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第91話 ダンジョン案内配信 その②
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壁と天井に重力が発生している不思議な部屋。
ダンジョンの1階層付近でバズる場所を聞かれて最初に思いついて案内した場所だ。
俺とサキは天井に張り付きながら───
「お兄さん。これって、バズるだけじゃなくて他にも使えませんか?」
「……ん? 例えば、どんな使い方だ?」
「この天井と壁を使って、バスケとか、サッカーとかスポーツのコートを作ってみたり?」
「あ~ なるほどね。俺にはなかった発想だ。ダンジョンでスポーツか……」
いや、別にダンジョンじゃなくても、この壁を外でも再現できたら面白いかもしれない。
逆に観客席に使ってみたら、小さい土地でもライブやスポーツの会場ができるんじゃないかな?
……いや、そもそも小さい土地で家とか作れよって話。
「まぁ、安全性が担保できたらできるかもな」
「そうですね。急に重力が消えちゃったら危ないですもんね」
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
「じゃ、次! 次の場所は、夏と冬を同時に味わえる場所だぜ」
「夏と冬を同時に? どういう事ですか?」
「まぁ、入ってみてよ」
俺は部屋のドアを開く。 すると───
「あっ、暑いです! ダンジョンなのにどうして、太陽と青空が!?!?」
彼女の言う通り、室内にも関わらず天井には青空は広がり、さんさんとした太陽が存在していた。
「まぁ、俺もジャングルみたいな場所を攻略した配信があるけど、どうやら時空が歪んで外に繋がっているみたいなんだ」
「そんな事が、本当に!? あっ、でも夏は分かりましたが、冬って言うのは?」
「それはこっち、こっち!」
俺は部屋の中心に案内した。 すると───
「えぇ! こっちには雪が積もってます。それに……寒い!」
「あぁ、ちょうど部屋の中心から、夏の場所と冬の場所で空間が分かれているみたいだ」
「えぇ! それじゃ中心に立つと……うわぁ!うわぁ! 言語化できない独特な感覚がががが!」
ちなみに、今回は俺が結界を張っているからモンスターは出現しないけど、普段なら夏ぽいモンスターと冬ぽいモンスターを同時相手する事も可能なんだぜ!
「私、考えてみました! ここでサウナとか作ったらウケませんか?」
「あー フィンランド式みたいに焼いた石に水をかける感じで、専用の小屋を作って?」
「ですです! それで我慢ができなくなったら冬の雪にどぼーん! とダイブしてみれば!」
ん! いや、おもしろいぞ。 この子、企画の才能があるのでは?
さっきの重力の部屋でも、『オレナイ』さんの協力でスポーツ大会を開いたりすれば……大きなシノギの匂いがしてきたぞ!
その後───
「ここの滝は、普通とは逆。下から上に水が上がっていくだぜ!」
「おぉ! これってボートとかで登れませんか?」
「歌う鍾乳洞! 地面を歩くと鳴る音が反響して歌ってるみたいに聞こえるんだぜ!」
「ストリートピアノとかでバズってる人を連れてきたいですね!」
「ここだと、自分の影が7つに増えて、それぞれ違う色になるんだぜ!」
「撮影スポットとしていいですね! 女子高生にバカ受けですよ!」
「暗闇の空間。でも明るいだろ? いろんな色に光るキノコがあるんだぜ!」
「うわぁ~ なんだか卑猥です!!!」
───こんな感じでダンジョン案内を続けた。
驚くべきはサキという少女の企画力。今時の女子高生って、こんなに柔軟な発想力を持っているのが普通なの? それとも彼女が企画屋として才能があるのだろうか?
「それじゃ、今日はありがとうございました!」
「今度は、公式に配信をしようぜ? YouTubeは……いや、今は俺の方が使えないのか」
彼女は「クスっ」と笑った。それから、
「また連絡するので、配信の企画を考えておいてくださいね!」
そうして、ダンジョンの出口で別れた。 すると───
「ん? 急ぎの連絡? なんだろう……もしも?」
「あっ! 岡京です! ライガさん喜んでください! チャンネルの凍結が解かれました! 明日から、いえ! 今からも復帰配信が可能です!」
「マジか! よ、よかったぁぜ!」
俺は安堵しながらも絶叫した。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
サキと名乗った少女。
ライガと別れてから数分後にはダンジョンに戻っていた。
しかし、その階層は深層部と言われるダンジョンの地下深く。 間違ってもダンジョン初心者は1人で歩ける場所ではない。
そんな場所で異常な笑い声「ひょっ、ひょっ、ひょっ」と、どこかで聞いた事ある声が響く。
笑い声の主は、姿が見えないが───
「姫様……お戯れが過ぎます」
「んっ マダラか?」
サキの言葉に反応して、影が現れる。 影は、人の形に変化。
そして、今はピエロの恰好をした男の姿に変化した。
かつて、『ダンジョンの意思を継ぐ者』と名乗ってライガに襲い掛かってきた『魔人』だ。
「存外、面白かったぞ。あの男を我々の味方にできぬか?」
「それこそ、お戯れ───」とピエロは最後まで言えなかった。
なぜなら、自身の片腕が吹き飛ばされた。 ───いや、そんな幻覚を見せられたからだ。
「───失礼をしました。このマダラ、姫様のご意向を叶えるために尽力をつくしましょう」
「うむ、良きに計らえ……」
それだけで2人の会話は終わり。 そして、2人はダンジョンの影に消えていった。
ダンジョンの1階層付近でバズる場所を聞かれて最初に思いついて案内した場所だ。
俺とサキは天井に張り付きながら───
「お兄さん。これって、バズるだけじゃなくて他にも使えませんか?」
「……ん? 例えば、どんな使い方だ?」
「この天井と壁を使って、バスケとか、サッカーとかスポーツのコートを作ってみたり?」
「あ~ なるほどね。俺にはなかった発想だ。ダンジョンでスポーツか……」
いや、別にダンジョンじゃなくても、この壁を外でも再現できたら面白いかもしれない。
逆に観客席に使ってみたら、小さい土地でもライブやスポーツの会場ができるんじゃないかな?
