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チョーカ-

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第81話 野町オルネの挑戦

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『狩猟《ハント》』

ダンジョン内にある闘技場。 運営が捕獲したモンスターと戦う。

ルールはこれだけだ! 

オルネは構えて、モンスターの出現を待つ。 彼女の装備は───

「オルネさんの装備は、大盾が目立ちますね。主武器はショートソードですか」

 実況の不知火さんが説明してくれる。 ならば、解説の俺も喋らなければ!

「オルネは性格が臆病ですからね。身を守るための武装を優先したみたいだ」

「珍しいですね。臆病なら軽装装備で、離れて戦うスタイルになりそうですが?」

「……彼女は体力がないので、すぐにスタミナ切れになってしまうんだ」

「なるほど、それで動かずに戦う方法を選択したんだすね。 しかし、モンスターとの真向勝負でもスタミナ消費は大きいのでは?」

「そうだな。でもオルネの場合は─── おっ、対戦相手が出てきたみたいだ」

 ドンドンドン……と足音が聞こえて来る。 闘技場の奥から青い巨体が見えてきた。

「え!? えぇ……」とオルネは、ドン引きしている様子。

 片目の巨人─── サイクロプス

 対峙したオルネと2倍以上の身長差はある。 その巨体に石の棍棒───シンプルだからこそ、余計に禍々しい武器に見える。

「ヴォオオオオオッ!! ブグゥゥアアアア!!」

 オルネに向かって、放った咆哮。口から出た音と空気だけで細身のオルネは吹き飛びそうになっている。

「えっと……ライガさん、今回の部門は『初心者』ですよね? 明らかに実力差がありませんか?」

 実況の不知火さんも、ミスマッチの対戦に焦っている。

 確かに、サイクロプスとオルネが対峙してる構図を見たら、そう思うのかもしれない。けど───

「問題ありません。 あのモンスターは見た目より弱いです」

「そう……なんですか?」

「はい、あの巨体……4メートルくらいですかね? ただ体重は60キロ程度しかないモンスターですね」

「え? 人間の2倍ほどの身長で、体重が60キロ……ですか???」

 驚くのも無理はないだろう。日本の平均体重(男性)は60キロから70キロくらいだ。

「あの巨体は、ハッタリみたいなもんですね。まぁ、普通の人間よりパワーはないですよ」

「でも、武器は石の棍棒ですよ。 あの大きさなら20キロくらいありませんか?」

「あれは軽石でできてます。5キロもないですね……簡単に割れますね」

「壊れるんですか! あの武器!?!?」

「はい、問題はそこに気づくかどうかですね」

「今回の『狩猟』は、そういう謎かけリドルが多い印象ですね?」
  
「その通りですね。単純に強ければ勝てる競技にしたくはなかったので・・・」

 戦って強ければ勝ち。 それだけなら、『決闘』だけで十分。

 対人戦闘で実力を測れば良い。
 
 そんなことを考えていると勝負が動き始めたようだ。

「ひぃ!」とオルネは大盾でサイクロプスの攻撃を弾いた。

 しかし、このモンスターの攻撃は止まらない。 体重が軽い分、スピードとスタミナが優れているからだ。

「これは一方的な展開になってきましたね、ライガさん。どう思われますか?」

「相手に攻撃力がないと分かれば、強引に攻めるだけで勝てるはずなんですが……」

「おっと、今度はオルネ選手に動きがありました!」

 どうやら、オルネは覚悟を決めたようだ。 盾を前に突進していく。

 どーん! と音が響いた。

「あ、あれ?」とサイクロプスを吹き飛ばした本人の方が驚いている。

 それから何か閃いたように盾を武器のように振り回して、サイクロプスをぶん殴っていく。

「これは、ライガさんが解説した通りの展開ですね!」

「……いや、もっと優雅と言うか、華麗な戦い方を教えたはずなんだが?」  
 
 まぁ本人が楽しそうなら良いか。 

 今も、

「ほい!」とか、「おりゃ!」とか、

 謎のかけ声で盾を振り回している。

 やがて、動かなくなったサイクロプスを前に───

「やった! 勝ったよ、ライガ!」とピースサインを送っている。

 こうして、『初心者《ビギナー》』の部門は順調に進んで行った。 そう思えた時だった───

「ん? 電話か?」

 もちろん、配信中だ。 スマホの電源は切っている。

 だが、着信が鳴っているのは、スタッフが使う緊急用のスマホ…… これが鳴るのはトラブルの時だけだ。

 俺の音声が配信に乗らないようにオフにして……と。

「はい、獅堂ライガです。何かありましたか?」 

「あっ、ライガさん」と連絡をしてきたのは花峰ココロさんだった。

 彼女には、参加者への取材&インタビューとして『V祭り』のスタッフとして動いて貰っている。

 そんな彼女が、配信中に緊急連絡をしてきた理由は───

「大変です。 参加者に魔人と関係が持つ人がいる可能性があります」
 

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