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第五章・スイーツのように甘くなりたい。11

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「皇帝陛下。二十一歳のお誕生日おめでとうございます。素敵な一年になるように心からお祈りしております」
 次々に挨拶が周り、そのたびに返事を返したり自己紹介するのに疲れてしまう。大変なのね……陛下って。
 お腹も空いてきたし、あの作戦もそろそろやらないと。様子を伺っていると最後にゼトリック様の番になった。ゼトリック様はお辞儀をする。
「アディ皇帝陛下。お誕生日おめでとうございます。親友であるアディに幸福をお祈りしております」
 頭を上げると私と目が合う。するとニコッと微笑んできた。あの目は、そろそろの合図だ。私はそれに備える。
 挨拶が終わると賑やかなダンスタイムになった。そうしたらゼトリック様が私に向かってこう発言した。
「そうだ。ユリア様。良かったら俺と踊りませんか? ずっと座っているのも退屈でしょ?」
 ダンスのお誘いだ。もちろん陛下は、はぁっ? とした態度になった。だが私はニコッと微笑んでを見せる。
「えぇ、そう思っていたところなの。陛下だと踊ってくれなさそうだし、お言葉に甘えて、ご一緒させてもらおうかしら?」
 大げさなように喜ぶと陛下の止める間もなく私は席を立ち階段を下りていく。ドレスを踏まないように手で裾を上げながら。
 すると、さらに慌てて陛下は怒り出した。
「おい、ユリア⁉ 何故行く? 待て……そんなの俺は許可してないぞ? そもそもファーストダンスは夫である俺と踊るもんだろ⁉」
 あら、そうだったかしら?
 必死に引き留めようとしている。だが私は無視してゼトリック様の手を取り走り出した。そうなると陛下は慌てる慌てる。
 席を立ち追いかけてきた。そして庭の方まで行くと……。
 庭に電灯がつき明るくなる。そこには、テーブルがセッティングしてあり、たくさんのお菓子が用意されていた。
「陛下。誕生日おめでとうございます!」
 私やゼトリック様の他にアミーナやエレン。そしてロンがお祝いした。ゼトリック様と飛び出したのは、陛下を庭に誘き寄せるため。こうでもしないと意地を張って来てくれないと思ったからだ。
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