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命ある限り…渉太の選択
命ある限り…渉太の選択⑭
吉澤さんは扉の方へと戻っていくと、病室の外で待っている人物に声を掛ける。
社長という単語を聞いただけで、渉太の身が竦んだ。無意識に布団を握りしめ、扉をじっと見つめる。
吉澤さんによって引かれた扉から、祝賀会で一度対面をした、律仁さんの芸能事務所の社長さんが入ってきた。
「祝賀会ぶりだね。早坂君だっけか」
「あ、はい。こ、ここ、この度は、そ、其方に多大な迷惑をかけてしまい……。も、申し訳ありませんっ……」
いつ見てもどっしりと構えた風貌に圧倒される。
ちゃんと畏まって挨拶をしなければならないと思うのに、緊張が勝って上手く言葉を紡ぎだせなかった。
「君も災難だったね。でもうちの大事な那月を守ってくれたことは感謝するよ」
「いいえ……。反射的に身体が動いてしまっただけなので……」
「でも、親御さんはさぞ心配だっただろう?」
「はい……。流石に心配だったみたいで……。ほぼ毎日様子を見に来てくれます」
「だよね、僕も娘がいるから親御さんの気持ちは分かるよ。それに、事務所の子達も子供のように大切に預かっているからね。その子たちに何かあったらと思うと気が気じゃいられない。特に律仁は僕の大事な知人から預かっている子だからね」
単なる世間話かと思って必死に言葉を返していると、次第に胸がザワついてくる。
「まぁ君も知っているかもしれないけど、世の中はちょっとしたニュースになっててね」
社長によってベッドテーブルに新聞が広げられる。大きな見出しには那月の写真と一緒に『T-PLINCE 那月遼人 刺殺未遂』と書かれていた。
書いていた記事の文面は渉太が聴いた事実と一緒。那月が刺傷事件に巻き込まれた事実が書いてあった。
あれ程までに都心で事件が起こったのであれば新聞の記事になってもおかしくない。渉太自身、知らなかったわけではなかった。
社長という単語を聞いただけで、渉太の身が竦んだ。無意識に布団を握りしめ、扉をじっと見つめる。
吉澤さんによって引かれた扉から、祝賀会で一度対面をした、律仁さんの芸能事務所の社長さんが入ってきた。
「祝賀会ぶりだね。早坂君だっけか」
「あ、はい。こ、ここ、この度は、そ、其方に多大な迷惑をかけてしまい……。も、申し訳ありませんっ……」
いつ見てもどっしりと構えた風貌に圧倒される。
ちゃんと畏まって挨拶をしなければならないと思うのに、緊張が勝って上手く言葉を紡ぎだせなかった。
「君も災難だったね。でもうちの大事な那月を守ってくれたことは感謝するよ」
「いいえ……。反射的に身体が動いてしまっただけなので……」
「でも、親御さんはさぞ心配だっただろう?」
「はい……。流石に心配だったみたいで……。ほぼ毎日様子を見に来てくれます」
「だよね、僕も娘がいるから親御さんの気持ちは分かるよ。それに、事務所の子達も子供のように大切に預かっているからね。その子たちに何かあったらと思うと気が気じゃいられない。特に律仁は僕の大事な知人から預かっている子だからね」
単なる世間話かと思って必死に言葉を返していると、次第に胸がザワついてくる。
「まぁ君も知っているかもしれないけど、世の中はちょっとしたニュースになっててね」
社長によってベッドテーブルに新聞が広げられる。大きな見出しには那月の写真と一緒に『T-PLINCE 那月遼人 刺殺未遂』と書かれていた。
書いていた記事の文面は渉太が聴いた事実と一緒。那月が刺傷事件に巻き込まれた事実が書いてあった。
あれ程までに都心で事件が起こったのであれば新聞の記事になってもおかしくない。渉太自身、知らなかったわけではなかった。
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