いたずらはため息と共に

常森 楽

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9.移ろい

510.パーティ

恥部に触れる彼女の手を掴む。
恥ずかしげもなく、自分の割れ目に彼女の指を押し当てた。
「挿れてほしいの?」
何度も頷く。
ぐいぐいと彼女の指を割れ目に押し当てながら。
「たーっ…可愛すぎる…やばい…あぁ…」
「んんぅッ」
いとも簡単に彼女は私の中に入ってきて、すぐにお腹の奥の方に触れた。
…きもちぃ。
「ここかな?穂がさわってほしいのは」
「んっ、んっ」
「可愛い…」
自分の太ももでお腹が押される。
いつも永那ちゃんが手で押しているけれど、それと似た感覚。
「あぁ…マジで可愛い…。気持ち良くしてあげるからね、穂。いっぱいイってね」
その優しい声で、子宮がキュンキュンと締まるのが止まらない。
手の指の先、足の指の先、脳みそまで…全部、全部、気持ちいい。
拘束された手首と足首ですら、布が擦れることで、一緒に快楽を作っているみたいだった。

口呼吸が出来なくて、必死に鼻で酸素を吸い込む。
頭がクラクラしてくる。
真っ白になって、でももっとしてほしくて、やめてほしくなくて、ガクガクと体は痙攣するのに、彼女の服を掴み続けた。
いつもより、なんだか奥の方をさわられている気がする…。
ドクドクと酸素を体中に送る心臓が、そのうち子宮とくっついてしまいそう。
フラッシュがチカチカと焚かれるように、暗闇の中に光が浮かぶ。
何度も絶頂に達する。
自分が今、どんな状態なのかも、わからなくなる。

彼女がふっと離れた。
服を掴んでいた手を離され、不安になる。
「大丈夫だから。ここにちゃんといるからね」
その言葉で、胸を撫で下ろす。
フー、フーと鼻息は荒いまま。

「んっ」
太ももを掴まれ、慣れた感触が割れ目を這う。
次にどこをさわられるのかわからないことが、興奮を煽る。
いつも目を瞑っているつもりだったけれど、都度、何をされるのかを見ていたのだと思い知らされる。
指よりもやわらかくて、弾力のあるは、ほんの少しの冷たさも感じるような気がした。
小川の流れに触れた時のように、滑らかに肌を撫でられた。
その流れは次第に強まり、私が果てるまで止まらない。
魚が自由に泳ぐ。
何かを、何処かを、追い求めるように。

拘束が解かれる。
少し体が痛い。
アイマスクがずらされると、豆電球が眩しく感じた。
頭を上げられ、咥えていたタオルが外される。
「いっぱいイったね?」
彼女が近づいて、陰になる。
目一杯、口呼吸をした。
彼女の薄茶色の瞳が、今は濃く見える。
「そろそろ寝よっか」
咥えていた部分を避けて、タオルの端で額を拭ってくれる。

「どうだった?」
「…良かった」
「お!“疲れた”じゃないんだ?」
「少しは…疲れたよ…?」
「まだまだな発言ですな?」
彼女がニコニコと優しく笑うから、眉根を垂らして、彼女を見つめた。
「なあに?…もうちょっとシたい?」
首を横に振る。
フフッと彼女は笑って、四つん這いに移動する。
ショーツを穿かせてくれる。
次に、借りた、毛玉だらけのスウェット。

上を着ようと起き上がろうとすると、肩を押されて、起き上がれなくなった。
「ちょっとだけ…」
乳房を寄せて、谷間に顔をうずめる。
スー、ハーと深呼吸するから、彼女の髪を撫でる。
視線だけ私に向けてくれた。
「汗、かいたよ?」
返事は知ってる。
「それがいいんじゃん」
また俯いて、谷間に顔をうずめた。
「穂、良い匂い」
「汗かいたのに」
「穂の汗の匂い、大好き」
「変なの」

「そういえば、良い匂いでしょ?部屋」
「ん?」
意識を匂いに向けてみる。
「言われてみれば…そうだね」
「桜がくれたディフューザーを置いてみました」
「なるほど」
さっきから森にいるみたいな気持ちにさせられたのは、そのせいか。
「自然な、良い香りだね」
「木の匂いが良いよね。桜も、千陽のおまけと同じで、穂が泊まることを想定して選んでくれてたりして…」
「え!?も、森山さんは…そんな…そんなことは、考えてないでしょ」
「どうかな?」
彼女が低い声で言うから、骨に響く。

「永那ちゃん。みんながみんな、永那ちゃんみたいにエッチなことばっかりを考えてるわけじゃないんだよ?」
「ふーん?…穂は?穂はエッチなこと、考えてる?」
「永那ちゃんといる時は、ね?」
「限定?」
「うん、限定」
「なんだ、つまらん」
ペシペシと彼女の頭を叩く。
「“つまらん”じゃない!…エッチなことばっかり考えてる永那ちゃんが変なんだよ?それは、わかる。私にも、わかる!」
「ふーん?」
「永那ちゃんと一緒にいると、エッチな気分にさせられるの、なんでだろう?」
「本当は穂がエッチだからじゃない?」
「違う。絶対違う」
「拘束されて悦んでる子が何言ってんのかな?」
彼女の髪の束を指で摘んで、ピシピシと引っ張る。
それでも彼女の顔は上がらず、私の胸に沈んだままだ。
「永那ちゃん」
「んー?」
「喉乾いた」
「ああ…そっか…」
やっと彼女が起き上がって、服を着させてくれた。
「ちょっと待ってて」
「手、洗ってね?」
「うん」
彼女が部屋から出る。
そっと敷き布団に触れると、私の汗で湿っている気がした。
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