VTuberでもできるダンジョン配信!

チョーカ-

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第9話 雷鳴鳥の鍋(キムチ味)

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「よし、それじゃアイテム検分だぜ」

 倒れた雷鳴鳥は、体が消滅していく。 残ったのが、ドロップアイテムだ。

「う~ん、羽根と爪か。これでマントとナイフが作れるけど……」

 爪なら簡単に回収できる。

 ただ、ばら撒かれている羽根。これを回収していくのか……

 『この素材で、どんなマントやナイフが作れるの?』

「おっ! 良い質問だぜ!」

 危うく、無言で羽根拾いをする絵ずらになる所だった。
 
「この素材で作られた武器や防具には雷属性が付加されるんだぜ」

 例えば、ナイフや剣みたいな武器を作って、振り回すと刃に雷が走ってカッコいい。

 防具として使うなら、雷属性の攻撃を受けてもダメージを減少してくれる。

 また、魔法使いが使えば、雷属性の魔法が強化されたりする。

「まぁ、この素材を売ると……300万円にはなるかな?」

『300万!?』

『この爪と羽根の価値が!?』

『ダンジョン配信者は儲かるんだな。命賭けの仕事だと思うけど』

 やっぱり、お金の話は盛り上がるな。 コメントも良い感じだ。

「さて、素材は全部回収できたかな? それじゃ、そろそろ飯の準備にするか!」

『おぉ! 料理配信きちゃ!』

『楽しみ!』

 さて、羽根と爪以外に残っているアイテムドロップ───『雷鳴鳥の肉』

 俺は、この肉を作って料理を作る!  

「……と言うわけで、解体した肉がこちらだ」

 前回と同じで、肉を解体している様子は、映像処理でカット。

「これを使った料理は────鳥鍋だ!」

 俺は、鍋を取り出した。 

「まずは雷鳴鳥から取った鶏肉を角切りにしていく」

 うん、うまく四角形に肉を切れたぞ。 次に野菜を切っていく。

 ニンニク、キャベツ、ネギ、ニラ……

「うん! 今日はキムチ鍋にするぞ」

 俺はキムチ鍋の素を取り出すと、水と一緒に鍋に投入。

 出汁はキムチと味噌がベースだぞ!

 携帯コンロに火をつけて、温めていく。

「これで鶏肉を入れて……後は野菜を堅い種類から入れていく。この場合はキャベツだな!」

 しばらく、浮いてくるアクを取る。 茹でて食材に火が通っていく。

「おっと! もやしも忘れちゃいけないな」

 こうして、蓋をして待つ。コトコトと小さく煮える音がする。

 蓋の隙間から、もわもわと湯気と匂いが漏れている。

「良い匂いだ。食欲が湧いてくる」

 そろそろかな? まだかな?  ワクワクと待ちかねていると───

「よし、完成だ!」 

 俺は蓋を開けた。  閉じ込められていた湯気が周囲に広がる。

 俺は箸を取って、食材を鍋から取り上げた。 

 それをそのまま口に運ぶ。 

「はふはふ! 熱っ!」

 口中が火傷しそうになる。 味に集中が……

「水! 水!」とペットボトルで口内を冷やす。 はふはふ……

「うん、熱いけど美味い! もやし、シャキシャキとして新鮮だ! 野菜、美味めぇぇ!」

『肉は?』

『肉の感想はよ!』

『肉、肉、肉……』

「わかったわかった。落ち着け……肉の味ね」

 俺は鶏肉を箸で持ち上げる。 箸で挟むだけでも弾力が感じられる。

 それを口に───

「はふはふ……」

 噛むと中から熱々の旨味が生まれる。じゅわっとあふれ出す旨みだ!

 それから、キムチのピリ辛と味噌の濃厚な香りが広がる。

「噛むたび、じんわりじんわりと味が染み出してきたぞ。それから舌の上にぴりっ、ほわっとした刺激が走り抜ける」

 鶏肉はホロリと崩れる。 それから、舌の上でとろけるような甘み。

「うん! 鍋は良い! 肉も野菜が美味い。いくらでも食べれそうだぜ」

  野菜も柔らかくなり、ダシが染み込んでいる。美味しい、本当に!

  ガツガツ食べても、食欲が収まらない。

  逆に、食べれば食べた分だけ、食欲が増進している気がしてきた!

  でも、残念ながら食材は無限ではない。

 「あぁ、もう具材がなくなっていく……なんてな! 締めも用意しるぜ?」

 最後に投入するのは─── ラーメンだ! 

 鍋にラーメンの麺を入れる!

『うおぉぉぉ! 食いてぇ!』

『すいません、それどこで食べれます!? いくら払えばいいですか!!!』

『ラーメンなんてみんな大好きな物ををを!!!』

「へへっ良いだろ? それじゃ……」

 俺は、ずるずると麺を啜る。 うんっ!!!

「美味い」と短く答えた。 うまく言語化できない複雑な旨味だったからだ。

 まずは、味噌のまろやかさとキムチの酸味がふわり、

 それからスープの熱をまとった麺は、つるりとした食感。

「無理に言語化するとしたら……噛めば噛むほど、辛みと旨みの波状攻撃って感じか」

 まさに──鍋の最後にふさわしい、極上の『締め』だった。

「ふぅ……ごちそうさま! ……あれ?」

 食べ終えて、コメントを見る。 何かざわついている。

 なんだろう?

『オルネちゃんもよう見とる』

『オルネちゃん、コメントいるw』

『同期コラボ、はよ!』

 マジかよ! オルネちゃんってのは、野町オルネ。

 俺の同期……VTuberとして同じタイミングで、たけプロからデビューした仲間だ。

 どうやら、彼女がコメント欄に現れ、何らかのコメントを残したみたいだ。

「えっと……何て言っていたんだ?」

 俺は彼女のコメントを探すと───

「あった! なになに……」

『ライガ! 私にも飯を寄こせ! コラボな、コラボ!』

 いや、コメント欄でコラボの約束を取り付けようとするな!

 オルネは女性VTuber。 それも男性に人気ある方だ。

 男の俺が近づくだけで嫌がるファンもいる。

 彼女は気にしてない様子だが、俺は気にする。

 彼女のファンが過剰な攻撃を俺に向ける可能性があるから……だから、同期でもコラボを断り続けてきたんだ。

『明日、暇だろ? 何かしようぜ』

「無茶言うな。そんな簡単にスケジュール調整はできないだろ」

 まぁ、数日前までチャンネル登録者3000人。 彼女が50万人越え……

 対等なコラボができる数字ではなかった。  

それを理由に、回避し続けてきたが……俺も登録者が30万人を越えた。

今回で、さらに登録者が増えているだろう。 どうやら断り続けるのもここら辺が限界らしい。

 近々、オルネとはコラボする事になりそうだ。
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