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9.移ろい
487.新学年
チャイムが鳴って、私達は席に戻る。
「ねえっ、なに話してたのっ?」
燈夏が聞いてくるから「燈夏と勉強するって報告してただけ」と答えた。
授業中、ウトウトしていると背中を突かれる。
「なに?」と小声で聞いても、燈夏は楽しそうに笑うだけで、何も答えない。
…面倒だ。
早く席替えしたい。
桜の小さな背中を見ながら、眠りについた。
目覚めると、もう昼休みだった。
穂に起こされる前に起きたから、起こしてもらえなくて残念だった。
みんなで食堂に行く。
千陽は普段はコンビニでお昼を買ってるけど、今日は学食にするらしく、日替わり定食を注文していた。
私はいつも通り購買でパンを1つ買う。
穂、優里、桜はお弁当だ。
あー、穂のお弁当食べたいな。
「今日から新入生の体験入部が始まるね!いっぱい来るといいな~」
優里が話し始める。
「バドミントン部の部活動紹介凄かったね。みんなでジャグリングして、見てて楽しかったよ」
穂が本当に楽しそうに思い出しながら言う。
「優里がひとりでやって見せてくれた時はアホみたいだったけど…そんな凄かったの?」
「アホ!?アホって言った!?私が頑張って披露したのに!!永那と千陽は見れないからって、頑張ったのに!!」
優里は足をバタバタさせて抗議し、穂がそれに苦笑する。
「本当に、凄かったよ。生徒会も、ああいう出し物をすれば人が来てくれるのかな?」
バドミントンのシャトルをジャグリングするという謎のショーだったけど、案外大勢でやれば綺麗に見えるのかな?
想像してみたけど、よくわからないから、すぐに考えるのをやめた。
「そういえば、1人、生徒会に興味を持ってくれてる子がいるんだ」
「え!?穂ちゃんは既に1人確保済みか…」
「あたしが1年だったら穂目的で生徒会入るし、あり得る」
「私目的?」
穂の瞳が弧を描く。
…可愛いなあ。
千陽が頬杖をついて穂を見つめてるから、きっと私と同じことを思っているんだと、すぐわかる。
「あ…!」
穂が遠くを見るから、全員が視線をそちらに遣る。
「あの子!」
見覚えのある子。
目が合って、その子の顔がパッと明るくなる。
「中川ひそかさんって言うんだけど…」
穂が小さく手を振ると、彼女は小走りにこちらにやって来た。
隣には、始業式の日にいた子もいる。
「中川さん」
「あ…こ、こんにちは、空井先輩」
チラチラ私を見るから、明らかに不自然だ。
まさか穂とこの子に接点があったとは…。
「今日、体験に来るんだよね?」
「は、はい!その、予定です」
「隣の子は…」
「私、飯田 杏奈です。先輩方、よろしくお願いします。今日、私も生徒会の体験行ってみようかなって思ってるんです」
「本当!?」
穂がパチッと両手を合わせて、まるで顔の周りに花でもチラチラ浮いているみたいに喜ぶ。
「あ、あの…」
私がパンを一口噛じると、中川さんと目が合った。
「永那先輩はっ、部活動、してないんですかっ?」
噛まずにパンを飲み込んだ。
咽て、水をゴクゴク飲む。
「え!?永那ちゃん知り合いなの?」
穂が背中を撫でてくれる。
「あー…」
ゲホゲホと咳をしながら、助けを求めて千陽を見るけど、首を傾げられた。
それはそれは酷く冷たい目をしていた。
千陽も知らない子なの!?どうすればいいの!?
一応、同じ中学だった桜も見てみるけど、キョトンとした顔をされた。
そう。同じ中学ではなかったことはわかっているんだよ。
「あー。えっと…私は、部活はしてないんだ」
「…そう、ですか」
「永那ちゃん、どういう知り合い?」
穂~…勘弁してくれ~…。
「あの!…中学の時の友達が、永那先輩と、同じ学校だったんだよね?」
飯田さんが教えてくれる。
落ち込む中川さんに確認するように。
…やっぱり!友達の友達ってやつか!
関係持ってなかった上に、そんな遠い間柄じゃ、覚えてないに決まってる…。
いや!最低な考えだってわかってるから!でもしょうがないじゃん!
「へえ…永那ちゃんは交友関係が広いんだね」
穂が純粋に、真面目に言ってくるけど、皮肉にも思えて勝手に落ち込む。
「ひそかちゃん、永那先輩と同じ高校に入りたくて、ここ受験したんだそうです。通学時間1時間以上なのに、すごくないですかっ?」
飯田さんが愛想の良い笑顔で言う。
みんなからの視線が急に痛い…。
やめてくれっ、これ以上はもう、やめてくれっ。
あらぬ誤解をされている…!
私がピュアな中川さんを誑かして忘れてる、酷い奴みたいじゃん…!
