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8.閑話
64.永那 中3 夏《如月梓編》
永那が楽しそうに笑う。
永那は、ずっとニコニコしてる。
一緒にいて、楽しい。
「梓って面白いね」
「そう?」
「うん。もっと大人しい子かと思ってた」
「よく“見た目は頭良さそうなのにね”とかも言われるよ」
「うんうん、頭良さそう」
「でも成績はかなり最悪だよ」
「塾、サボってよかったの?」
「良いの…。永那に、会いたかったんだから…」
「可愛い」
永那がニヤニヤ笑うから、彼女の肩をペシッと叩いた。
ラーメンを食べ終えて、2人でゲームをした。
少しして、私の部屋にある漫画を読みたいと言って、永那は漫画を読み始めた。
私も隣で読もうとしたけど、緊張して頭に入ってこなかった。
話してる時は緊張しないのに、無言になると緊張する。
「思うんだけどさ」
「う、うん?」
「梓って、勉強しないだけなんじゃないの?」
「え?え…?どういうこと?」
「塾サボったり、学校サボったり…ゲームばっかしてたり、漫画ばっか読んでたりするだけなんじゃないの?」
「なんですか、急に。お母さんですか?」
「ストーカーしたり」
「う…っ。そ、それは、黒歴史になったから!既に黒歴史として葬り去る予定だから!!申し訳なかったと思ってるから!!」
永那が顔を上げて、私を見る。
「不器用なんだね、きっと」
真っ直ぐ見つめられて、ドキッとする。
「何かにハマると、学校とかサボってでもやりたくなっちゃう性格なのかな?」
「そ、それは…まあ…」
「それって才能だよね」
「才能?」
「もし梓が勉強にハマったら、普通に成績良いんじゃない?興味が湧かないから勉強しないだけで」
そんなこと、誰にも言われたことがなかった。
私は凡人で、なんなら凡人以下で、才能なんてないと思ってたから。
ずっと紬と比較されて生きてきたから、いつしか勉強に興味が湧かなくなったのかもしれない。
むしろ嫌っていた。
「私、やれば出来る子…?」
「その可能性は高いと思いますよ?」
ニシシと永那が笑った。
「で、でも…ハマれなくちゃ、意味ないよね?」
「まあ、そうだね」
「勉強にハマれる気がしないよ…」
「じゃあ、私と同じ高校に行くことを目標にしてみたら?」
「え!?」
永那の視線は漫画に戻っていた。
少し、照れてる…?
やばい…キュンとした…。
めちゃくちゃキュンとした…。
「いいの…?」
「いいよ」
「そんなこと言われたら、私、永那のこと、本気で好きになる」
「ありゃ」
「またストーカーするかも」
「それは困るね」
「束縛するかも」
「それは大変だ」
「じゃあ、同じ高校、目標にしちゃダメじゃん」
「だね」
永那が笑う。
あぁ…もう…好きすぎる…。
「私のこと、好きにならないの?」
「…たぶんね」
胸が痛い…。
「友達としては好きだよ。面白いし」
「ハァ」と小さく息を吐く。
「永那が好きになるのは、どんな人なんだろう?」
「私も知りたい」
永那の横顔をジッと見る。
彼女はきっと私の視線に気づいているけど、こちらを向きはしない。
「永那って、いつ勉強してるの?」
「ん?学校で」
「え?学校以外の話だよ」
「授業聞いてれば大体わかるでしょ」
本当の天才だった…。
こういう人って本当にいるんだ。
嘘だと思ってた。
「夏休みは、友達が塾の教材とか貸してくれたり、たまに一緒に勉強したりはするかな?」
「ふーん…。千陽さん?」
「千陽は、なんか忙しいって言って、今年の夏はあんまり会ってないな。…そういえば、ネットで高校の過去問見てやっとけとか言われてたの思い出した。やんなきゃ」
漫画を本棚に戻して、スマホを取り出す。
「え!?今やるの!?」
「ダメ?」
「い、いいけど…」
頭良い人ってこんな感じなんだ…。
「紙と鉛筆貸してくんない?」
「う、うん…」
ほとんど使っていないノートとシャープペンを渡す。
永那が床にうずくまるようにスマホを見ながら、何かを書き始める。
「机使っていいよ?」
「大丈夫、ありがとう」
チラリとスマホの画面を見ると、高校名が書かれた過去問が表示されていた。
私もスマホを出して、その高校の偏差値を調べた。
当然、今の私が入れるような高校ではない。
でも思っていたよりもレベルの高い高校ではなくて驚く。
滑り止めかな…?
でも永那、塾には通ってないっぽいし、通う予定もなさそうだし、高いところは目指していないのかもしれない。
勿体ない気もするけど、私がとやかく言うことでもないから、何も言わずに永那の手元を見つめる。
「初めて見る過去問?」
「うん」
スラスラ手が動いている。
余裕そうだ…。
私は暇になって、ベッドに寄りかかって顔を上げた。
漫画を乗せて、目を閉じる。
永那と同じ高校…。
すごく魅力的に思える提案。
でも私はセフレ止まり…。
いつか恋人になれる日がきたりするのかな?
だとしたら、少し頑張ってみようかな、なんて思える。
でも千陽もいるんだよね?
