VTuberでもできるダンジョン配信!

チョーカ-

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第117話 イカを釣りに行こう(?)その3

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「───と、言うわけで! 最初の予定通りにイカ料理を作っていくぜ!」

 俺の目の前には巨大イカ......いや、クラーケンが横たわっている。

「圧巻だな。さて、コイツを調理するのは大変そうだぜ」

 さて、今から作るのは、俺が子供の頃に苦手な料理だった─── イカの煮付けだ!

「まず、イカをよく洗い───洗い? 洗うのか? コイツを!?」

 あらためて言おう。見上げるほどの巨大さだ。 どうやって洗おうか?

「仕方がない」と『収納空間』を発動。 取り出したホースで水をぶっかけて、モップで洗う。

 う~ん、大型トラックの運転手さんも掃除の時は、こんな感じなのだろうか?

 大変なお仕事だぜ、頭が上がらないな! 

「よし! 高速でいくぜ!」

 俺はクラーケンの掃除を終わらせた。 巨大過ぎて、衛生面で心配にもなるが......

「まぁ、良いとするか!」

 次は軟骨と内臓と取り除く───え? 取り除いた軟骨と内臓は、どこに捨てれば良いんだ? 

 うん! 海(ダンジョン)に戻そう! 

 自然(ダンジョン)の力が内臓を綺麗な感じに使ってくれるだろう!

 きっと、そうだ!

「みんな、子供とかの教育に悪いから、今のは見なかった......いいね? 忘れろ、忘れろビーム!」

『何のこと? 記憶ないなった』

『初見です。ダンジョン配信ですか!』

『VTuberってなんですか!?!?』

「これでなかったことになったな。次は、いよいよ松笠切りだぜ!」

 松笠切り───何度か説明しているが、資格に切ったイカの身に切れ目を入れる切り方だ。

 熱が通りやすくするための切り方だぜ!

 手にした包丁。 鍛冶屋としては超がつく一流に作って貰った特注品。

「うおおおぉぉぉ!」と気合いを入れながら、丁寧に、そして均等になるようにゆっくり切っていく。

「おぉ! できたぜ! 子供の頃が蘇ってくるぜ!」

 ......いや、待てよ。 どうして俺は、嫌いだった物を作って食べようとしているんだ?

 い、いけない。嫌いな食べ物だった記憶まで蘇ってきたぞ。

「俺は配信者だ。エンタメ! エンタメが命の配信者......よし!」

 乱れたメンタルが正常になる。 それじゃ、本番はここからだ。

「この下処理をしたイカを調理していくぞ!」

 まずは出汁(醤油、みりん、酒)に砂糖を加えて沸騰するまで煮込む!

 「おぉ! この時点で匂いがいい! 次に生姜を入れたら───」

 いよいよ、本命! 煮込んだ鍋にイカの松笠切りを投入!

「このまま、イカに味が染み込むまで待つ。 おっと! 一緒に野菜も煮込むかな!?」

 ネギや人参、大根も入れておく。 野菜も大好き!
 
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~

「───というわけで完成! イカの煮付けだぜ!」

 俺の前には皿。そこにイカ(クラーケン)が乗っている。

「うん、この形が食べ物って思えなくてさぁ。子供の頃、昼休みまで残って食べさせられたなぁ」

『うぅ......悲しいなぁ』

『トラウマががが、トラウマスイッチが!』

『俺らのトラウマまで刺激するな! いや、刺激しないでください』

 あぁ、みんなも経験あるんだな。

「よし! それじゃ、今日でトラウマとは、お別れだ!」

 あらためて料理を見る。 

 キラッ! 

 ───と光って見える。 煮汁が照っているのだ。

 それから鼻を刺激する甘じょっぱい香り......あぁ、これ絶対美味しいやつやん!

 もう、俺には苦手意識が消えていた。 いや、最初から嫌いだったのは子供の頃の話ではあるけど...... 

 口に運んで、はむはむと咀嚼していく。 食感はコリコリしてる!

「おぉ! イカの弾力が! それで噛むごとに旨味がじゅわ~って広がる!」

 上手い! 

「もう、今となっては何で苦手な食べ物だったのか不思議になってきたぞ!」 

『いや、見た目っていってたろ!』

『自分で嫌いな理由を説明していたじゃん!』  

『何で、自分が忘れてるんだよ!』

「ごめん、ごめん! 嫌いな理由を過去にする。それほどの上手さ......って伝えたかっただけだよ!」

『けっ! イカ焼き食べてくる!』

『俺も! こんな上手そうに食べてる奴と同じ空間に入られるか!』

『↑無駄に死亡フラグをたてるな!』

「あぁ! 待て待て! マジで同時接続者数減ってるぞ!」

 俺は謝罪をしながら、イカ(クラーケン)を食べることになってしまった。 

 
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