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仕方ない。
あたしの家族はそういう関係で成り立っている。
パパもママもあたしも、それぞれが抱いている本当の気持ちとか、そういうのを知りたがらない。
表面上、ニコニコ笑って、ハッピーに過ごせればそれでいい。
パパはあたしとママをお人形かペットくらいにしか思っていない。
ママは、あたしが小さい頃はペットみたいに可愛がってくれていたけど、あたしが大きくなって飽きると、ただの同居者扱い。…たまに、友達っぽくもあるけど。
ママにとってパパは、可愛がってくれて、お金をくれて、自由をくれる存在。
昔は構ってもらえなくて寂しそうにしていたけど、彼氏を作るようになってからは、そんな素振りもほとんどなくなった。
あたしは…パパとママのこと、ただ血が繋がってるだけの関係としか思っていない。
パパとママのことを知りたいとも思わないし、知ろうとしたところで、あの人達は教える気なんてないんだろう。
しつこく知ろうとすれば、きっと突き放される。
とても自分の娘を見るような目じゃない、冷たい目で、あたしを見る。
だからあたしはあの人達を知りたいとは思わない。
フゥーッと息を吐き出して、ベッドに寝転ぶ。
こんなくだらないことを考えるのはやめよう。
せっかく幸せな1日を過ごせたのに、こんなこと考えてたら台無し。
パパから指定された対価が“パーティ”だったから、ついこんなことを考えちゃうんだ。
でも…次のパーティはひとりぼっちじゃない。
穂も永那も来てくれる…!
嬉しい!
枕に顔を突っ伏して、足をバタバタと動かす。
「ん~!!!」
思い出しただけで幸せ。
昨日も、今朝も、人生で1番幸せだった。
あたし、されるのも好きだけどする方が好きなのかな…?
永那があたしのことを見てくれたと思った瞬間、されたいよりもしたいと思った。
いつかの時のために、覚えておこ。
あんなに満たされたはずなのに、もう2人に会いたくてたまらない。
床に置いていたバッグからスマホを出す。
永那から写真が送られてきていた。
…写真撮られるのにも、もうだいぶ緊張しなくなった。
スマホを裏返して、穂と撮ったプリクラを見る。
“お守り”。
穂が言った通り。
あたしにとって、この写真の数々も、お守りだ。
人が怖くなって、怯えて暮らして、自分で自分を守る方法がわからなくて、永那に頼って、その永那すらあたしの前からいなくなってしまうのだと、胸が張り裂けそうになる夜もあった。
でも今は、こんなに幸せ。
普通の、怯えない学校生活が送れるようになった。
写真に写れるようになった。
心から友達だと思える人ができた。
ずっと知りたかった永那のことを知れた。
あたしのことを受け止めてくれる穂に、出会えた。
「ハァ…好き…」
もう、家ついてるよね…?
穂に電話をかける。
「千陽、どうしたの?」
「好き」
穂が笑う。
ああ…好き…。
「私も好きだよ、千陽」
目を閉じる。
この時間が好き。
「会いたい」
「さっきまで会ってたのに?」
「会いたいの」
「春休み…家に来る?」
「いいの?」
「永那ちゃんに聞いてみるけど、たぶん大丈夫だと思うよ」
「楽しみ」
「あ!あの!永那ちゃんに、聞いてみるから…」
「うん」
「その…もし、だめだったら…ごめんね?」
「うん」
可愛い。
「何してたの?」
「今から勉強しようと思ってたよ。さっきまでご飯食べてた」
「ご飯…」
「うん。千陽は?」
「まだ食べてない。お腹すいたかも」
「ちゃんと食べてよ?」
「うん。穂のご飯食べたい」
「今度家に来たら作ってあげるね」
「嬉しい。好き」
フフッと彼女が笑う。
「私も」
「ちゃんと言って?」
「好きだよ、千陽」
「昨日の穂、すごい可愛かった」
「え!?…あ、ありがとう。千陽も、なんか、モデルさんみたいで綺麗だった」
「そ?嬉し。…永那、また3人でシてくれるって」
「そ、そうなんだ」
「穂は、シたい?」
「…うん。楽しかったよ」
頬が緩む。
「ねえ?」
「ん?」
「2人でもシたい。…ダメ?」
「え、永那ちゃんに…聞いてみる…」
「穂は最近そればっか。穂の意思はないの?」
「ん!?ん~…えっと…」
「穂は、シたい?シたくない?」
「し、シたいよ…」
「やった。じゃあ、出来るようになんとかして?」
「なんとか…」
「そ」
「頑張ってみるね」
「うん。…好き」
「好き」
「大好き」
「私も大好き」
「ご飯食べてくる」
「わ…あ!うん!」
「今“私も”って言おうとした?」
「だ、だって…いつも“愛してる”って言われるから…」
「穂、油断しすぎ」
「ご、ごめんね…」
「いいよ。愛してる」
「私も…愛してるよ…」
“愛してるよ”だけ小声になるのが、最高に可愛い。
「切るね」
「うん。またね」
通話終了のボタンをタップする。
リビングに行くと、ママがどこかから取り寄せたローフードがテーブルに置かれていた。
「食べていいの?」と聞くと、スマホを見ながら頷かれる。
…やっぱり、穂のご飯が好き。
あたしの家族はそういう関係で成り立っている。
パパもママもあたしも、それぞれが抱いている本当の気持ちとか、そういうのを知りたがらない。
表面上、ニコニコ笑って、ハッピーに過ごせればそれでいい。
パパはあたしとママをお人形かペットくらいにしか思っていない。
ママは、あたしが小さい頃はペットみたいに可愛がってくれていたけど、あたしが大きくなって飽きると、ただの同居者扱い。…たまに、友達っぽくもあるけど。
ママにとってパパは、可愛がってくれて、お金をくれて、自由をくれる存在。
昔は構ってもらえなくて寂しそうにしていたけど、彼氏を作るようになってからは、そんな素振りもほとんどなくなった。
あたしは…パパとママのこと、ただ血が繋がってるだけの関係としか思っていない。
パパとママのことを知りたいとも思わないし、知ろうとしたところで、あの人達は教える気なんてないんだろう。
しつこく知ろうとすれば、きっと突き放される。
とても自分の娘を見るような目じゃない、冷たい目で、あたしを見る。
だからあたしはあの人達を知りたいとは思わない。
フゥーッと息を吐き出して、ベッドに寝転ぶ。
こんなくだらないことを考えるのはやめよう。
せっかく幸せな1日を過ごせたのに、こんなこと考えてたら台無し。
パパから指定された対価が“パーティ”だったから、ついこんなことを考えちゃうんだ。
でも…次のパーティはひとりぼっちじゃない。
穂も永那も来てくれる…!
