ている私の膝に座って、両手をお腹についている。
可愛い。エロい。襲いたい。
「あけましておめでとうございます」
女中さんみたいに、ペコリと頭を下げた。
「…あぁ、そっか。あけましておめでとうございます」
笑うと、顔を上げて彼女も笑った。
「食べたい」
花が咲いたみたいに、彼女が笑う。
「おせち!食べよう?」
そういう意味じゃない。
美味しそうだけど。
「お雑煮、今から作るね」
彼女が立ち上がろうとするから、手を引っ張って、強引に口付けする。
離れると、フフッと彼女が笑った。
ホント、食べちゃいたい。
「永那ちゃん、行こう?」
「うん」
彼女に手を引かれて、起き上がる。
穂はローテーブルの棚からゴムを出して、髪を結った。
私、この姿大好きなんだよね。
リビングに出ると、誉がもう起きていた。
正月のテレビを見ている。
「おはよー!」
「おはよう、誉」
「おはー」
寝癖を撫でると、ニシシと誉が笑う。
穂は顔を洗って、歯磨きをし終えた後、キッチンに立つ。
誉が寝癖を跳ねさせながら隣に立った。
私は椅子に座って、頬をテーブルにつけて、2人の様子を眺める。
そのうちお母さんがあくびをしながら起きてきた。
お皿に、豪華に盛り付けられたおせちが並ぶ。
お母さんが「すごーい」と小さく拍手していた。
「ほとんど買ったものだけど…」
穂が眉根を下げながら笑う。
「でも黒豆、煮てたよね?栗きんとんと田づくりもお姉ちゃんの手作り~!すごいよ~!」
お母さんが言って、へへへと穂が照れる。
「俺も手伝ったよ!」
「そうだね。ありがとう、誉」
お雑煮を持ってきてくれる誉の頭を、お母さんが撫でる。
「めっちゃうまそう」
私が言うと、穂の笑顔が弾けて、隣に座った。
可愛い。
こんな美味しいおせちは初めて食べた。
っていうか、ちゃんとしたおせち自体、何年ぶりかに食べた。
小学生のときは、伊達巻ばっかり食べてた気がする。
「お母さんのお昼の分は、取っておいてあるからね」
「は~い」
誉は友達と会うらしいし、私と穂は千陽と優里と会うから、お昼はたぶん外で食べることになる。
元旦の神社と言えば、屋台だもんね。
感想 56
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
✽全28話完結
✽辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
✽他誌にも掲載中です。
✽2026.4/11 エブリスタ用に使用している表紙に変更しました。
→表紙はイラストをGrok タイトルをChatGPTでAI生成しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?