憧れはすぐ側に

なめめ

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ホテルで迎えた朝

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普段お酒なんて飲まないからどうやら悪い酔い方をしてしまったらしい。 

「そんな慌てたら身体に毒だよ。ちょっとまってて」

渉太は気分の悪さに背中を丸めながら遠く離れていく姿を眺めていた。しばらくして、律仁さんは部屋に備え付けの冷蔵庫からペットボトルの水を取り出してくると、自分に差し出してくる。
渉太は深く頭を下げながら受け取ると蓋を開けては一口だけ口を付けた。

「·····有難うございます」

まともに男の顔が見れない·····泥酔してお世話になった癖にそそくさと帰ろうとしてはその挙句に二日酔いで介抱されるなんて·····。

今こんな状態でいる自分が情けない·····。
昨夜もきっと大樹先輩にも自分の霰もない姿を見られてしまったんだろうか·····。

俯いて、ペットボトルのラベルを無心で眺めてはそんなことを考えていると、律仁さんの顔が視界に入ってきた。
心配するように眉を寄せて、屈んできては此方を覗き込んでくる。

軽そうなんて印象を受けていたが意外とそんなことなくて優しい人なのだろうか·····。

昨夜は余り見てはいなかったが、整った顔をしてて自分とは住む世界が違うような雰囲気が少なからず感じる。
渉太は眼鏡の奥の少し色素が薄いのか茶色く澄んだ瞳に思わず吸い込まれそうになっていた。

「俺が格好良いからってあんま見つめられると照れるんだけど?」
「へっ?」

律仁さんに鼻で笑われながら、指摘された途端さっきまで本人に見とれていた熱が一気に引く。確かに自分とは雰囲気からしてお門違いな格好良いの部類だ。だけどこう、ここまで自信家を見せつけられるとドン引いてしまう。

「そうだ。渉太くん、折角だから朝御飯一緒にどう?ルームサービス頼むから」

「いや·····俺はいいです」

やっぱり這ってでも、帰るべきだと思った。

「そんな状態じゃ直ぐに動くの無理でしょ。ね?」 

微笑みで半ば押し込まれ、返事に困っていると律仁さんは無言の自分が承諾したと勘違いしたのか、有無を聞かないうちにベッドサイドのテーブルに向かうとフロントへ電話を掛けてしまった。


 
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