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6.さんにん
395.冷たい
遊園地の最寄り駅に着くと、ビューッと風が吹いた。
「寒いねっ」
私と千陽は穂にくっつく。
「うん!寒いね」
穂が笑う。
「…ごめんね」
千陽が俯く。
「なにが?」
「こんな、寒い時期に…。もう少し早めに言っておけば…」
「千陽」
穂が千陽の顔を覗き込む。
「私、すごく嬉しいんだよ?寒くても、こうやってみんなでくっつけばあったかいし楽しいし。思い出になるでしょ?…千陽が誘ってくれなければ来られなかったし、謝る必要なんてないよ」
「そうそう。タダで来られてめっちゃラッキーだし」
口元を緩めながら、千陽は頷いた。
「そう言えば…ビンゴで当たったのって、ペアチケットじゃなかった?」
「…あぁ、うん」
「え?そうなの?」
「…私のチケット代、払うよ?」
穂が私の疑問に頷いて、千陽に言う。
「いらない。3人で来たかったのは、あたしのわがままだから」
「でも」
「いらない」
千陽はしっかり穂の腕に抱きついたままそっぽを向く。
…なんか、ちょっと子供みたいだな。
千陽が当日券を買うのを待ってから、3人でゲートをくぐる。
「観覧車あるね」
「乗ろっか」
「最初に観覧車なの?」
「とりあえず、穂が乗れるやつをね」
「ふーん」
「少しずつ、慣れていくから…!」
謎に気合を入れる穂。
…まあ、ジェットコースターが初なんだから、気合も入れるか。
ウォータースライダーのとき、可愛かったなあ。
最初に観覧車に乗ったのは、案外良かった。
遊園地全体が見渡せて、どこにどんなアトラクションがあるかを確認できたから。
千陽は遠慮でもしてるのか、私と穂を並ばせて、自分は1人で座った。
…嬉しいけど、千陽が当てたチケットで来られたんだし、遠慮することないのに。
観覧車に乗り終えて、子供用のエリアに向かった。
まずはコーヒーカップ。
私が腕まくりをして思いっきり回そうとしたら、2人に睨まれた。
仕方なく、大人しく少しだけ回す。
…こういうとき、優里がいたらノッてくれるんだけどなあ。
2人してグルグル回して、しばらくまともに歩けなさそうだけど。
次に園内を走れる自転車型の空中アトラクション。
千陽が1人で乗ろうとするから、穂の隣に強引に座らせた。
「…いいの?」
いつも、口ではなんだかんだ言ってるくせに、いざこうなると遠慮し始めるのは意味がわからないな。
こんな遠慮ができるなら、最初から穂にキスとかすんな。
私の心の広さに惚れ惚れするが良い!
後ろから2人の様子を眺めながら1人でペダルを漕ぐ。
穂がどこかを指差しながら、楽しそうに話している。
距離があるから聞き取れないけど、楽しそうで何よりだ。
ゴーカートは1人ずつ乗った。
千陽の車にぶつかると睨まれたけど、気にしない。
穂は緊張しっぱなしで、肩が上がっていた。
でも最後の方には慣れて笑っていたから、つい私も笑みが溢れる。
変な鳥みたいな乗り物に乗って回転する(空中)アトラクションでは私と穂が一緒に乗った。
レバーで上下に動くから、私が動かす。
「穂、怖くない?」
「うん、大丈夫!楽しいよ!」
風が冷たいけど、このくらいのスピードだったら心地良い。
キスしたくなって顔を近づけると「だめ」と微笑まれる。
…ああ、可愛い。
「いつならしていい?」
「…わからないけど、今はだめ」
残念。
そしていよいよ、(子供用の)ジェットコースターに乗る。
それより先に垂直落下する(子供用の)アトラクションに乗ろうと提案したけど、却下された。
高さも低いし、ジェットコースターよりも怖くないと思うんだけど…。
穂の表情が見たかったから、今回も穂の隣に座らせてもらう。
また彼女の肩が上がっている。
「穂、大丈夫だよ。幼稚園児でも乗れるやつだよ?」
「う、うん。わかってる…」
…結果、穂は悲鳴も出なかった。
それは余裕だったという意味ではなく、怖すぎて声が出なかったパターン。
そんなに怖いか?
目もギュッと瞑って、全く楽しそうじゃなかった。
「穂は飛行機は平気なのに、なんでジェットコースターはダメなんだろうね?」
彼女がゴクリと唾を飲んで、フェンスに寄りかかった。
「飛行機は、ちゃんと守られてる感じがするんだよ…」
「飛行機のほうがスピード速いのに」
「体が外に晒されてるのと、晒されていないのとでは全然違うんだよ!」
穂が眉間にシワを寄せて、下唇を噛む。
「ふーん」
「穂、もう一回乗ったら慣れるかも」
千陽が良いことを言う。
“ヒィッ”と恐怖に戰く表情をして、私が「そうだよ!慣れだよ、慣れ!」と加勢すると、諦めた。
今度は穂と千陽が並んで乗った。
穂がフゥーッと息を吐き出して、闘う前みたいに、肩と首を回す。
そしてしっかり手すりを握った。
ピーッと音が鳴って、ジェットコースターが動き始める。
「いってらっしゃい」とスタッフの人に言われて、私は手を振った。
余裕すぎるから、私は両手を頭につけて、まるで優雅に休んでるみたいな格好をする。
千陽も余裕そうだった。
…後で千陽と一緒に大人用のジェットコースターでも乗ろうかな。
穂を待たせちゃうのは、良くないかな?
