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第一章・ホステス麻薬事件。7

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「あの子。最近いい客を見つけたからか、ちょっと天狗になっちゃっているのよね。
ごめんなさいね……ぶつかったのに謝らなくて」

「あ、いえ……大丈夫です」

 思わず見惚れてしまったがハッとして慌てて首を横に振った。危ない、危ない。
 するとクスッと微笑むとそのまま戻ってしまった。その表情に心臓がドキドキと高鳴ってしまう。わぁ~さすがナンバー1だ。気遣いが出来て優しい。
 何よりもその美しい。俺は、感心と胸を高鳴らせながらも貸してもらったハンカチで濡れたワイシャツを拭いた。
 だがある事に気づいた。最近いい客を見つけた? それって篠田正信の事では?
 十分に可能性が高いと思った。相手は、ナンバー2だし。
 これは、今後警戒をしないといけないかも。あ、そうだ。神崎さんにも伝えないと。
 俺は、ゴミを捨てるふりをして裏口に出た。周りに人が居ないかを確認すると時計型のPCウォッチに向かって小さな声で話しかける。

「神崎桃哉さんに電話して」

『神崎桃哉さんに繋ぎます』

 AIが発動するとPCウォッチから赤外線が発動し、目の前に小さなポログラフみたいな画面が出てきた。するとその画面から神崎さんが映った。
 これは、テレビ電話にもなる。もちろん薄い画面で付けている人しか見えないようにプログラムされているが(サイズも変えられる)

『どうした? いい情報が手に入ったのか?』

「少しだけですが。お店のナンバー2であるマヤさんって人が、最近いい客を見つけたらしくて。もしかしたら篠田関係かもしれません」

『ナンバー2のマヤねぇ……なるほど。で、次は?』

「えっ? それだけですが……」

『何だそれだけか。もう少し聞き込みをして来い。それだけでは、情報が足りないぞ』

「す、すみません。もう少し探ってみます」

 俺は、慌ててそう言うと電話切った。もう少し探れと言われてしまった。
 そう言われても限界があるんだよなぁ……。
 これが神崎さんみたいなイケメンならキャバ壌を取り入れたりして情報を聞けるのだが。自分は、この通り普通だし、背も168センチしかない小柄。  
 口も上手くないから情報を聞き取るなんて出来る訳がない。警察じゃないんだからさ。
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