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7.向
415.舞う
翌日、永那ちゃんは予想通り、プリクラを見て騒いだ。
「なんで千陽が先なんだー!」
バタバタと足を動かして、机に突っ伏してしまう。
「わあ、楽しそう!ねえ、みんなで撮ろうよ!」
優里ちゃんは永那ちゃんを無視して言う。
「お花見の日に撮ったら、高2最後の思い出としてめちゃくちゃ良いかも~!」
「だね」
千陽はコンビニで買ったパスタサラダ、優里ちゃんと森山さんと私はお弁当を食べながら、お花見の計画を立てていた。
ちなみに永那ちゃんは既に食べ終えていて、パンの袋をぐしゃぐしゃに握りしめている。
永那ちゃんのお昼は毎日パンかおにぎりだから、たまに私のお弁当の野菜を分けてあげるようにしている。
最近はお母さんもご飯を頻繁に作るようになったらしく、カレーばっかりではなくなったみたいだけど、それでも彼女の野菜不足は心配だ。
“よく噛んで”って言うのに、全然直る気配がない。それじゃあ消化に悪いのに…。
放課後、永那ちゃんと約束通りお散歩をした。
“永那ちゃんの家の近くで”と提案したけど、学校周辺が良いと言われたので、ぷらぷらと手を繋いで歩く。
「こんなところにパン屋なんてあったんだ」
「私も知らなかった。こっちの方はあんまり来ないから…」
「穂の家とも駅の方とも違うもんね」
頷く。
小さな民家のようなパン屋さん。
外からでも良い匂いがしてくる気がする。
「今度お昼のパン、ここで買ってみよっかな。学校から近いし」
永那ちゃんはお昼をいつも購買で買っている。
「お昼に外に出て叱られない?」
「平気でしょ」
「叱られても知らないよ?」
「いいよ?」
彼女は両眉を上げて、ニヤリと笑った。
たまに、お昼休みに学外に出て叱られている生徒を見る。
大抵、コンビニに行っておやつを買ってくる人達だ。
登下校中にコンビニに寄るのは良くて、昼休み中がダメ…というのは、生徒側からするとおかしな校則にも思えるけど、きっと学校にいる時間は学校に責任が発生するから、問題が起きないように…ということなのだと思っている。
「そういえば、千陽がね」
昨日話したホテルの件を話す。
「1泊か…」
「そう」
永那ちゃんの顔は浮かない。
「永那ちゃんが無理そうなら、また別の場所を考えよ?」
「んや、大丈夫。お母さんだって、病院ちゃんと通ってるんだし、これくらい…大丈夫になってもらわないと」
「…無理しないでね?本当に」
「大丈夫だよ。穂も千陽も楽しみにしてるのに、私のせいでしらけさせるなんて嫌だよ」
「私は、永那ちゃんといられるなら、どこでもいいよ?」
フフッと彼女が優しく笑う。
「でも、すごい楽しみそうに話してたよ?」
「…そ、そうかな?」
「そうだよ」
自覚なし。
前髪を指で梳く。
「穂さ、春休みらへん、生理になんじゃないの?」
「ん?そうだっけ?」
永那ちゃんがポケットからスマホを出す。
「今生理中でしょ?」
…完璧に把握されてしまっている。
目をそらしながら、小さく頷く。
永那ちゃんの言う通り、数日前に生理になった。
だから試験最終日の金曜日も、例え2人で過ごせたとしても、エッチはできなかった。
たぶんそれを永那ちゃんは最初からわかっていて、だから試験期間中永那ちゃんが私のベッドで寝た時も誘われる気配がなかったんだと、今更気づく。
ぶーぶー文句を言っていた時も、エッチができないことに不満を言うのではなく、一緒にいられないことに対して言っていた。
…こんなに把握されてるのって、普通のことなのかな?
まあ、永那ちゃんが私のためを思ってしてくれることに文句はないけれど。
永那ちゃん自身は相変わらず不順らしく、重かったり重くなかったりを繰り返している。
いい加減、永那ちゃんもお母さんを見習って病院に行ってほしい。
「ほら、後半はたぶんそうだよ。千陽に前半って言っとかないと」
永那ちゃんのスマホ画面にはカレンダーが表示されていた。
「うん」
「だいぶ日差しがぽかぽかになってきて、眠い季節になってきたな~」
「永那ちゃんは夏も秋も冬も、ずっと寝てたよ?」
「冬は、ちょっとはマシだったんじゃない?穂と一緒だったし」
「私と一緒に過ごさなくなった途端に、凄い勢いで寝てるから、プラマイゼロ…どころかマイナスだよ」
「睡眠にプラスとかマイナスとかあるの!?」
「寝過ぎってこと」
「ハァ」と彼女が項垂れる。
…ちょっと、言い過ぎちゃったかな?
