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手を繋ぐ。
春風が私達の背中を押す。
永那ちゃんが気持ち良さそうに目を閉じた。
「今日、芹奈に会えて良かったね」
「なーんか、穂が“芹奈”って言ってると変な感じする」
「そう?」
「うん。めちゃくちゃ違和感ある」
「私もまだ慣れないよ?」
「だろうね」
「芹奈は…友達だったんだよね?」
「うん」
俯きながら、視線だけ永那ちゃんに遣る。
永那ちゃんは流し目になる。
「どうせ、千陽か芹奈が暴露するんだろうから…言っとく」
その言葉で、なんとなく予想が出来て、唾を飲む。
「あいつとも、シてた」
胸が、チクリと痛む。
「でも、本当に友達だったと…私は思ってる」
「そっか」
「ごめんね」
「どうして謝るの?」
「良い気しないじゃん?」
「それは…。でも、芹奈と話してるのを聞いてたら、友達だったんだなって、思うよ」
「芹奈はね、小学校も同じだったんだ」
「そうなんだ?」
「うん。クラスはずっと違ったし、話したこともなかったけど、あいつ学校で目立ってたから知ってた」
「千陽とは…」
「違うよ。ほら、家離れてるでしょ?」
頷く。
「芹奈とは割と家が近くて…。だからさっきも公園で会っちゃったし」
「そっか。…永那ちゃんの小学生時代、ちょっと興味ある」
「生意気なクソガキだよ。100%穂に叱られてるだろうな」
「それで、永那ちゃんは笑うの」
永那ちゃんが急に立ち止まるから、私も止まる。
「永那ちゃ」
唇が塞がれる。
胸が、小さく音を鳴らす。
「好き」
「急だね…」
「好きって思ったんだもん、今」
「私も、好きだよ?永那ちゃんのこと」
ニシシと永那ちゃんが歯を見せて笑う。
「穂と同じ小学校か~、いいね。楽しそう」
「私は…みんなに好かれてなかったけど…」
「私は好きだからいいの。…でも、中学の時の私は見られたくないからな~、難しい」
「狂った野獣の永那ちゃん?」
「野獣じゃない」
“狂った”は否定しないのかな…?
「怪獣の、永那ちゃん…?」
フッと彼女が笑う。
「それは穂にだけ」
繋いだ手を振りながら、歩く。
「3ヶ月間、一緒に暮らしてた時」
「うん」
「永那ちゃんの知り合いに出会わなかったね?」
「そりゃ、私が避けてるから」
「避けてる?」
「そう。見つかりそうになったら、逃げるか隠れる」
「…実は、会ってたってこと?」
ジトーッと彼女を見る。
「会ってた…とは言わないんじゃないかな?」
「永那ちゃん、秘密ばっかり」
「す、穂には1番言ってるつもりだよ!?…隠してるつもりも、ないし」
「芹奈と永那ちゃんの関係、千陽は知ってるんでしょ?」
「そ、それは…同じ中学だったから…」
頬に空気を溜める。
「まだ言ってないことは?」
「えぇ…。中学の時ヤった人のこと、全部言うの?」
「知りたいな」
「マジか…」
ポリポリ頭を掻く永那ちゃん。
「ん~…」
「どうしても言いたくないなら、いいけど…」
「穂、傷つかない?」
「…わからない」
「穂が傷つくなら言いたくない」
「じゃあ、傷つかない。…傷つかない程度に、教えて?」
「難しいこと言うなぁ…」
永那ちゃんが呆れたように笑う。
「千陽がよく見てる動画の人」
「中学校の先輩って人?」
「そう。あの人も…」
いきなりショックが大きかった。
だからあんなに永那ちゃんは見たがらなかったんだ…!
良い曲だと思って聞いてたけど…言葉に言い表せないショックを受けている…。
「もう、やめとく?」
真顔で聞かれ、口角を上げてみるけど、頬がピクピクと痙攣した。
永那ちゃんの左眉が上がる。
「どうする?」
「…聞く」
「あとは…あの人と同級生、だから、その人も先輩だけど…今は寮がある遠い学校に通ってる人とか。後輩と、同級生とも何人か…。他校の人もいたな」
何人か!?他校の人!?
