43 / 132
第三章・二人の距離感。3
しおりを挟む
えっ? いや……それは。
「それは、ちょっと。今陛下も入っているし」
「あら、その心配はありませんわ。もうユリア様と陛下は気心知れた間柄。夫婦ではありませんか」
いや。エレン……そうなっちゃっただけで。私はまだ、陛下を許した訳ではないわよ? それに、まだ夫婦ではないし。
「でもね、私はそんなつもりないし」
「いいから、いいから。さぁユリア様」
何だか強引に連れて行こうとするアミーナ。エレンもニコニコしながら準備を始めてくる。そして強引に後押しされながら浴室まで連れて行かれてしまった。
何故こんなことに? まだ下腹部が痛いし怠いのに。
何よりあの後だから余計に恥ずかしい。恐る恐るバスタオルを巻きながら湯船の方に近づく。陛下が入っているのが見えた。
すると私に気づくと驚いた表情をしていた。
「な、何で貴様がここに⁉」
「来るつもりはなかったんだけど……アミーナが強引に風呂に入れと言われたのよ」
「そ、そうか……」
あら? 何も言わない。この前は出ていけと怒鳴りつけてきたのに。
もしかして昨日の事で少しは変わったのだろうか? 私は不思議に思いながらも仕方がないので一緒に入ることにした。出たら出たでアミーナ達がうるさそうだし。
お互いに湯船に浸かるが何か話す訳でもない。無言のままだった。それは、それで緊張するわね。すると、陛下がチラッとこちらを見てくる。
「……辛くないのか?」
「えっ?」
まさか、陛下から話しかけてくれるとは思わなかったから、つい聞き返してしまった。だが頬を赤くしてそっぽを向いてしまう。
「だから、辛くないのかって聞いているんだ」
「あぁ……大丈夫。ちょっと痛いけど平気よ。もしかして心配してくれたの?」
ぶっきらぼうながらも、もう一度言い直してくれる。私はそれが嬉しくなり、そう返した。だが、それが気に障ったのか急に怒り出す。
「ち、違う。誰が貴様なんか……し、心配するか。勘違いをするな⁉ 俺は痛いとか文句を言われたくないだけで貴様のことなんて、これっぽっちも心配してないぞ!」
「それは、ちょっと。今陛下も入っているし」
「あら、その心配はありませんわ。もうユリア様と陛下は気心知れた間柄。夫婦ではありませんか」
いや。エレン……そうなっちゃっただけで。私はまだ、陛下を許した訳ではないわよ? それに、まだ夫婦ではないし。
「でもね、私はそんなつもりないし」
「いいから、いいから。さぁユリア様」
何だか強引に連れて行こうとするアミーナ。エレンもニコニコしながら準備を始めてくる。そして強引に後押しされながら浴室まで連れて行かれてしまった。
何故こんなことに? まだ下腹部が痛いし怠いのに。
何よりあの後だから余計に恥ずかしい。恐る恐るバスタオルを巻きながら湯船の方に近づく。陛下が入っているのが見えた。
すると私に気づくと驚いた表情をしていた。
「な、何で貴様がここに⁉」
「来るつもりはなかったんだけど……アミーナが強引に風呂に入れと言われたのよ」
「そ、そうか……」
あら? 何も言わない。この前は出ていけと怒鳴りつけてきたのに。
もしかして昨日の事で少しは変わったのだろうか? 私は不思議に思いながらも仕方がないので一緒に入ることにした。出たら出たでアミーナ達がうるさそうだし。
お互いに湯船に浸かるが何か話す訳でもない。無言のままだった。それは、それで緊張するわね。すると、陛下がチラッとこちらを見てくる。
「……辛くないのか?」
「えっ?」
まさか、陛下から話しかけてくれるとは思わなかったから、つい聞き返してしまった。だが頬を赤くしてそっぽを向いてしまう。
「だから、辛くないのかって聞いているんだ」
「あぁ……大丈夫。ちょっと痛いけど平気よ。もしかして心配してくれたの?」
ぶっきらぼうながらも、もう一度言い直してくれる。私はそれが嬉しくなり、そう返した。だが、それが気に障ったのか急に怒り出す。
「ち、違う。誰が貴様なんか……し、心配するか。勘違いをするな⁉ 俺は痛いとか文句を言われたくないだけで貴様のことなんて、これっぽっちも心配してないぞ!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
312
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる