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第104話 中華の気分 その2

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ジャイアントボアの突進。 

 まるで10トンのトラックが向かって来るようなイメージだ。

 だが、違和感。 あぁ、こう思っているのだろう。

 俺がギリギリで避けるじゃないか? その迷いの生じ……突進の速度が落ちている。

 安心していいぜ? 俺は避けない。 

 正々堂々と真っ向勝負だ。 来いよ─── その破壊力をそのままに!

 そして、それは来た。 ジャイアントボアとの接触。

 瞬時に体がバラバラになったかのような衝撃。 だが───

「───押さえ込む! 相撲勝負だぜ! のこった! のこった!」

 見えない、存在しないはずの土俵。 ここから出たら俺の負け─── それが俺の矜持。

 流石の突進力。 俺は左右に力を流して、衝撃を殺していく。

 十分に威力を減少させた所で───

「その巨体! 引っこ抜かせてもらうぜ!」

 ジャイアントボアの首を抱え込むように上に向かって持ち上げる。

 完全に、その巨体が浮き上がる。

 だから俺は、後方に─── それから地面に向かって───

 叩き落す! 

「いわゆる───ブレンバスターだ!」

 地面が───否。 ダンジョンそのものが揺れて地震が起きる。

 投げられたジャイアントボアは、その衝撃に何度かバウンドして、動きを止めた。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・

「はぁいっ! と言うわけで、下処理をしたジャイアントボアの肉がコチラ!」

 見た目は豚のバラ肉。 

 赤身と脂身のコントラスト! 脂肪は、まろやかなコク! そして、濃厚な風味が混在している肉の箇所だぜ!

「まずは、この肉を───叩いて、叩いて、叩いて、ミンチにする。 おら! おら! おら!」

 包丁でタンタンタンとリズミカルに叩く。 肉に粘りが生まれるように!

「できたミンチに調味料の追加! 塩、コショウ、醤油、隠し味に砂糖……おっと! 忘れちゃいけないのは、ここでニンニクと生姜だ!」 

 ボウルに入れたミンチに調味料を加えると、それらを混ぜるように練る!

 練る! 練る! 練る! ねるねるねーるね!

 よく練った肉に水を加える。  それで練る!

「よし! ここからは肉を皮で包むと───餃子の形になってきただろ!」 

 油を広げたフライパン(加熱済み)に餃子を並べていく。

 ジュワアアアアアと良い音が鳴る。 

 強火で焼いて水を入れる。 蒸し焼きにするために蓋を閉じた。 

 そして完成! ドーン! と皿に並べる!

「どうだ! うまそうだろ!」

 視聴者たちにお披露目!  そうすると視聴者たちも違和感に気付きはじめた。

『わぁ、美味しそう! ……あれ?』

『眼の錯覚……かな?』

『なんか、でかくねぇ!!!』

 くっくっくっ……気付きましたか。

「これは、ただの餃子ではない! ジャンボ餃子だぁ!!!」

 食材もジャンボボアだからね。

 箸で持ち上げる。ずっしりとした重量感! 

 一口では食べきれない大きさ。俺の顔と比べて見せる。

 比較する事でわかるだろ? この巨大さがよぁ!

 「それじゃ、さっそく───いただくぜ! パクっ!」

 おぉ! パリッとした皮の食感!

 もう何て言うか……パリパリ? そう、パリパリだぜ!!!

 中からは、じゅわ……とした大量の肉汁があふれる! 

 食欲が増進される! 口いっぱいに運ぶ手が止まらないっ!

 ガツッ、ガツッ、ガツッ! ガブガブガブガブ……

「うっまぁ! 皮のパチパチ感! 具のもっちり感! 想像以上に───肉だ! 肉料理だぜ!」

 中のニンニクと生姜も効いてる。 味にアクセントがついて、このボリュームでありながら飽きがこないぞぉ!

 そして、餃子のタレ。

 醤油に酢を混ぜて、ラー油を一滴!

 これに餃子を付けて─── 「うん、美味い!!!」

 餃子のタレによる味変更。 肉の旨味はそのままに、あっさりと食べやすさが加わった!

「おぉ! いくらでも食べれそうだ!」

 もぐもぐ! もぐもぐ! もぐもぐ! 

「おぉ! あんなに圧倒的な重量を持っていたジャンボ餃子が、どんどん減っていくぞ!」

 大皿に盛っていた餃子。 それが減って……

「うん! なんだろう……」

 あんなにも強い満足感を得ていたはずなのに妙だ。 妙な感想が過ぎる。

「うわぁ! ラーメンとチャーハンが食べたくなってきた!」

 よし! 帰ろう。 

 今日は中華の気分だぜ!
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