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第90話 ダンジョン案内配信
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ダンジョンで配信者で鉢合わせた。
過去に、トラブルで配信者と戦う事があったけど───
「今、配信はしてませんね……はい、確認しました。それでは、こちらの誓約書にサインをお願いします」
「え? ダンジョンを案内してもらうのに、そんなに厳格なんですか!? その誓約書、どこから出しましたか?」
ん~ 収納空間《アイテムボックス》を知らないのか。
本当に彼女はダンジョンに初めてきたのかもしれないなぁ。
「それじゃ、俺の姿は撮影NGです。もしも、SNSへの投稿など、不特定多数への拡散が確認されたら、法的な手続きをさせていただきます」
「サインしました。 それじゃ、案内をお願いします」
「……はい! 確認しました。 こちら側の配信は続けさせていただきますね」
俺は停止させていた配信を再開した。
「えっと……こんにちわ。俺の名前は獅堂ライガ。見ての通りのVTuberだぜ!」
「え? VTuber……? 普通の人に見えますよ?」
「ん~ 3D配信で加工されいるから話を合わせて(小声)」
「は、はい! お兄さんってVTuberさんなんですね。私、VTuberって初めて見ました」
うぬぼれてるわけじゃないけど、俺はVTuberとして有名な方だ。 最近もニュースサイトをお騒がせしたばかり……
けれども、VTuberに興味がない人からしてみたら、俺はまだまだ無名の存在なのかもしれないなぁ。 がんばらなければ!
「それじゃ、自己紹介を……あっ、個人情報的に問題がない感じにして、どうぞ!」
「はい! サキと言います。よろしくお願いします」
『サキちゃん、かわいい!』
『正直、推せる』
『きゃわわわわ!!!』
おぉ! 視聴者の反応が凄い!
もしかしたら、スター誕生の瞬間に立ち会っているのかもしれない。
「サキさんは活動者ですね。宣伝していきますか?」
「え? 良いんですか? それじゃTikTo……あれ?」
「どうした? うぉっ!」
チャンネル登録者数……じゃないや、フォロワーなんだっけ?
とにかく、その人数がリアルタイムで伸び続けて……あっ10万人越えた!
なんでだよ!? 俺の配信の同時接続者数より人数が多いのはおかしいだろ!
「え? これ私、良いんですか?」
「ん~ 良いんじゃないか?」
これが、きっかけで『獅堂ライガの配信に乱入すればバズる!』みたいな迷惑系が出てくるかもしれないが───いや、絶対に出てくる。
まぁ、それは俺が対処すれば良いだけだからな。
「サキさんは初めてのダンジョンと言うことなので、どこか行きたい場所はありますか? 案内しますよ」
元々、ダンジョン内を散歩する企画だったのだ。最初に頼まれた通り、ダンジョンを案内するのも良いだろう。
「良いんですか? それじゃ、バズりそうな場所を案内してください!」
「いいね! 配信者として貪欲なのは悪いことじゃない」
と、と、と……と、しばらく歩いて案内する。 途中、モンスター(弱)が出現する。
普段だったら、相手にもしないようなモンスターだが……
「ラ、ライガさん! 怪物です!化物です! なんか出ました!」
うん、何て言うか、癒されるな。
「初々しいって言うの? 自分にもあったなぁ……いや、あったか?」
『なさそう』
『最初から無双してそう』
『初戦闘から飄々とモンスター倒してそう』
「お前ら……いや、正解だけどな!」
俺は弱モンスター(ゴブリン)の首を後ろから掴んで、そのまま遠くに投げ捨てた。
「あ、ありがとうございます。ライガさんって強いですね」
「いや、ゴブリンを追い払っただけだからな」
なんだろう、この子? 浮世離れしていると言うか……
このダンジョン配信黄金期にゴブリンを知らないって事はないはずだけどなぁ。
そんな事を考えながらも目的地に到着した。
「はい、配信ウケが良さそうで、バズりそうな場所は、こちらになります」
「え? 何もない部屋に見えるのですが……あれ? 部屋に入ると体は引っ張られるような感触がして……あれ?」
「おぉ、意外と鋭いね。この部屋には秘密があるんだぜ」
俺は壁に体を付けると、蜥蜴《トカゲ》とか爬虫類みたいに壁を登り始めた。
「ここの壁は特殊で、壁自体に重力があるんだ。だから、床からこうやって離れると───垂直な壁に立てる」
俺は床に立つように、壁に両足だけを付けて体を起こした。
そのまま、トコトコと歩いて天井で逆さになる。天井も壁と同じで重力が発生しているので、髪が逆立ったり、荷物が床に向けて落ちたりすることはない。