頭の中が大混乱だ。
「な、何人?」
「ちょっと…数は、正確には、あんまり、覚えてない」
想像を遥かに超えていた。
「引いた?やっぱ、キモい?最低?」
深呼吸する。
「引かないし、キモいとも思わない。最低なんて、全然思わない。でも、ビックリした…」
「ホントに?ホントにビックリしただけ?」
「うん。…だって、永那ちゃんにとっては、ストレス発散だったんでしょ?仕方なかったんでしょ?」
「まあ…。でも…たくさんの人を、傷つけた」
「恨まれてるの?」
「ハハッ」と彼女が笑う。
「どうだろ?恨まれてるかも。いきなりグサッとやられる日が来たりして…」
「や、やめてよ!…だ、ダメ!それは、それだけはダメ…」
怖くなって、手汗が出る。
「穂、やっぱおかしいよ」
「え?」
「穂はおかしい」
「な、なんで?…誰だって、大切な人が傷つくなんて、嫌でしょ?」
彼女はまた笑う。
「そういう意味じゃないけど…。でもさ?例えグサッと刺される日が来たのだとしても、私はきっとそれ以上に相手を傷つけたんだと、思うよ」
「そんなに、傷つけたの?…そんなに、酷いことしたの?」
「…わかんない」
彼女の瞳が、遠くを映す。
春風が私達の背中を押す。
永那ちゃんが気持ち良さそうに目を閉じた。
「今日、芹奈に会えて良かったね」
「なーんか、穂が“芹奈”って言ってると変な感じする」
「そう?」
「うん。めちゃくちゃ違和感ある」
「私もまだ慣れないよ?」
「だろうね」
「芹奈は…友達だったんだよね?」
「うん」
俯きながら、視線だけ永那ちゃんに遣る。
永那ちゃんは流し目になる。
「どうせ、千陽か芹奈が暴露するんだろうから…言っとく」
その言葉で、なんとなく予想が出来て、唾を飲む。
「あいつとも、シてた」
胸が、チクリと痛む。
「でも、本当に友達だったと…私は思ってる」
「そっか」
「ごめんね」
「どうして謝るの?」
「良い気しないじゃん?」
「それは…。でも、芹奈と話してるのを聞いてたら、友達だったんだなって、思うよ」
「芹奈はね、小学校も同じだったんだ」
「そうなんだ?」
「うん。クラスはずっと違ったし、話したこともなかったけど、あいつ学校で目立ってたから知ってた」
「千陽とは…」
「違うよ。ほら、家離れてるでしょ?」
頷く。
「芹奈とは割と家が近くて…。だからさっきも公園で会っちゃったし」
「そっか。…永那ちゃんの小学生時代、ちょっと興味ある」
「生意気なクソガキだよ。100%穂に叱られてるだろうな」
「それで、永那ちゃんは笑うの」
永那ちゃんが急に立ち止まるから、私も止まる。
「永那ちゃ」
唇が塞がれる。
胸が、小さく音を鳴らす。
「好き」
「急だね…」
「好きって思ったんだもん、今」
「私も、好きだよ?永那ちゃんのこと」
ニシシと永那ちゃんが歯を見せて笑う。
「穂と同じ小学校か~、いいね。楽しそう」
「私は…みんなに好かれてなかったけど…」
「私は好きだからいいの。…でも、中学の時の私は見られたくないからな~、難しい」
「狂った野獣の永那ちゃん?」
「野獣じゃない」
“狂った”は否定しないのかな…?
「怪獣の、永那ちゃん…?」
フッと彼女が笑う。
「それは穂にだけ」
繋いだ手を振りながら、歩く。
「3ヶ月間、一緒に暮らしてた時」
「うん」
「永那ちゃんの知り合いに出会わなかったね?」
「そりゃ、私が避けてるから」
「避けてる?」
「そう。見つかりそうになったら、逃げるか隠れる」
「…実は、会ってたってこと?」
ジトーッと彼女を見る。
「会ってた…とは言わないんじゃないかな?」
「永那ちゃん、秘密ばっかり」
「す、穂には1番言ってるつもりだよ!?…隠してるつもりも、ないし」
「芹奈と永那ちゃんの関係、千陽は知ってるんでしょ?」
「そ、それは…同じ中学だったから…」
頬に空気を溜める。
「まだ言ってないことは?」
「えぇ…。中学の時ヤった人のこと、全部言うの?」
「知りたいな」
「マジか…」
ポリポリ頭を掻く永那ちゃん。
「ん~…」
「どうしても言いたくないなら、いいけど…」
「穂、傷つかない?」
「…わからない」
「穂が傷つくなら言いたくない」
「じゃあ、傷つかない。…傷つかない程度に、教えて?」
「難しいこと言うなぁ…」
永那ちゃんが呆れたように笑う。
「千陽がよく見てる動画の人」
「中学校の先輩って人?」
「そう。あの人も…」
いきなりショックが大きかった。
だからあんなに永那ちゃんは見たがらなかったんだ…!
良い曲だと思って聞いてたけど…言葉に言い表せないショックを受けている…。
「もう、やめとく?」
真顔で聞かれ、口角を上げてみるけど、頬がピクピクと痙攣した。
永那ちゃんの左眉が上がる。
「どうする?」
「…聞く」
「あとは…あの人と同級生、だから、その人も先輩だけど…今は寮がある遠い学校に通ってる人とか。後輩と、同級生とも何人か…。他校の人もいたな」
何人か!?他校の人!?
頭の中が大混乱だ。
「な、何人?」
「ちょっと…数は、正確には、あんまり、覚えてない」
想像を遥かに超えていた。
「引いた?やっぱ、キモい?最低?」
深呼吸する。
「引かないし、キモいとも思わない。最低なんて、全然思わない。でも、ビックリした…」
「ホントに?ホントにビックリしただけ?」
「うん。…だって、永那ちゃんにとっては、ストレス発散だったんでしょ?仕方なかったんでしょ?」
「まあ…。でも…たくさんの人を、傷つけた」
「恨まれてるの?」
「ハハッ」と彼女が笑う。
「どうだろ?恨まれてるかも。いきなりグサッとやられる日が来たりして…」
「や、やめてよ!…だ、ダメ!それは、それだけはダメ…」
怖くなって、手汗が出る。
「穂、やっぱおかしいよ」
「え?」
「穂はおかしい」
「な、なんで?…誰だって、大切な人が傷つくなんて、嫌でしょ?」
彼女はまた笑う。
「そういう意味じゃないけど…。でもさ?例えグサッと刺される日が来たのだとしても、私はきっとそれ以上に相手を傷つけたんだと、思うよ」
「そんなに、傷つけたの?…そんなに、酷いことしたの?」
「…わかんない」
彼女の瞳が、遠くを映す。
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