嬉しい!
枕に顔を突っ伏して、足をバタバタと動かす。
「ん~!!!」
思い出しただけで幸せ。
昨日も、今朝も、人生で1番幸せだった。
あたし、されるのも好きだけどする方が好きなのかな…?
永那があたしのことを見てくれたと思った瞬間、されたいよりもしたいと思った。
いつかの時のために、覚えておこ。
あんなに満たされたはずなのに、もう2人に会いたくてたまらない。
床に置いていたバッグからスマホを出す。
永那から写真が送られてきていた。
…写真撮られるのにも、もうだいぶ緊張しなくなった。
スマホを裏返して、穂と撮ったプリクラを見る。
“お守り”。
穂が言った通り。
あたしにとって、この写真の数々も、お守りだ。
人が怖くなって、怯えて暮らして、自分で自分を守る方法がわからなくて、永那に頼って、その永那すらあたしの前からいなくなってしまうのだと、胸が張り裂けそうになる夜もあった。
でも今は、こんなに幸せ。
普通の、怯えない学校生活が送れるようになった。
写真に写れるようになった。
心から友達だと思える人ができた。
ずっと知りたかった永那のことを知れた。
あたしのことを受け止めてくれる穂に、出会えた。
「ハァ…好き…」
もう、家ついてるよね…?
穂に電話をかける。
「千陽、どうしたの?」
「好き」
穂が笑う。
ああ…好き…。
「私も好きだよ、千陽」
目を閉じる。
この時間が好き。
「会いたい」
「さっきまで会ってたのに?」
「会いたいの」
「春休み…家に来る?」
「いいの?」
「永那ちゃんに聞いてみるけど、たぶん大丈夫だと思うよ」
「楽しみ」
「あ!あの!永那ちゃんに、聞いてみるから…」
「うん」
「その…もし、だめだったら…ごめんね?」
「うん」
可愛い。
「何してたの?」
「今から勉強しようと思ってたよ。さっきまでご飯食べてた」
「ご飯…」
「うん。千陽は?」
「まだ食べてない。お腹すいたかも」
「ちゃんと食べてよ?」
「うん。穂のご飯食べたい」
「今度家に来たら作ってあげるね」
「嬉しい。好き」
フフッと彼女が笑う。
「私も」
「ちゃんと言って?」
「好きだよ、千陽」
「昨日の穂、すごい可愛かった」
「え!?…あ、ありがとう。千陽も、なんか、モデルさんみたいで綺麗だった」
「そ?嬉し。…永那、また3人でシてくれるって」
「そ、そうなんだ」
「穂は、シたい?」
「…うん。楽しかったよ」
頬が緩む。
「ねえ?」
「ん?」
「2人でもシたい。…ダメ?」
「え、永那ちゃんに…聞いてみる…」
「穂は最近そればっか。穂の意思はないの?」
「ん!?ん~…えっと…」
「穂は、シたい?シたくない?」
「し、シたいよ…」
「やった。じゃあ、出来るようになんとかして?」
「なんとか…」
「そ」
「頑張ってみるね」
「うん。…好き」
「好き」
「大好き」
「私も大好き」
「ご飯食べてくる」
「わ…あ!うん!」
「今“私も”って言おうとした?」
「だ、だって…いつも“愛してる”って言われるから…」
「穂、油断しすぎ」
「ご、ごめんね…」
「いいよ。愛してる」
「私も…愛してるよ…」
“愛してるよ”だけ小声になるのが、最高に可愛い。
「切るね」
「うん。またね」
通話終了のボタンをタップする。
リビングに行くと、ママがどこかから取り寄せたローフードがテーブルに置かれていた。
「食べていいの?」と聞くと、スマホを見ながら頷かれる。
…やっぱり、穂のご飯が好き。
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