「寒いねっ」
私と千陽は穂にくっつく。
「うん!寒いね」
穂が笑う。
「…ごめんね」
千陽が俯く。
「なにが?」
「こんな、寒い時期に…。もう少し早めに言っておけば…」
「千陽」
穂が千陽の顔を覗き込む。
「私、すごく嬉しいんだよ?寒くても、こうやってみんなでくっつけばあったかいし楽しいし。思い出になるでしょ?…千陽が誘ってくれなければ来られなかったし、謝る必要なんてないよ」
「そうそう。タダで来られてめっちゃラッキーだし」
口元を緩めながら、千陽は頷いた。
「そう言えば…ビンゴで当たったのって、ペアチケットじゃなかった?」
「…あぁ、うん」
「え?そうなの?」
「…私のチケット代、払うよ?」
穂が私の疑問に頷いて、千陽に言う。
「いらない。3人で来たかったのは、あたしのわがままだから」
「でも」
「いらない」
千陽はしっかり穂の腕に抱きついたままそっぽを向く。
…なんか、ちょっと子供みたいだな。
千陽が当日券を買うのを待ってから、3人でゲートをくぐる。
「観覧車あるね」
「乗ろっか」
「最初に観覧車なの?」
「とりあえず、穂が乗れるやつをね」
「ふーん」
「少しずつ、慣れていくから…!」
謎に気合を入れる穂。
…まあ、ジェットコースターが初なんだから、気合も入れるか。
ウォータースライダーのとき、可愛かったなあ。
最初に観覧車に乗ったのは、案外良かった。
遊園地全体が見渡せて、どこにどんなアトラクションがあるかを確認できたから。
千陽は遠慮でもしてるのか、私と穂を並ばせて、自分は1人で座った。
…嬉しいけど、千陽が当てたチケットで来られたんだし、遠慮することないのに。
観覧車に乗り終えて、子供用のエリアに向かった。
まずはコーヒーカップ。
私が腕まくりをして思いっきり回そうとしたら、2人に睨まれた。
仕方なく、大人しく少しだけ回す。
…こういうとき、優里がいたらノッてくれるんだけどなあ。
2人してグルグル回して、しばらくまともに歩けなさそうだけど。
次に園内を走れる自転車型の空中アトラクション。
千陽が1人で乗ろうとするから、穂の隣に強引に座らせた。
「…いいの?」
いつも、口ではなんだかんだ言ってるくせに、いざこうなると遠慮し始めるのは意味がわからないな。
こんな遠慮ができるなら、最初から穂にキスとかすんな。
私の心の広さに惚れ惚れするが良い!
後ろから2人の様子を眺めながら1人でペダルを漕ぐ。
穂がどこかを指差しながら、楽しそうに話している。
距離があるから聞き取れないけど、楽しそうで何よりだ。
ゴーカートは1人ずつ乗った。
千陽の車にぶつかると睨まれたけど、気にしない。
穂は緊張しっぱなしで、肩が上がっていた。
でも最後の方には慣れて笑っていたから、つい私も笑みが溢れる。
変な鳥みたいな乗り物に乗って回転する(空中)アトラクションでは私と穂が一緒に乗った。
レバーで上下に動くから、私が動かす。
「穂、怖くない?」
「うん、大丈夫!楽しいよ!」
風が冷たいけど、このくらいのスピードだったら心地良い。
キスしたくなって顔を近づけると「だめ」と微笑まれる。
…ああ、可愛い。
「いつならしていい?」
「…わからないけど、今はだめ」
残念。
そしていよいよ、(子供用の)ジェットコースターに乗る。
それより先に垂直落下する(子供用の)アトラクションに乗ろうと提案したけど、却下された。
高さも低いし、ジェットコースターよりも怖くないと思うんだけど…。
穂の表情が見たかったから、今回も穂の隣に座らせてもらう。
また彼女の肩が上がっている。
「穂、大丈夫だよ。幼稚園児でも乗れるやつだよ?」
「う、うん。わかってる…」
…結果、穂は悲鳴も出なかった。
それは余裕だったという意味ではなく、怖すぎて声が出なかったパターン。
そんなに怖いか?
目もギュッと瞑って、全く楽しそうじゃなかった。
「穂は飛行機は平気なのに、なんでジェットコースターはダメなんだろうね?」
彼女がゴクリと唾を飲んで、フェンスに寄りかかった。
「飛行機は、ちゃんと守られてる感じがするんだよ…」
「飛行機のほうがスピード速いのに」
「体が外に晒されてるのと、晒されていないのとでは全然違うんだよ!」
穂が眉間にシワを寄せて、下唇を噛む。
「ふーん」
「穂、もう一回乗ったら慣れるかも」
千陽が良いことを言う。
“ヒィッ”と恐怖に戰く表情をして、私が「そうだよ!慣れだよ、慣れ!」と加勢すると、諦めた。
今度は穂と千陽が並んで乗った。
穂がフゥーッと息を吐き出して、闘う前みたいに、肩と首を回す。
そしてしっかり手すりを握った。
ピーッと音が鳴って、ジェットコースターが動き始める。
「いってらっしゃい」とスタッフの人に言われて、私は手を振った。
余裕すぎるから、私は両手を頭につけて、まるで優雅に休んでるみたいな格好をする。
千陽も余裕そうだった。
…後で千陽と一緒に大人用のジェットコースターでも乗ろうかな。
穂を待たせちゃうのは、良くないかな?
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