VTuberでもできるダンジョン配信!

チョーカ-

文字の大きさ
87 / 92

第87話 獅堂ライガ アカウントBAN騒動

しおりを挟む
 現在のVTuberはIPビジネスと言われている。

 IPってのは知的財産って意味だ。 要するにグッズだったり、コラボ商品の売り上げがデカい!

 もっとも、それで配信がおろそかになったら、本末転倒。

 とは言え───

「あぁ! 終わらないぜ!」

 机の上には積み上げられたサイン色紙の山。 

 さらに、発売されるグッズの監修……資料や見本を確認して、意見や要望を出さなければいけない。

 さらに、関係各所から送られてくるメールのチェック。

「あぁ、配信したい。配信したい。ダンジョン行きたい。視聴者たちとなれ合いたい!!!」

 これがVTuberの仕事だ。 配信者は配信しておけば良いわけではない!

「うぉぉぉぉ!」と気合一閃! 

 俺はサインを書いていく。 俺が本気で動けば、サイン書きは短時間で終わる。

 けど───

「いや、ファンが楽しみにしている物を適当に終わらすのも違うよな」

 1文字、1文字をゆっくりと書いていく。

 それから、1時間。 予定していたサインのノルマを終わらせた。

「よしゃあ! 配信ができるぞ。 どうする? これからダンジョンに行くか? それとも、雑談? 歌枠はない……として、まずはサムネを作らないとな!」
  
俺はウッキウキの気分でパソコンの前に座った。 そして───

「あれ?」と見慣れる画面に思考が停止した。 なんだこの画面。

 長方形に中に、青い球体、ピラミッド、チョーク? 

 その下には、こう書かれていた。

『獅堂ライガ【たけプロ】はYouTubeから削除されました』

 ちょっと、どういう意味がわかりません。 続けて、その下には───

『獅堂ライガ【たけプロ】はガイドラインを遵守していませんでした。 YouTubeのコミュニティを守る目的でチャンネルを削除しました』

 はぁ? はぁ? はぁ?

「はああああぁぁぁ! チャンネル削除《BAN》されたあああああああああ」

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・

『獅堂ライガ チャンネル登録者130万人 チャンネル削除』

 このニュースは、VTuber界隈&ダンジョン配信界隈だけではなく、SNSを騒がせた。 

 さらにネットだけではなく、テレビのニュースにも取り上げられ、世間でも多くの注目を浴びる事になったのだが……当の本人である俺、獅堂ライガは?

「はい、まだYouTubeに問い合わせても、連絡は返ってこない……と?」

『申し訳ありません。我々スタッフも通常の業務を止めて、YouTube側へのコンタクトの手段を模索しているのですが……』

 たけプロのマネージャーである岡京さん。電話の向こうから聞こえる声は疲弊しきっていた。

 それどころか、電話の向こうから───

『もうダメだ! 終わりだ、死ぬ!』

『こら、バイト! 諦めるな。寝たら死ぬぞ』

『差し入れ! エナドリ、2箱分だ。 早い者勝ちだぞ!』

『うおぉぉぉぉぉぉぉ!』

 ───こんな感じ。まるで戦場のような雄たけびが聞こえて来る。

 え? YouTubeに問い合わせするだけで、そんなに大変なの?

 いや、問い合わせするだけじゃないのか? 

 確実なチャンネル復活のために、高度な政治が求められているのだろう……きっと!

「わかりました。 それじゃ、今後の活動方針は?」

『一時的に、他のプラットフォームでの配信を考えています。どれかライガさんの希望はありますか?』

「他のプラットフォームか……わかりました。こちらでも少し考えてます」

 こうして、事務所との情報共有を終えた俺は───

「うん、いつまでもショックを受けているだけじゃダメだぜ。もしも、万が一……YouTubeに復帰できなくなったとしても、みんなの足を引っ張る存在になっちゃいけない」

 パンパンと俺は自分の顔を叩いて、気合を注入。 それから、YouTube以外のプラットフォーム───つまり、VTuberとして活動できる配信サービスの確認をする。

 Twitchトゥイッチ

  Kickキック

 ニコ生

 IRIAMイリアム

「天下の大手企業傘下のTwitch。新進気鋭で収益がデカいぞKick。 古豪……みんな大好きニコ生。VTuberだったら、コイツが強い!IRIAM」
 
 さて、どれを選択していこうか? 

 安定なのはTwitch? Kickも収益が90%以上あるとか……

 意外とニコ生も悪くない。ニコニコ動画自体でVTuberの切り抜きが溢れている。

 そして、IRIAMはVTuber(ここじゃVライバーっていうんだっけ?)が強い。

 「まぁ、俺のダンジョン配信ってコンテンツと相性がいいのはこれかな?」

 まずお試しと言うわけであるプラットフォームを選択してみた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

処理中です...