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第118話 ダンジョンの雪山階層
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夏だ。 もう9月であるが、夏の熱さが続いている。
日本に秋という概念が薄れて、どのくらいだろうか?
あぁ、日本の美しい四季……
「まぁ、俺はダンジョンの雪山にいるけどな!」
見渡す限りの銀世界。
『寒そう……』
『おぉ、体感が寒くなる!』
『感覚バグるぜ』
ダンジョンには気温も、四季も、場所も、環境も関係ない。
油断していると凍死してしまう。 ここはそんな階層だ。
「えっと……今回は、メン限で話していた企画。ジビエ料理に使えそうなモンスターを狙って来たのだが……」
俺は地面を指した。 それに合わせて、ドローンのカメラも下に向かった。
「熊系のモンスターの足跡を追っていたら……足跡が消えました」
『え!?』
『あ、あれぇ?』
『なんで? どこに消えた!』
熊は、人間から追跡されていると感じると、後ろ歩きを初めて足跡を消す。
猟師は、これを『止め足』と言うらしい。 やれやれ、人間よりも頭が良い獣とは、厄介だぜ。
「……というわけで、至急動画を回しています! たぶん、今から俺、獅堂ライガは熊に襲われます!」
『予告襲撃(受ける側)』
『逃げろ! 逃げろ!』
『……まぁ逃げた方が良いのは、熊の方だけどな!』
おっと、視聴者もノリノリだ。 リスナーは配信者に似るって事だな。
「よし、どこかに熊系モンスターが隠れて襲撃の機会を狙っているとして───」
俺は、ポツポツと並んでいる木。そこに背中を合わせて、体重を預けた。
身を隠すと同時に、背後からの襲撃に備える。
「しかし、不思議だな。年中、冬の階層なのに植物は成長するんだな」
そう言いながら、気配を探る。 さて、どこから来るかな?
僅かながら、気配を感じる。 少し離れた位置……来るか!?
だが───
「ツー ピィピィピィー」と、気配の正体は、小さな鳥。 正確には、鳥系のモンスターだった。
「え?」
俺は脱力した。
大型の獣系モンスターがいる場所。 鳥系が囀《さえず》って歩いたり、飛んだりする事はない。
「ん~ それじゃ熊系モンスターは、もう逃げたって───」
殺気。 反射的にその場にしゃがみ込む。
その直後だった。 背後の木が砕け飛んだ。
「ひぇ! 避けなかったら、俺の首もそうなっていたのか!」
見上げると巨大な熊系モンスター。 ただの熊ではない……白熊だ!
「白熊の迷彩効果(?)で隠れていたのか! ってか、デカいな!」
熊系モンスター。俺の記憶だと『ホワイトベアロード』……確か、そんな名前だったはずだ。
『デカい! 説明不要!』
『釣られんクマ―!』
『思ったよりデカいで!』
コメントも大盛り上がり! 良い感じだ!
見上げる。『ホワイトベアロード』は人間の倍ほどの身長。
体重は700キロくらいか?
「ひぇ~ コイツはシンプルにデカくて強いぞ!」
俺は臨戦状態になった。
ホワイトベアも戦闘状態になる。威圧するように両手を広げ、牙を向ける。
牙は鉄でも噛み砕きそうだ。 爪は日本刀のような切味が宿っているようだ。
要するに───
「めちゃくちゃ強いぞ! こいつ!」
爪を左右から振り落としてくる。 それを避ける。
だが、上から牙が襲い掛かってくる。 だけども───
「このタイミング! 狙いどおりだぜ!」
その口、牙に向けて、拳を叩き込む! 鋼鉄のような強度、その牙が宙に舞った。
「これで攻撃力が激減して……おっと!」と俺は振り落とされた爪を回避する。
牙を叩き折られても、野生の闘志は衰えないようだ。
「だったら、これでどうだ!」
蹴り───足刀を振り回し、ホワイトベアの爪を切断する。
素早く、両腕とも─── これで攻撃力はなくなったろ?
牙と爪を失ったホワイトベアロード。 これで勝ちを確信したが……
「うぉ!」と俺は飛んだ。 白い塊が弾丸のように突進してくたからだ。
「体当たり、ヤバい! 当たったら、俺でも倒されるかも!」
ちなみに足元は深雪だ。 俺の俊敏性は失われている。
すぐに反転したホワイトベアロードは、突進の準備。
次弾が飛んでくる。 これは避けれないかな?
「じゃ、俺も───」
俺も身を低くして、突進の準備に入る。
どーん!
次の瞬間、衝撃が襲い掛かって来る。 だが、下に、低く、低く、潜り込む。
「うおぉ!」と力を込めて、持ち上げた。 ホワイトベアロードの肉体を───
その総量は、およそ700キロオーバー。
『何で持ち上がるんだよ!』
『やっぱ、人間辞めてるんだよな』
『流石、ライガさん、そこに痺れる! 憧れる!』
そんな称賛コメントを浴びながら、
持ち上げた体を地面に叩きつけた!
「これで目的のジビエ料理はできるようになったな。よし、どこか調理をできる場所を───」
だが、不幸な事に吹雪いてきた。 視界が効かない。
『これ大丈夫?』
『遭難しない?』
『地面に穴を掘ってやり過ごす!』
コメント欄も心配で埋まった。 さて、どうしようかなぁ?
