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9.移ろい
526.大人
「え、永那ちゃんも好きそう」
誤魔化すように、私は肌着を脱ぎ始める。
「うん。…なんにも褒めて貰えなかったけど」
…そっか。
永那ちゃん、最初から千陽のお母さんのそばにずっといたから、千陽とあんまり会話してないんだ。
千陽の格好を褒める隙もなかったように思う。
それで、寂しかったんだ…。
胸を撫で下ろす。
千陽が、永那ちゃんよりも私の方が好きだなんて言うから、嫌な動悸みたいなのを感じた。
でも、そう言う理由がちゃんとあるなら、安心する。
後で永那ちゃんに言っておこう。
千陽も服を脱ぎ始める。
「2人で入るの、初めてじゃない?…いいの?」
「ホテルの時、永那ちゃんが先にあがったでしょ?…あの時、ほとんど2人で入っていたようなものだと思って」
「ふーん。嬉し」
「それに…友達なら…普通、なんでしょ?」
千陽は含みのある笑みを浮かべ、首を傾げる。
ジッと見つめられるから、私はそそくさと下着を脱いで、浴室に入った。
シャワーを出すと、彼女も入ってくる。
ちょうどいい温度のお湯が肌を弾く。
汚れと一緒に疲れまで流れていくよう。
「千陽!?」
ギュッと抱きしめられた。
シャワーを天井に付けられた物に変えられ、雨のようにお湯が降ってくる。
彼女のたわわな房が寄り、私の肌に密着している。
降ってくるお湯が、彼女の谷間に湖を作り出す。
2人の髪が水を含み、重みが増す。
彼女は鬱陶しそうに前髪を上げる。
頭上からお湯が降ってくるので、私はそれを避けるように顔だけシャワーの外に出す。
両手で顔を拭って、一歩横にズレた。
彼女もつられて、立ち位置が変わる。
「好き」
キス出来そうなほど近くに、彼女が顔を寄せる。
「千陽…このシャワーって、使いづらくない?どうやって使うのが正しいの?」
「わかんない」
「そっか…」
彼女が私の顔にふぅっと息を吹きかける。
「穂、ちゃんと返して。流さないで」
唇をツンと突き出す。
「私も好きだよ、千陽のこと」
上機嫌に、彼女は2度頷く。
ちょんと唇が触れ合って、鐘が鳴るように、気持ちがゆらゆらする。
鼓動は速くなり、彼女の上気した頬に、魅了されていく。
「永那ちゃんとの約束…」
「キスと胸だけ。あたしは穂をさわらない」
「そう。守りたい」
「抱きしめるのもダメなの?」
「それは…いいけど…」
「ん、わかった」
彼女が目一杯私を抱きしめる。
床で飛沫をあげるお湯が、足にも当たる。
そっと彼女の背に腕を回す。
彼女の体温がお湯よりもあたたかい気がした。
気のせいと頭で理解しつつ、彼女の柔い肌を撫でる。
もちもちとした手触りは、どれだけ触れていても飽きがこない。
千陽と関係を持った直後、永那ちゃんにマイクロビキニとやらを着けて生活するように言われたことを思い出す。
彼女から突然の終了を知らされた時は驚きつつも、ホッとした。
一方で、自制するには最適だった。
あんな恥ずかしい姿、例え千陽相手でも見られたくはない。
永那ちゃんにしか、見せられない。
永那ちゃんにしか…。
急に永那ちゃんの誕生日を思い出して、顔が熱くなる。
千陽の肩に顔をうずめ、ため息を吐く。
シャワーの音で、より鮮明にあの日の出来事が思い出された。
なんで、永那ちゃんは、私の……私の、恥ずかしい姿を見たいんだろう…?
“飲みたい”とまで言っていた…。
おかしいよ、絶対におかしい。
私には全く理解できない価値観。
私は永那ちゃんのことが大好きだけれど、永那ちゃんのトイレまで見たいとは全然思わない。
永那ちゃんは…本当の本当に変態さん。
一緒に暮らしていた時だって、私のオナラを聞きたいと言って騒いでいた。
…いつかは…一緒に住んで…そういうこともあるかもしれないけど、あんなに騒がなくてもいいのに。
半ば強制的に永那ちゃんにさせられ、私の羞恥心は限界突破した。
“諦めた”とまでは言わないけれど、永那ちゃんの変態性には慣れてきた。
慣れてきたとは言え、彼女の言う通りに全てが出来るわけもなく…私は毎度振り回されるような形になっている。
「穂」
「なに…?」
「なんでそんなにため息吐いてるの?」
「え?そんなに、吐いてた?」
「うん。3秒置きくらいに」
「そ、そんなに…。ごめんね」
「あたしに興奮してるのかもって思ったけど、違いそう」
「…違います」
「なに考えてるの?」
「永那ちゃんが変態なの…」
「穂も変態でしょ?」
「違うよ…!」
「じゃあ、永那はどう変態なの?」
「この前…永那ちゃんの誕生日にお泊まりした時…」
「ああ…あたしがあげたプレゼント?」
もう…!
それもそうだけど!
あれも恥ずかしかったけれど!