誑かしてないよ!?…たぶん。
…もう、こうなったら、この場を借りて真相を突き止めるしかない。
これ以上長引かせる必要もないだろう。
どうせ思い出せないんだから。
「ちなみに…その、私と同じ中学だった友達の名前は…?」
中川さんの目の周りが真っ赤に染まっていく。
瞳に涙が溜まっていき、瞬きをしたら零れてしまいそうだ。
「あ…!ほら、一応…ね?確認、確認」
引きつった笑みを作る。
「ねえっ、なに話してたのっ?」
燈夏が聞いてくるから「燈夏と勉強するって報告してただけ」と答えた。
授業中、ウトウトしていると背中を突かれる。
「なに?」と小声で聞いても、燈夏は楽しそうに笑うだけで、何も答えない。
…面倒だ。
早く席替えしたい。
桜の小さな背中を見ながら、眠りについた。
目覚めると、もう昼休みだった。
穂に起こされる前に起きたから、起こしてもらえなくて残念だった。
みんなで食堂に行く。
千陽は普段はコンビニでお昼を買ってるけど、今日は学食にするらしく、日替わり定食を注文していた。
私はいつも通り購買でパンを1つ買う。
穂、優里、桜はお弁当だ。
あー、穂のお弁当食べたいな。
「今日から新入生の体験入部が始まるね!いっぱい来るといいな~」
優里が話し始める。
「バドミントン部の部活動紹介凄かったね。みんなでジャグリングして、見てて楽しかったよ」
穂が本当に楽しそうに思い出しながら言う。
「優里がひとりでやって見せてくれた時はアホみたいだったけど…そんな凄かったの?」
「アホ!?アホって言った!?私が頑張って披露したのに!!永那と千陽は見れないからって、頑張ったのに!!」
優里は足をバタバタさせて抗議し、穂がそれに苦笑する。
「本当に、凄かったよ。生徒会も、ああいう出し物をすれば人が来てくれるのかな?」
バドミントンのシャトルをジャグリングするという謎のショーだったけど、案外大勢でやれば綺麗に見えるのかな?
想像してみたけど、よくわからないから、すぐに考えるのをやめた。
「そういえば、1人、生徒会に興味を持ってくれてる子がいるんだ」
「え!?穂ちゃんは既に1人確保済みか…」
「あたしが1年だったら穂目的で生徒会入るし、あり得る」
「私目的?」
穂の瞳が弧を描く。
…可愛いなあ。
千陽が頬杖をついて穂を見つめてるから、きっと私と同じことを思っているんだと、すぐわかる。
「あ…!」
穂が遠くを見るから、全員が視線をそちらに遣る。
「あの子!」
見覚えのある子。
目が合って、その子の顔がパッと明るくなる。
「中川ひそかさんって言うんだけど…」
穂が小さく手を振ると、彼女は小走りにこちらにやって来た。
隣には、始業式の日にいた子もいる。
「中川さん」
「あ…こ、こんにちは、空井先輩」
チラチラ私を見るから、明らかに不自然だ。
まさか穂とこの子に接点があったとは…。
「今日、体験に来るんだよね?」
「は、はい!その、予定です」
「隣の子は…」
「私、飯田 杏奈です。先輩方、よろしくお願いします。今日、私も生徒会の体験行ってみようかなって思ってるんです」
「本当!?」
穂がパチッと両手を合わせて、まるで顔の周りに花でもチラチラ浮いているみたいに喜ぶ。
「あ、あの…」
私がパンを一口噛じると、中川さんと目が合った。
「永那先輩はっ、部活動、してないんですかっ?」
噛まずにパンを飲み込んだ。
咽て、水をゴクゴク飲む。
「え!?永那ちゃん知り合いなの?」
穂が背中を撫でてくれる。
「あー…」
ゲホゲホと咳をしながら、助けを求めて千陽を見るけど、首を傾げられた。
それはそれは酷く冷たい目をしていた。
千陽も知らない子なの!?どうすればいいの!?
一応、同じ中学だった桜も見てみるけど、キョトンとした顔をされた。
そう。同じ中学ではなかったことはわかっているんだよ。
「あー。えっと…私は、部活はしてないんだ」
「…そう、ですか」
「永那ちゃん、どういう知り合い?」
穂~…勘弁してくれ~…。
「あの!…中学の時の友達が、永那先輩と、同じ学校だったんだよね?」
飯田さんが教えてくれる。
落ち込む中川さんに確認するように。
…やっぱり!友達の友達ってやつか!
関係持ってなかった上に、そんな遠い間柄じゃ、覚えてないに決まってる…。
いや!最低な考えだってわかってるから!でもしょうがないじゃん!
「へえ…永那ちゃんは交友関係が広いんだね」
穂が純粋に、真面目に言ってくるけど、皮肉にも思えて勝手に落ち込む。
「ひそかちゃん、永那先輩と同じ高校に入りたくて、ここ受験したんだそうです。通学時間1時間以上なのに、すごくないですかっ?」
飯田さんが愛想の良い笑顔で言う。
みんなからの視線が急に痛い…。
やめてくれっ、これ以上はもう、やめてくれっ。
あらぬ誤解をされている…!
私がピュアな中川さんを誑かして忘れてる、酷い奴みたいじゃん…!
誑かしてないよ!?…たぶん。
…もう、こうなったら、この場を借りて真相を突き止めるしかない。
これ以上長引かせる必要もないだろう。
どうせ思い出せないんだから。
「ちなみに…その、私と同じ中学だった友達の名前は…?」
中川さんの目の周りが真っ赤に染まっていく。
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引きつった笑みを作る。
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