……いや、そもそも小さい土地で家とか作れよって話。
「まぁ、安全性が担保できたらできるかもな」
「そうですね。急に重力が消えちゃったら危ないですもんね」
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
「じゃ、次! 次の場所は、夏と冬を同時に味わえる場所だぜ」
「夏と冬を同時に? どういう事ですか?」
「まぁ、入ってみてよ」
俺は部屋のドアを開く。 すると───
「あっ、暑いです! ダンジョンなのにどうして、太陽と青空が!?!?」
彼女の言う通り、室内にも関わらず天井には青空は広がり、さんさんとした太陽が存在していた。
「まぁ、俺もジャングルみたいな場所を攻略した配信があるけど、どうやら時空が歪んで外に繋がっているみたいなんだ」
「そんな事が、本当に!? あっ、でも夏は分かりましたが、冬って言うのは?」
「それはこっち、こっち!」
俺は部屋の中心に案内した。 すると───
「えぇ! こっちには雪が積もってます。それに……寒い!」
「あぁ、ちょうど部屋の中心から、夏の場所と冬の場所で空間が分かれているみたいだ」
「えぇ! それじゃ中心に立つと……うわぁ!うわぁ! 言語化できない独特な感覚がががが!」
ちなみに、今回は俺が結界を張っているからモンスターは出現しないけど、普段なら夏ぽいモンスターと冬ぽいモンスターを同時相手する事も可能なんだぜ!
「私、考えてみました! ここでサウナとか作ったらウケませんか?」
「あー フィンランド式みたいに焼いた石に水をかける感じで、専用の小屋を作って?」
「ですです! それで我慢ができなくなったら冬の雪にどぼーん! とダイブしてみれば!」
ん! いや、おもしろいぞ。 この子、企画の才能があるのでは?
さっきの重力の部屋でも、『オレナイ』さんの協力でスポーツ大会を開いたりすれば……大きなシノギの匂いがしてきたぞ!
その後───
「ここの滝は、普通とは逆。下から上に水が上がっていくだぜ!」
「おぉ! これってボートとかで登れませんか?」
「歌う鍾乳洞! 地面を歩くと鳴る音が反響して歌ってるみたいに聞こえるんだぜ!」
「ストリートピアノとかでバズってる人を連れてきたいですね!」
「ここだと、自分の影が7つに増えて、それぞれ違う色になるんだぜ!」
「撮影スポットとしていいですね! 女子高生にバカ受けですよ!」
「暗闇の空間。でも明るいだろ? いろんな色に光るキノコがあるんだぜ!」
「うわぁ~ なんだか卑猥です!!!」
───こんな感じでダンジョン案内を続けた。
驚くべきはサキという少女の企画力。今時の女子高生って、こんなに柔軟な発想力を持っているのが普通なの? それとも彼女が企画屋として才能があるのだろうか?
「それじゃ、今日はありがとうございました!」
「今度は、公式に配信をしようぜ? YouTubeは……いや、今は俺の方が使えないのか」
彼女は「クスっ」と笑った。それから、
「また連絡するので、配信の企画を考えておいてくださいね!」
そうして、ダンジョンの出口で別れた。 すると───
「ん? 急ぎの連絡? なんだろう……もしも?」
「あっ! 岡京です! ライガさん喜んでください! チャンネルの凍結が解かれました! 明日から、いえ! 今からも復帰配信が可能です!」
「マジか! よ、よかったぁぜ!」
俺は安堵しながらも絶叫した。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
サキと名乗った少女。
ライガと別れてから数分後にはダンジョンに戻っていた。
しかし、その階層は深層部と言われるダンジョンの地下深く。 間違ってもダンジョン初心者は1人で歩ける場所ではない。
そんな場所で異常な笑い声「ひょっ、ひょっ、ひょっ」と、どこかで聞いた事ある声が響く。
笑い声の主は、姿が見えないが───
「姫様……お戯れが過ぎます」
「んっ マダラか?」
サキの言葉に反応して、影が現れる。 影は、人の形に変化。
そして、今はピエロの恰好をした男の姿に変化した。
かつて、『ダンジョンの意思を継ぐ者』と名乗ってライガに襲い掛かってきた『魔人』だ。
「存外、面白かったぞ。あの男を我々の味方にできぬか?」
「それこそ、お戯れ───」とピエロは最後まで言えなかった。
なぜなら、自身の片腕が吹き飛ばされた。 ───いや、そんな幻覚を見せられたからだ。
「───失礼をしました。このマダラ、姫様のご意向を叶えるために尽力をつくしましょう」
「うむ、良きに計らえ……」
それだけで2人の会話は終わり。 そして、2人はダンジョンの影に消えていった。
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