「わ、私もやってみます!」とサキも体を壁に張り付けて、登り始めた。
過去に、トラブルで配信者と戦う事があったけど───
「今、配信はしてませんね……はい、確認しました。それでは、こちらの誓約書にサインをお願いします」
「え? ダンジョンを案内してもらうのに、そんなに厳格なんですか!? その誓約書、どこから出しましたか?」
ん~ 収納空間《アイテムボックス》を知らないのか。
本当に彼女はダンジョンに初めてきたのかもしれないなぁ。
「それじゃ、俺の姿は撮影NGです。もしも、SNSへの投稿など、不特定多数への拡散が確認されたら、法的な手続きをさせていただきます」
「サインしました。 それじゃ、案内をお願いします」
「……はい! 確認しました。 こちら側の配信は続けさせていただきますね」
俺は停止させていた配信を再開した。
「えっと……こんにちわ。俺の名前は獅堂ライガ。見ての通りのVTuberだぜ!」
「え? VTuber……? 普通の人に見えますよ?」
「ん~ 3D配信で加工されいるから話を合わせて(小声)」
「は、はい! お兄さんってVTuberさんなんですね。私、VTuberって初めて見ました」
うぬぼれてるわけじゃないけど、俺はVTuberとして有名な方だ。 最近もニュースサイトをお騒がせしたばかり……
けれども、VTuberに興味がない人からしてみたら、俺はまだまだ無名の存在なのかもしれないなぁ。 がんばらなければ!
「それじゃ、自己紹介を……あっ、個人情報的に問題がない感じにして、どうぞ!」
「はい! サキと言います。よろしくお願いします」
『サキちゃん、かわいい!』
『正直、推せる』
『きゃわわわわ!!!』
おぉ! 視聴者の反応が凄い!
もしかしたら、スター誕生の瞬間に立ち会っているのかもしれない。
「サキさんは活動者ですね。宣伝していきますか?」
「え? 良いんですか? それじゃTikTo……あれ?」
「どうした? うぉっ!」
チャンネル登録者数……じゃないや、フォロワーなんだっけ?
とにかく、その人数がリアルタイムで伸び続けて……あっ10万人越えた!
なんでだよ!? 俺の配信の同時接続者数より人数が多いのはおかしいだろ!
「え? これ私、良いんですか?」
「ん~ 良いんじゃないか?」
これが、きっかけで『獅堂ライガの配信に乱入すればバズる!』みたいな迷惑系が出てくるかもしれないが───いや、絶対に出てくる。
まぁ、それは俺が対処すれば良いだけだからな。
「サキさんは初めてのダンジョンと言うことなので、どこか行きたい場所はありますか? 案内しますよ」
元々、ダンジョン内を散歩する企画だったのだ。最初に頼まれた通り、ダンジョンを案内するのも良いだろう。
「良いんですか? それじゃ、バズりそうな場所を案内してください!」
「いいね! 配信者として貪欲なのは悪いことじゃない」
と、と、と……と、しばらく歩いて案内する。 途中、モンスター(弱)が出現する。
普段だったら、相手にもしないようなモンスターだが……
「ラ、ライガさん! 怪物です!化物です! なんか出ました!」
うん、何て言うか、癒されるな。
「初々しいって言うの? 自分にもあったなぁ……いや、あったか?」
『なさそう』
『最初から無双してそう』
『初戦闘から飄々とモンスター倒してそう』
「お前ら……いや、正解だけどな!」
俺は弱モンスター(ゴブリン)の首を後ろから掴んで、そのまま遠くに投げ捨てた。
「あ、ありがとうございます。ライガさんって強いですね」
「いや、ゴブリンを追い払っただけだからな」
なんだろう、この子? 浮世離れしていると言うか……
このダンジョン配信黄金期にゴブリンを知らないって事はないはずだけどなぁ。
そんな事を考えながらも目的地に到着した。
「はい、配信ウケが良さそうで、バズりそうな場所は、こちらになります」
「え? 何もない部屋に見えるのですが……あれ? 部屋に入ると体は引っ張られるような感触がして……あれ?」
「おぉ、意外と鋭いね。この部屋には秘密があるんだぜ」
俺は壁に体を付けると、蜥蜴《トカゲ》とか爬虫類みたいに壁を登り始めた。
「ここの壁は特殊で、壁自体に重力があるんだ。だから、床からこうやって離れると───垂直な壁に立てる」
俺は床に立つように、壁に両足だけを付けて体を起こした。
そのまま、トコトコと歩いて天井で逆さになる。天井も壁と同じで重力が発生しているので、髪が逆立ったり、荷物が床に向けて落ちたりすることはない。
「わ、私もやってみます!」とサキも体を壁に張り付けて、登り始めた。
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