最愛はすぐ側に

なめめ

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命ある限り…渉太の選択

命ある限り…渉太の選択⑤

「どうも、お母様」
「あら、律仁さん。毎日ありがとね」
「いいえ、当然です。渉太は大切な恋人なんで」
「ちょ、律仁さんっ!!」

お互いに挨拶を交わす様子を傍観していると律仁さんの思いもよらない発言で、渉太は慌てて布団から前のめりになるが傷口の痛みでなかなか思うように動けない。

「あらあら、いいのよ。こんな格好良くて頼もしい方が渉太の彼氏だなんて母さんも安心よ」

 口元に手を添えて微笑まれたが、実の親に恋人の存在を知られるのは恥ずかしくてたまらない。年末に帰省していた時は、唯の友達と紹介していただけに尚更だった。

 そんな母親が渉太の恋人は律仁さんだと知ることになったのは、渉太が刺された当日だったらしい。

病院に駆け付けた母親と話す場面があった律仁は自分が恋人だということを話したと言っていた。

 目を覚まして数日後に、「聞いたわよ。貴方、律仁さんと付き合ってたのね」と律仁さんのことを問われてドキッとしたのは新しい記憶だ。本当は自分の口から話すべきだったのだろうけど、律仁さんも話さなければならない状況だっただろうし、むしろ話してくれたことで肩の荷が下りた部分もあった。

「じゃあ、渉太。帰るわね、明日は来られないけど……。律仁さんと仲良くね?律仁さんも息子をよろしくお願いします」
「母さんっ!!いいから……」

改めて律仁さんに深々とお辞儀をする母親と微笑みながら「任せてください」と答える律仁さん。二人のやりとりが見ていて、渉太をむず痒い気持ちにさせる。

羞恥で耳朶を真っ赤に染めながら、病室から出て行く母親に手を振ると、律仁さんと目が合い慌てて伏せた。

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