彼女は明らかに永那が好きで、私が勝てる気がしない。
彼女ですらセフレ止まりなら、私なんて無理に決まってる。
…どうしよう。
中3の夏休み、結局、私はろくに勉強しなかった。
塾をサボりまくって、永那とたくさんセックスした。
私が寝てる間に彼女は勉強をしていた。
他のセフレとも、こんな感じなんだろうな…というのがありありと想像できた。
永那は、ずっとニコニコしてる。
一緒にいて、楽しい。
「梓って面白いね」
「そう?」
「うん。もっと大人しい子かと思ってた」
「よく“見た目は頭良さそうなのにね”とかも言われるよ」
「うんうん、頭良さそう」
「でも成績はかなり最悪だよ」
「塾、サボってよかったの?」
「良いの…。永那に、会いたかったんだから…」
「可愛い」
永那がニヤニヤ笑うから、彼女の肩をペシッと叩いた。
ラーメンを食べ終えて、2人でゲームをした。
少しして、私の部屋にある漫画を読みたいと言って、永那は漫画を読み始めた。
私も隣で読もうとしたけど、緊張して頭に入ってこなかった。
話してる時は緊張しないのに、無言になると緊張する。
「思うんだけどさ」
「う、うん?」
「梓って、勉強しないだけなんじゃないの?」
「え?え…?どういうこと?」
「塾サボったり、学校サボったり…ゲームばっかしてたり、漫画ばっか読んでたりするだけなんじゃないの?」
「なんですか、急に。お母さんですか?」
「ストーカーしたり」
「う…っ。そ、それは、黒歴史になったから!既に黒歴史として葬り去る予定だから!!申し訳なかったと思ってるから!!」
永那が顔を上げて、私を見る。
「不器用なんだね、きっと」
真っ直ぐ見つめられて、ドキッとする。
「何かにハマると、学校とかサボってでもやりたくなっちゃう性格なのかな?」
「そ、それは…まあ…」
「それって才能だよね」
「才能?」
「もし梓が勉強にハマったら、普通に成績良いんじゃない?興味が湧かないから勉強しないだけで」
そんなこと、誰にも言われたことがなかった。
私は凡人で、なんなら凡人以下で、才能なんてないと思ってたから。
ずっと紬と比較されて生きてきたから、いつしか勉強に興味が湧かなくなったのかもしれない。
むしろ嫌っていた。
「私、やれば出来る子…?」
「その可能性は高いと思いますよ?」
ニシシと永那が笑った。
「で、でも…ハマれなくちゃ、意味ないよね?」
「まあ、そうだね」
「勉強にハマれる気がしないよ…」
「じゃあ、私と同じ高校に行くことを目標にしてみたら?」
「え!?」
永那の視線は漫画に戻っていた。
少し、照れてる…?
やばい…キュンとした…。
めちゃくちゃキュンとした…。
「いいの…?」
「いいよ」
「そんなこと言われたら、私、永那のこと、本気で好きになる」
「ありゃ」
「またストーカーするかも」
「それは困るね」
「束縛するかも」
「それは大変だ」
「じゃあ、同じ高校、目標にしちゃダメじゃん」
「だね」
永那が笑う。
あぁ…もう…好きすぎる…。
「私のこと、好きにならないの?」
「…たぶんね」
胸が痛い…。
「友達としては好きだよ。面白いし」
「ハァ」と小さく息を吐く。
「永那が好きになるのは、どんな人なんだろう?」
「私も知りたい」
永那の横顔をジッと見る。
彼女はきっと私の視線に気づいているけど、こちらを向きはしない。
「永那って、いつ勉強してるの?」
「ん?学校で」
「え?学校以外の話だよ」
「授業聞いてれば大体わかるでしょ」
本当の天才だった…。
こういう人って本当にいるんだ。
嘘だと思ってた。
「夏休みは、友達が塾の教材とか貸してくれたり、たまに一緒に勉強したりはするかな?」
「ふーん…。千陽さん?」
「千陽は、なんか忙しいって言って、今年の夏はあんまり会ってないな。…そういえば、ネットで高校の過去問見てやっとけとか言われてたの思い出した。やんなきゃ」
漫画を本棚に戻して、スマホを取り出す。
「え!?今やるの!?」
「ダメ?」
「い、いいけど…」
頭良い人ってこんな感じなんだ…。
「紙と鉛筆貸してくんない?」
「う、うん…」
ほとんど使っていないノートとシャープペンを渡す。
永那が床にうずくまるようにスマホを見ながら、何かを書き始める。
「机使っていいよ?」
「大丈夫、ありがとう」
チラリとスマホの画面を見ると、高校名が書かれた過去問が表示されていた。
私もスマホを出して、その高校の偏差値を調べた。
当然、今の私が入れるような高校ではない。
でも思っていたよりもレベルの高い高校ではなくて驚く。
滑り止めかな…?
でも永那、塾には通ってないっぽいし、通う予定もなさそうだし、高いところは目指していないのかもしれない。
勿体ない気もするけど、私がとやかく言うことでもないから、何も言わずに永那の手元を見つめる。
「初めて見る過去問?」
「うん」
スラスラ手が動いている。
余裕そうだ…。
私は暇になって、ベッドに寄りかかって顔を上げた。
漫画を乗せて、目を閉じる。
永那と同じ高校…。
すごく魅力的に思える提案。
でも私はセフレ止まり…。
いつか恋人になれる日がきたりするのかな?
だとしたら、少し頑張ってみようかな、なんて思える。
でも千陽もいるんだよね?
彼女は明らかに永那が好きで、私が勝てる気がしない。
彼女ですらセフレ止まりなら、私なんて無理に決まってる。
…どうしよう。
中3の夏休み、結局、私はろくに勉強しなかった。
塾をサボりまくって、永那とたくさんセックスした。
私が寝てる間に彼女は勉強をしていた。
他のセフレとも、こんな感じなんだろうな…というのがありありと想像できた。
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