「ハァ」と、何度目かのため息を吐き出す。
「とにかく、永那ちゃんはすごく変態さんなの…」
「ふーん?…でも、穂は嬉しいんでしょ?」
「そんなに嬉しいことばっかりじゃないんだよ?大変なんだから…」
「羨ましい」
「…永那ちゃんの変態さが?千陽も絶対に嫌がると思うけどな?」
「そんなに?」
「そんなに」
千陽が笑って、肩を揺らした。
笑い事じゃないのに…。
誤魔化すように、私は肌着を脱ぎ始める。
「うん。…なんにも褒めて貰えなかったけど」
…そっか。
永那ちゃん、最初から千陽のお母さんのそばにずっといたから、千陽とあんまり会話してないんだ。
千陽の格好を褒める隙もなかったように思う。
それで、寂しかったんだ…。
胸を撫で下ろす。
千陽が、永那ちゃんよりも私の方が好きだなんて言うから、嫌な動悸みたいなのを感じた。
でも、そう言う理由がちゃんとあるなら、安心する。
後で永那ちゃんに言っておこう。
千陽も服を脱ぎ始める。
「2人で入るの、初めてじゃない?…いいの?」
「ホテルの時、永那ちゃんが先にあがったでしょ?…あの時、ほとんど2人で入っていたようなものだと思って」
「ふーん。嬉し」
「それに…友達なら…普通、なんでしょ?」
千陽は含みのある笑みを浮かべ、首を傾げる。
ジッと見つめられるから、私はそそくさと下着を脱いで、浴室に入った。
シャワーを出すと、彼女も入ってくる。
ちょうどいい温度のお湯が肌を弾く。
汚れと一緒に疲れまで流れていくよう。
「千陽!?」
ギュッと抱きしめられた。
シャワーを天井に付けられた物に変えられ、雨のようにお湯が降ってくる。
彼女のたわわな房が寄り、私の肌に密着している。
降ってくるお湯が、彼女の谷間に湖を作り出す。
2人の髪が水を含み、重みが増す。
彼女は鬱陶しそうに前髪を上げる。
頭上からお湯が降ってくるので、私はそれを避けるように顔だけシャワーの外に出す。
両手で顔を拭って、一歩横にズレた。
彼女もつられて、立ち位置が変わる。
「好き」
キス出来そうなほど近くに、彼女が顔を寄せる。
「千陽…このシャワーって、使いづらくない?どうやって使うのが正しいの?」
「わかんない」
「そっか…」
彼女が私の顔にふぅっと息を吹きかける。
「穂、ちゃんと返して。流さないで」
唇をツンと突き出す。
「私も好きだよ、千陽のこと」
上機嫌に、彼女は2度頷く。
ちょんと唇が触れ合って、鐘が鳴るように、気持ちがゆらゆらする。
鼓動は速くなり、彼女の上気した頬に、魅了されていく。
「永那ちゃんとの約束…」
「キスと胸だけ。あたしは穂をさわらない」
「そう。守りたい」
「抱きしめるのもダメなの?」
「それは…いいけど…」
「ん、わかった」
彼女が目一杯私を抱きしめる。
床で飛沫をあげるお湯が、足にも当たる。
そっと彼女の背に腕を回す。
彼女の体温がお湯よりもあたたかい気がした。
気のせいと頭で理解しつつ、彼女の柔い肌を撫でる。
もちもちとした手触りは、どれだけ触れていても飽きがこない。
千陽と関係を持った直後、永那ちゃんにマイクロビキニとやらを着けて生活するように言われたことを思い出す。
彼女から突然の終了を知らされた時は驚きつつも、ホッとした。
一方で、自制するには最適だった。
あんな恥ずかしい姿、例え千陽相手でも見られたくはない。
永那ちゃんにしか、見せられない。
永那ちゃんにしか…。
急に永那ちゃんの誕生日を思い出して、顔が熱くなる。
千陽の肩に顔をうずめ、ため息を吐く。
シャワーの音で、より鮮明にあの日の出来事が思い出された。
なんで、永那ちゃんは、私の……私の、恥ずかしい姿を見たいんだろう…?
“飲みたい”とまで言っていた…。
おかしいよ、絶対におかしい。
私には全く理解できない価値観。
私は永那ちゃんのことが大好きだけれど、永那ちゃんのトイレまで見たいとは全然思わない。
永那ちゃんは…本当の本当に変態さん。
一緒に暮らしていた時だって、私のオナラを聞きたいと言って騒いでいた。
…いつかは…一緒に住んで…そういうこともあるかもしれないけど、あんなに騒がなくてもいいのに。
半ば強制的に永那ちゃんにさせられ、私の羞恥心は限界突破した。
“諦めた”とまでは言わないけれど、永那ちゃんの変態性には慣れてきた。
慣れてきたとは言え、彼女の言う通りに全てが出来るわけもなく…私は毎度振り回されるような形になっている。
「穂」
「なに…?」
「なんでそんなにため息吐いてるの?」
「え?そんなに、吐いてた?」
「うん。3秒置きくらいに」
「そ、そんなに…。ごめんね」
「あたしに興奮してるのかもって思ったけど、違いそう」
「…違います」
「なに考えてるの?」
「永那ちゃんが変態なの…」
「穂も変態でしょ?」
「違うよ…!」
「じゃあ、永那はどう変態なの?」
「この前…永那ちゃんの誕生日にお泊まりした時…」
「ああ…あたしがあげたプレゼント?」
もう…!
それもそうだけど!
あれも恥ずかしかったけれど!
「ハァ」と、何度目かのため息を吐き出す。
「とにかく、永那ちゃんはすごく変態さんなの…」
「ふーん?…でも、穂は嬉しいんでしょ?」
「そんなに嬉しいことばっかりじゃないんだよ?大変なんだから…」
「羨ましい」
「…永那ちゃんの変態さが?千陽も絶対に嫌がると思うけどな?」
「そんなに?」
「そんなに」
千陽が笑って、肩を揺らした。
笑い事じゃないのに…。
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