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チョーカ-

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第72話 夏日! かき氷を食べよう! その②

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 激しい戦闘だった。  メガアイスゴーレムの攻撃を避ける。

 だが、俺は反撃に片腕しか使用ができない。

 別に負傷をしたり、凍り付けにされたわけでもない。

 ただ、俺の片手には半透明の器───手刀で削った氷を集めるために片腕での戦闘を余儀なくされていたのだ。

「ちっ! 片手での戦闘がここまで、やり憎いとは・・・・・・まぁ条件は同じか」

 一方、メガアイスゴーレムも片腕を失っていた。 その腕は、俺の収納空間にある業務用冷凍庫に封印している。

 最初は体をバラバラに砕いてから、かき氷を作ろうとした。 しかし、その途中で気づいてしまったのだ。  

「これはモンスターと戦う配信ではない。 あくまで料理配信なんだ! 料理は、劇的で感動的じゃないとダメだろ!」

 配信者としての意識の高さ。 撮れ高を求める姿勢・・・・・・それらが、俺に戦いながらかき氷を作るという選択を導いたのだ!

「うぉぉぉぉぉぉぉ! 削る! 削る! 削る! 楽しいかき氷作りだぜ!」

 途中、メガアイスゴーレムの足元に魔方陣が出現してたかと思ったら、広範囲の攻撃魔法で氷塊が降り注いだり、

 ゴーレムは、失われた腕の部分を地面に叩きつけて連続攻撃を───と思ったら、地面の氷で腕を再生させたり、

 再び、魔方陣で攻撃魔法かと思ったら、小型のアイスゴーレムを召喚してきたり、

 激しい戦いは続いた。 

 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・

「よし! これで十分だろう!」と氷で山盛りになった器を、収納空間の冷凍庫にしまった。

 「これで3つ目の器が完成。 3種類のかき氷がつくれるぞ!」  

 そろそろ決着といこうじゃないか! 

 ゴーレムには、魔力が込められた文字が隠されている。 それがゴーレム系の弱点だ。

「その位置もわかっている。首の隙間・・・・・・頭を上下する時にわずかに生まれる隙間に隠されている」

 俺に向かって振り落とされるメガアイスゴーレムの腕。 それをキャッチ!

 攻撃の勢いを利用して───一本背負い投げ。

 巨大な、巨大な、メガアイスゴーレムが宙に浮かぶ。

 それから地面に叩きつけた。 ダンジョンそのものが揺れるような衝撃が周囲を走り抜けていく。

 デカいヤツは倒されると弱い。 その超重量から、起き上がるための動作が鈍い。

 その隙に、俺はメガアイスゴーレムの体に飛び乗り、その頭を押さえつける。

 首の隙間───魔法文字が見える。 これは、そこを狙って拳を叩き込んだ。

 ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~

「よし、これを使ってかき氷を作っていくぞ!」

 メガアイスゴーレムを削った氷の山。 まずは、これが食材。

『大丈夫なの? 食べれるの?』

『なんの氷からわからないからなぁ』

『菌とかヤバそうだけど?』

「あぁ、この水は大丈夫だぞ。ほら!」と俺は地面を叩き割った。

 下の階層。 地面から見えるのは、泉だった。

「メガアイスゴーレムの体は、下の泉から取れる水でできているんだ。 体力と疲労を回復させる効果があって、人間には無害なんだぜ」

 知り合いのダンジョン配信者には、この水を毎日のように汲みに来ている爺さんがいたりする。 100歳近くなのに、元気そのものだ。

「かき氷、メイン食材は氷なんだけど・・・・・・大切なのはシロップだ! 今から、シロップを作っていくぜ!」

 かき氷のシロップは、実は味が同じなんて話もあったりする。

 どうやら、匂いと色で錯覚する現象を利用。 心理学では『クロスモーダル効果』と言うらしい。

 例えば、赤いシロップにイチゴの香りを付ける事で、味がイチゴ味だと錯覚してしまう。

「まぁ、今回は味がついたシロップを作っていくぜ!」

 俺は小鍋を取り出すと、中に水と砂糖……それから苺ジャムを入れて煮込む。

 苺から水分が出てきたら、レモン汁を追加。

 弱火でコトコト……とろみが出るまで10分くらい? 雑談を交えながら、時間を経過させていく。

 途中、鍋をかき混ぜたり……浮かんでくるアクを取り除いたりして……

「よし、もう良いかな? これを容器に詰めて冷やしていく!」

 まず1つ。 次はレモン味を作るぞ!

 今度は蜂蜜も加える。 水+砂糖+蜂蜜を鍋に投入!

 コトコトと煮込む。それからレモン汁をいれて……

「ここで少しだけ黄色の色素を入れて(小声) よし! レモン味用シロップも完成!」

 最後にかき氷と言えば? ───ブルーハワイ味だろ!

 きっと、子供の頃にこう思った大きなお友達は多いだろ?

「なんだよ、ブルーハワイ味って! 結局は、何の味なんだよ!」

 実はラムネとかソーダの味らしいだよね。 それを今回はクエン酸で再現する。

 大きな料理工程はイチゴシロップとレモンシロップと同じ。

 茹でて、とろみをつけて、冷やすだけ! 今回は青色をつけるために青いハーブティで使われる茶葉でシロップに着色だ!

 こうして完成した3つのシロップ。 冷やしていた氷にかけて───

 さらに市販のアイスクリームの塊を上に置いて、もう一度シロップをかける!

「それじゃ……いただきます!」

 氷の上を流れるシロップ。 トロリとして、鮮やかな色合い。 

 氷と共に、それをスプーンですくい上げる。 

 しゃり、しゃりと鳴る音。 それだけで涼しさが伝わって来る。

「あ~~~ん ひゃっ! 冷たい!」

 冷たい甘さ。 それにアイスを加えて───

「あまっ! 単純だけど、手間をかけて作った分、感動もひとしおってヤツだぜ」

 イチゴ味、レモン味、ブルーハワイ味を食べくらべていく。

 やはり、甘いはのイチゴ味。 けれども、酸っぱさのあるレモン味とブルーハワイ味も負けていない。 

 酸っぱさが甘みを引き立てているのではないか?

 シャキ、シャキとした食べ心地。 言ってみたら、氷。 言ってみれば水。

「なんで、こんなに美味しいだろ?」
 
 うぉ! 頭がキーンと来た! ん~~~!!!

 どうやら、本当に頭に痛みが走ってるわけじゃないそうだ。

 神経が縮む反応が頭の痛みとして脳が誤認識しているらしい。 

 痛みが引いて行く。 今度は落ち着いて……ゆっくりと食べる。

 3種類のかき氷を食べ終えた俺の感想は───

「あぁ、今度は暖かくて、しょっぱい物が食べたくなってきたぜ」

 
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