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チョーカ-

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第103話 中華の気分

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「たけプロ4期生 獅堂ライガだぁ!」

 俺は、草木に隠れて配信を開始した。

「正直に言おう……今日の俺は中華の気分だ」 

『なるほど、なるほど?』

『ジャングルで何を言ってるんだ? この人???』

『今回の獲物はパンダかな?』

「いや、食材を取りに来ただけで……パンダ!? いや、パンダって食べれるのか?」

 いや、絶別危惧種だから食べたらダメなのは当然だけど……  

『パンダ、中国でも食用の記録ない』

『珍獣過ぎて、食べた人がいない』

『クマ科だから、食べれない事もないと思うけど……』

 へぇ、パンダ料理って記録そのものがないのか。味がわからない動物ってのも珍しいなぁ。

「パンダに似たモンスターはいるけど、もしかして、調理して食べたら国際問題?」

『似てるだけなら……いや、止めよう!』

『やるなよ! 絶対にやるなよ!(前振り)』

『↑誘ってて草w』

『いやぁ、本当にパンダはダメだよ。中国ブチ切れ事案』

 視聴者とコミュニケーションを取りながら、俺はジャングルを進んで行く。

 さぁて、中華と言えばなんだろう? 

 ラーメン、チャーハン、天津飯、エビチリ、北京ダック……いや、お腹が減って来る。

 そんな事を考えながら進んで行くと、目的のモンスターが見えてきた。

 ジャイアントボア……その名前の通り、巨大に猪のモンスターだ。

 見上げるほどに大きなサイズ。 突進が基本的な攻撃だが、それだけではない。

 鋭い牙での噛み付き。 巨体でありながら俊敏に飛び回り、踏みつけて来る。

 微小ながらも魔力を持ち、周辺に雷属性の攻撃を出してくる。

「要するに、肉弾戦は凄い強いモンスターってわけだ!」

 俺は気配を殺して、ゆっくり…… ゆっくり…… 背後を取る。

 それから、ジャイアントボアの背中に飛び乗った。

「ライディングブルならぬ、ライディングボアってね! ロデオだぜ!」

『ちょw不意打ちを狙ってたんじゃないのかよw』

『楽しそうに遊んでいて草w』

『これやりたくて、後ろから襲ったのか!』

 ち、ちがうぞ。 ジャイアントボアは、逃げ足が速いから、最初は疲労させようっていう戦略であって……

 まぁ、楽しいけどな!

 ボアは飛び乗った俺を弾き飛ばそうと、激しく飛び跳ね回る。

 激しい上下運動。 たづなも、鞍もなし。  体に跨いで、両腕でしがみつくだけ……

「おぉ! 疲労感が凄い! どんどん体力が消耗していくぞ!」

『言葉と表情が不一致なんよ』

『なんで笑顔やねん!』

『マジ楽しそう』

 いや、なんでだろ? ロデオとか楽しいのって、何かの本能なのかなぁ?

「実際、めっちゃ楽しい!」

 そうして、数十分の激闘が続いた。  競技としてのロデオが数秒で決着がつくのを考えれば、大激戦ってのが分かってもらえるはず!

 流石のジャイアントボアにも激しい疲労が見える。

「そろそろ、良いかな?」と俺はボアの体から飛び降りた。 

 猪って生物は汗をかかない。 激しく息を乱して体温調節をさせるそうだ。

 対峙したジャイアントボアは、激しく息を乱している。 それが凄い迫力を生み出している。

「おぉ、すげぇ迫力だ。いいね! さぁ来いよ!」

 俺は両手を広げて、迎える。 ジャイアントボアの突進を───

 だが、意外! ボアの攻撃は突進ではなかった。

 電撃。 地面に魔力を走らせる。 それから、巨体が宙を飛んだ。

「なるほど、電撃魔法で獲物の動きを止めて───踏み潰しに来るのか!」

 戦闘IQのレベルが高いなぁ。 面白い!

 俺だって電撃攻撃は痛い。 痺れもある。けど、動けなくなることはない。

 押し潰しに来るジャイアントボアの落下攻撃。  それを受け止めて見せた。

「くっ! おぉ、思ったより重いぜ!」

『おっぉ!』

『受け止めたあぁぁ!』

『何百キロあるの! その体!!!』 

「おらぁ!」とジャイアントボアを投げ飛ばした。

 その巨体に似つかわしくない俊敏性。 空中で回転してジャイアントボアは足から着地した。

 その表情には驚きが宿っていた。 必殺の攻撃が俺に通じなかったのが、それほどに予想外だったのだろう。

 ざっ、ざっ、ざっ、とジャイアントボアは後ろ足を蹴る。

 突進前のミノタウロスの動きと同じだ。 

 ここで出すつもりなのだろう。 必殺の突進を─── そして、それは来た。

 一直線。 大きな質量が加速を得て、俺にぶつかってくる。

 だから、俺は両手を広げて───ジャイアントボアの突進を真っ正面で止める!

 そして───衝突。

「いいぜ! ここからは相撲勝負だ!」
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