それに、自分で言っておきながら、夏は寝ていない時間も結構長かった気がする…。
「そうなんだよな~…。今日返されたテスト、過去一悪かった…」
「え!?そうなの?」
「ヤバイよ~、マジで。全然勉強してないもん。…お母さんが帰ってくる前に勉強してた範囲は平気だったんだけど、その後がね。復習も出来てなかったし」
「そっかあ…」
ずっと心配してたけど、その影響がしっかり成績に反映されてしまったのか…。
「どうやったら起きてられるんだー!?」
彼女があいている片手で髪をボサボサにする。
「なんで千陽が先なんだー!」
バタバタと足を動かして、机に突っ伏してしまう。
「わあ、楽しそう!ねえ、みんなで撮ろうよ!」
優里ちゃんは永那ちゃんを無視して言う。
「お花見の日に撮ったら、高2最後の思い出としてめちゃくちゃ良いかも~!」
「だね」
千陽はコンビニで買ったパスタサラダ、優里ちゃんと森山さんと私はお弁当を食べながら、お花見の計画を立てていた。
ちなみに永那ちゃんは既に食べ終えていて、パンの袋をぐしゃぐしゃに握りしめている。
永那ちゃんのお昼は毎日パンかおにぎりだから、たまに私のお弁当の野菜を分けてあげるようにしている。
最近はお母さんもご飯を頻繁に作るようになったらしく、カレーばっかりではなくなったみたいだけど、それでも彼女の野菜不足は心配だ。
“よく噛んで”って言うのに、全然直る気配がない。それじゃあ消化に悪いのに…。
放課後、永那ちゃんと約束通りお散歩をした。
“永那ちゃんの家の近くで”と提案したけど、学校周辺が良いと言われたので、ぷらぷらと手を繋いで歩く。
「こんなところにパン屋なんてあったんだ」
「私も知らなかった。こっちの方はあんまり来ないから…」
「穂の家とも駅の方とも違うもんね」
頷く。
小さな民家のようなパン屋さん。
外からでも良い匂いがしてくる気がする。
「今度お昼のパン、ここで買ってみよっかな。学校から近いし」
永那ちゃんはお昼をいつも購買で買っている。
「お昼に外に出て叱られない?」
「平気でしょ」
「叱られても知らないよ?」
「いいよ?」
彼女は両眉を上げて、ニヤリと笑った。
たまに、お昼休みに学外に出て叱られている生徒を見る。
大抵、コンビニに行っておやつを買ってくる人達だ。
登下校中にコンビニに寄るのは良くて、昼休み中がダメ…というのは、生徒側からするとおかしな校則にも思えるけど、きっと学校にいる時間は学校に責任が発生するから、問題が起きないように…ということなのだと思っている。
「そういえば、千陽がね」
昨日話したホテルの件を話す。
「1泊か…」
「そう」
永那ちゃんの顔は浮かない。
「永那ちゃんが無理そうなら、また別の場所を考えよ?」
「んや、大丈夫。お母さんだって、病院ちゃんと通ってるんだし、これくらい…大丈夫になってもらわないと」
「…無理しないでね?本当に」
「大丈夫だよ。穂も千陽も楽しみにしてるのに、私のせいでしらけさせるなんて嫌だよ」
「私は、永那ちゃんといられるなら、どこでもいいよ?」
フフッと彼女が優しく笑う。
「でも、すごい楽しみそうに話してたよ?」
「…そ、そうかな?」
「そうだよ」
自覚なし。
前髪を指で梳く。
「穂さ、春休みらへん、生理になんじゃないの?」
「ん?そうだっけ?」
永那ちゃんがポケットからスマホを出す。
「今生理中でしょ?」
…完璧に把握されてしまっている。
目をそらしながら、小さく頷く。
永那ちゃんの言う通り、数日前に生理になった。
だから試験最終日の金曜日も、例え2人で過ごせたとしても、エッチはできなかった。
たぶんそれを永那ちゃんは最初からわかっていて、だから試験期間中永那ちゃんが私のベッドで寝た時も誘われる気配がなかったんだと、今更気づく。
ぶーぶー文句を言っていた時も、エッチができないことに不満を言うのではなく、一緒にいられないことに対して言っていた。
…こんなに把握されてるのって、普通のことなのかな?
まあ、永那ちゃんが私のためを思ってしてくれることに文句はないけれど。
永那ちゃん自身は相変わらず不順らしく、重かったり重くなかったりを繰り返している。
いい加減、永那ちゃんもお母さんを見習って病院に行ってほしい。
「ほら、後半はたぶんそうだよ。千陽に前半って言っとかないと」
永那ちゃんのスマホ画面にはカレンダーが表示されていた。
「うん」
「だいぶ日差しがぽかぽかになってきて、眠い季節になってきたな~」
「永那ちゃんは夏も秋も冬も、ずっと寝てたよ?」
「冬は、ちょっとはマシだったんじゃない?穂と一緒だったし」
「私と一緒に過ごさなくなった途端に、凄い勢いで寝てるから、プラマイゼロ…どころかマイナスだよ」
「睡眠にプラスとかマイナスとかあるの!?」
「寝過ぎってこと」
「ハァ」と彼女が項垂れる。
…ちょっと、言い過ぎちゃったかな?
それに、自分で言っておきながら、夏は寝ていない時間も結構長かった気がする…。
「そうなんだよな~…。今日返されたテスト、過去一悪かった…」
「え!?そうなの?」
「ヤバイよ~、マジで。全然勉強してないもん。…お母さんが帰ってくる前に勉強してた範囲は平気だったんだけど、その後がね。復習も出来てなかったし」
「そっかあ…」
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彼女があいている片手で髪をボサボサにする。
感想 56
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