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第89話 ライガのIRL配信
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出現したのは巨大化したスライム。
しかし、ここは低階層……と言うか、ダンジョン入口を通過したばかりの1階だ。
なので、目前の巨大スライムはボスモンスターと言うか……ただ、デカいだけ。
触手で攻撃してきた。 だが、ダメージにもならない。
そのまま───
「ちょっと、ごめんな。通らせてもらうぜ」と軽く通過した。
『あれ? たおさないの? 食わないの?』
「いや、俺を何だと思ってるんだ? まぁ、スライムは美味しくないので……」
『へぇ、不味いのかぁ』
『初めて知った』
「半分液体みたいな体に、いろんな物を食べるから下処理も大変なんだぜ。それに手間をかけて食べてみたら、水まんじゅうの皮の不味くしたような味……」
ん~ 意外だった。 俺からしてみたら、スライムなんて見慣れた存在なのに、配信だと視聴者は興味深々……
「そうか……これがIRL動画! 他人の日常は、視聴者の非日常ってことなんだな!」
『そりゃ、俺らはスライムの味なんて知らないからな』
『ダンジョン入口付近は普段の配信で撮影しないじゃん』
『まさか、倒さずスルーすると思わなかったけど……』
なるほど、なるほど……これは、ビックビジネスの予感がしてきたぞ。
ダンジョン案内配信という新しいスタイル!
いや、まぁ……既に他のダンジョン配信者でやっている人はいるんだろうけど…… 俺の視聴者層の多くはVTuberファンだ。 当たり前だけどな!
普段、ダンジョン配信を見ていない層もいるって事だな。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
俺は、しばらく観光会社のガイドさんの気分でダンジョンの説明をしながら、ぶらりと歩き回った。
「ダンジョンの深層には強い魔素があって、それが強いモンスターたちの餌になっているから、下に行けば行くほどにモンスターは強く……」
そんなダンジョン雑談をしている最中、俺は異変に気が付いた。
「……あれ? ちょっと待てよ。誰かの声がしなかったか?」
『いや、ぜんぜん?』
『何も聞こえなかったが』
『毎回思うけど、超人の視力や聴力を持ってる自覚あります?』
コメント欄を見る限り、誰にも聞こえてないのか。
もしかしたら、俺の勘違いか?
「───いや、誰かいる!」
困ったぞ。 普段の配信なら、誰かと鉢合わせる事はない。
なぜなら、配信予定の階層には俺が魔力で結界を作ってるからだ。
配信の邪魔にならないように……と言うと、ちょっと傲慢かな? 配信中に誰かと会わない工夫をしている。 なんせ、俺はVTuberなので!
「こういうのもIRL動画の醍醐味ってやつか……ちょっと挨拶してみるぜ」
『イイね!』
『突発コラボの可能性!』
『他の配信者とダンジョンコラボないもんね』
「道で出会った相手と突発コラボかぁ。ちょっとハードルが高すぎるぞ」
苦笑しながら、声のする方向に向かう。もちろん、身バレ対策にマスクをしてと───
「だ、誰か、助けてください……」
女性配信者がYouTubeだとセイシティブ判定を受けそうな状態になっていた。
具体的に言えば、スライムたちに囲まれて武器や防具を取り上げられ、拘束されている状態だ。 心底、YouTubeじゃなくてよかった。
「おい、大丈夫か? 今、助けるからな!」
俺は魔法で小火を出して、スライムたちを焼いていった。
その最中、同時接続者数を見ると大量に増えてる。 おいおい、そんなにエロには需要があるのかよ!
スライムの駆除を終えると───
「あ、ありがとうございます」
スライムに囚われていた女性……まだ10代か? ダンジョンに来るには早すぎる年齢だと思うが?
話を聞いてみる事にした。 すると……
「あの私、TikTokをやっていて……ダンジョン配信をやってみようと……」
「う~ん、バズるために勢いで来ちゃったタイプか」
「は、はい。1層くらいなら、初心者の私でも大丈夫かなぁ……なんて」
いや、俺も配信者だから気持ちはわかる。 けど、承認欲求と命を天秤にかけたらダメだろうよ……
「それでどうだった?」
「ダメでした」
「ダンジョンは自己責任の世界だ。遊び半分で入るな……とまでは言わないが」
「はい……だったら、その……」
「?」
「お兄さんにダンジョンを案内してもらうのはダメですか!!!」
「はい! ダメです!」
ダメに決まってるじゃん! 俺、VTuberだよ!?
TikTokってライブ配信の機能あるよね? だったら、顔を隠してる俺の姿───VTuberじゃない俺が配信で流れている可能性あるよね!