日本に秋という概念が薄れて、どのくらいだろうか?
あぁ、日本の美しい四季……
「まぁ、俺はダンジョンの雪山にいるけどな!」
見渡す限りの銀世界。
『寒そう……』
『おぉ、体感が寒くなる!』
『感覚バグるぜ』
ダンジョンには気温も、四季も、場所も、環境も関係ない。
油断していると凍死してしまう。 ここはそんな階層だ。
「えっと……今回は、メン限で話していた企画。ジビエ料理に使えそうなモンスターを狙って来たのだが……」
俺は地面を指した。 それに合わせて、ドローンのカメラも下に向かった。
「熊系のモンスターの足跡を追っていたら……足跡が消えました」
『え!?』
『あ、あれぇ?』
『なんで? どこに消えた!』
熊は、人間から追跡されていると感じると、後ろ歩きを初めて足跡を消す。
猟師は、これを『止め足』と言うらしい。 やれやれ、人間よりも頭が良い獣とは、厄介だぜ。
「……というわけで、至急動画を回しています! たぶん、今から俺、獅堂ライガは熊に襲われます!」
『予告襲撃(受ける側)』
『逃げろ! 逃げろ!』
『……まぁ逃げた方が良いのは、熊の方だけどな!』
おっと、視聴者もノリノリだ。 リスナーは配信者に似るって事だな。
「よし、どこかに熊系モンスターが隠れて襲撃の機会を狙っているとして───」
俺は、ポツポツと並んでいる木。そこに背中を合わせて、体重を預けた。
身を隠すと同時に、背後からの襲撃に備える。
「しかし、不思議だな。年中、冬の階層なのに植物は成長するんだな」
そう言いながら、気配を探る。 さて、どこから来るかな?
僅かながら、気配を感じる。 少し離れた位置……来るか!?
だが───
「ツー ピィピィピィー」と、気配の正体は、小さな鳥。 正確には、鳥系のモンスターだった。
「え?」
俺は脱力した。
大型の獣系モンスターがいる場所。 鳥系が囀《さえず》って歩いたり、飛んだりする事はない。
「ん~ それじゃ熊系モンスターは、もう逃げたって───」
殺気。 反射的にその場にしゃがみ込む。
その直後だった。 背後の木が砕け飛んだ。
「ひぇ! 避けなかったら、俺の首もそうなっていたのか!」
見上げると巨大な熊系モンスター。 ただの熊ではない……白熊だ!
「白熊の迷彩効果(?)で隠れていたのか! ってか、デカいな!」
熊系モンスター。俺の記憶だと『ホワイトベアロード』……確か、そんな名前だったはずだ。
『デカい! 説明不要!』
『釣られんクマ―!』
『思ったよりデカいで!』
コメントも大盛り上がり! 良い感じだ!
見上げる。『ホワイトベアロード』は人間の倍ほどの身長。
体重は700キロくらいか?
「ひぇ~ コイツはシンプルにデカくて強いぞ!」
俺は臨戦状態になった。
ホワイトベアも戦闘状態になる。威圧するように両手を広げ、牙を向ける。
牙は鉄でも噛み砕きそうだ。 爪は日本刀のような切味が宿っているようだ。
要するに───
「めちゃくちゃ強いぞ! こいつ!」
爪を左右から振り落としてくる。 それを避ける。
だが、上から牙が襲い掛かってくる。 だけども───
「このタイミング! 狙いどおりだぜ!」
その口、牙に向けて、拳を叩き込む! 鋼鉄のような強度、その牙が宙に舞った。
「これで攻撃力が激減して……おっと!」と俺は振り落とされた爪を回避する。
牙を叩き折られても、野生の闘志は衰えないようだ。
「だったら、これでどうだ!」
蹴り───足刀を振り回し、ホワイトベアの爪を切断する。
素早く、両腕とも─── これで攻撃力はなくなったろ?
牙と爪を失ったホワイトベアロード。 これで勝ちを確信したが……
「うぉ!」と俺は飛んだ。 白い塊が弾丸のように突進してくたからだ。
「体当たり、ヤバい! 当たったら、俺でも倒されるかも!」
ちなみに足元は深雪だ。 俺の俊敏性は失われている。
すぐに反転したホワイトベアロードは、突進の準備。
次弾が飛んでくる。 これは避けれないかな?
「じゃ、俺も───」
俺も身を低くして、突進の準備に入る。
どーん!
次の瞬間、衝撃が襲い掛かって来る。 だが、下に、低く、低く、潜り込む。
「うおぉ!」と力を込めて、持ち上げた。 ホワイトベアロードの肉体を───
その総量は、およそ700キロオーバー。
『何で持ち上がるんだよ!』
『やっぱ、人間辞めてるんだよな』
『流石、ライガさん、そこに痺れる! 憧れる!』
そんな称賛コメントを浴びながら、
持ち上げた体を地面に叩きつけた!
「これで目的のジビエ料理はできるようになったな。よし、どこか調理をできる場所を───」
だが、不幸な事に吹雪いてきた。 視界が効かない。
『これ大丈夫?』
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コメント欄も心配で埋まった。 さて、どうしようかなぁ?
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