それ配信事故だよ! 緊急事態だから、生身が写る覚悟で来ただけで…
しかし、ここは低階層……と言うか、ダンジョン入口を通過したばかりの1階だ。
なので、目前の巨大スライムはボスモンスターと言うか……ただ、デカいだけ。
触手で攻撃してきた。 だが、ダメージにもならない。
そのまま───
「ちょっと、ごめんな。通らせてもらうぜ」と軽く通過した。
『あれ? たおさないの? 食わないの?』
「いや、俺を何だと思ってるんだ? まぁ、スライムは美味しくないので……」
『へぇ、不味いのかぁ』
『初めて知った』
「半分液体みたいな体に、いろんな物を食べるから下処理も大変なんだぜ。それに手間をかけて食べてみたら、水まんじゅうの皮の不味くしたような味……」
ん~ 意外だった。 俺からしてみたら、スライムなんて見慣れた存在なのに、配信だと視聴者は興味深々……
「そうか……これがIRL動画! 他人の日常は、視聴者の非日常ってことなんだな!」
『そりゃ、俺らはスライムの味なんて知らないからな』
『ダンジョン入口付近は普段の配信で撮影しないじゃん』
『まさか、倒さずスルーすると思わなかったけど……』
なるほど、なるほど……これは、ビックビジネスの予感がしてきたぞ。
ダンジョン案内配信という新しいスタイル!
いや、まぁ……既に他のダンジョン配信者でやっている人はいるんだろうけど…… 俺の視聴者層の多くはVTuberファンだ。 当たり前だけどな!
普段、ダンジョン配信を見ていない層もいるって事だな。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
俺は、しばらく観光会社のガイドさんの気分でダンジョンの説明をしながら、ぶらりと歩き回った。
「ダンジョンの深層には強い魔素があって、それが強いモンスターたちの餌になっているから、下に行けば行くほどにモンスターは強く……」
そんなダンジョン雑談をしている最中、俺は異変に気が付いた。
「……あれ? ちょっと待てよ。誰かの声がしなかったか?」
『いや、ぜんぜん?』
『何も聞こえなかったが』
『毎回思うけど、超人の視力や聴力を持ってる自覚あります?』
コメント欄を見る限り、誰にも聞こえてないのか。
もしかしたら、俺の勘違いか?
「───いや、誰かいる!」
困ったぞ。 普段の配信なら、誰かと鉢合わせる事はない。
なぜなら、配信予定の階層には俺が魔力で結界を作ってるからだ。
配信の邪魔にならないように……と言うと、ちょっと傲慢かな? 配信中に誰かと会わない工夫をしている。 なんせ、俺はVTuberなので!
「こういうのもIRL動画の醍醐味ってやつか……ちょっと挨拶してみるぜ」
『イイね!』
『突発コラボの可能性!』
『他の配信者とダンジョンコラボないもんね』
「道で出会った相手と突発コラボかぁ。ちょっとハードルが高すぎるぞ」
苦笑しながら、声のする方向に向かう。もちろん、身バレ対策にマスクをしてと───
「だ、誰か、助けてください……」
女性配信者がYouTubeだとセイシティブ判定を受けそうな状態になっていた。
具体的に言えば、スライムたちに囲まれて武器や防具を取り上げられ、拘束されている状態だ。 心底、YouTubeじゃなくてよかった。
「おい、大丈夫か? 今、助けるからな!」
俺は魔法で小火を出して、スライムたちを焼いていった。
その最中、同時接続者数を見ると大量に増えてる。 おいおい、そんなにエロには需要があるのかよ!
スライムの駆除を終えると───
「あ、ありがとうございます」
スライムに囚われていた女性……まだ10代か? ダンジョンに来るには早すぎる年齢だと思うが?
話を聞いてみる事にした。 すると……
「あの私、TikTokをやっていて……ダンジョン配信をやってみようと……」
「う~ん、バズるために勢いで来ちゃったタイプか」
「は、はい。1層くらいなら、初心者の私でも大丈夫かなぁ……なんて」
いや、俺も配信者だから気持ちはわかる。 けど、承認欲求と命を天秤にかけたらダメだろうよ……
「それでどうだった?」
「ダメでした」
「ダンジョンは自己責任の世界だ。遊び半分で入るな……とまでは言わないが」
「はい……だったら、その……」
「?」
「お兄さんにダンジョンを案内してもらうのはダメですか!!!」
「はい! ダメです!」
ダメに決まってるじゃん! 俺、VTuberだよ!?
TikTokってライブ配信の機能あるよね? だったら、顔を隠してる俺の姿───VTuberじゃない俺が配信で流れている可能性あるよね!
それ配信事故だよ! 緊急事態だから、生身が写る覚悟で来ただけで…
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