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第1話
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しおりを挟む殿舎の外の様子は、時折聞こえてくる女官たちのおしゃべりで窺い知る程度だった。
それによれば、朝廷では宗室の長となった叔父と、左右丞相ら臣下たちとの間で対立が起こっているらしい。政に関心を示さない瓊祥にかわり、叔父が独断で命を下そうとして顕官らの反感を買ったとか。帝君の父親という立場を笠に着て、京師で傍若無人な振る舞いを行っているとか。批判的な言動をした民を牢に入れて拷問したなどという話もあり、紗琰は心ある獄吏が民を逃がしてくれることを願うしかなかった。
「哥哥、また外を見ているの?」
粒真珠の珠簾がしゃらしゃらと音をたて、龍袍を纏った瓊祥が房室へ入ってくる。
紗琰は重たい頭をゆっくりともたげ、艶花な玉容を見あげた。
「……小瓊」
「今日は風が気持ち良いから、内院で昼餉にしましょうか。哥哥のお好きな御菜をたくさん用意させましょうね」
瓊祥は紗琰の躰を抱き寄せ、甘えるように額をこすりつけてくる。
まだ政務の時間だろうに、とは思っても口には出さなかった。閉じ込められて間もない頃にそれを言って、瓊祥がひどく機嫌を悪くしたからだ。
紗琰は黙ったまま目の前の躰を抱き返し、薔薇の香りのする胸に身を預ける。こうすると瓊祥が喜ぶのだと知ったのも、ごく最近のことだ。
案の定、瓊祥は嬉しそうに微笑み、くちづけを降らせてきた。
「哥哥。昼餉の前に、あなたを食べたくなってしまいました。小瓊に花蜜をちょうだい」
やわらかくくちびるを食まれて、返事をする間もなく深く貪られる。
褥へ押し倒され、簡単に結んだだけだった帯をほどかれれば、愛撫の跡の残る白膚が露わになった。瓊祥の手が腰をなぞり、太腿をたどって両脚の間に差し込まれる。
「ぁ、っ……」
朝方まで抱かれていたせいか、軽く触れられただけで花襞が指先に吸いつくのを感じた。やわらかくほぐれたままの秘蕾は愛撫を求めてひくつき、瓊祥が花容に喜色をにじませる。
「もしかして、哥哥も待ち遠だったのですか? こんなにとろとろにして、……寂しがらせてごめんなさい。すぐにいっぱい愛してさしあげますからね」
「っ、ッ、小瓊、ン……っ」
侵入した指が、くちゅりと音をたてて襞をかき廻した。
少しだけ粘膜をいじって抜けていく感覚に喉を反らせていれば、すぐに熱いものを押しつけられる。花襞は待ち望んでいたかのように従順に亀頭に吸いつき、這入りこんでくる雄蕊を嬉しそうにしゃぶった。
「あぅ……っう、んく……っ」
「かわいいにいさま。大好き」
囁きとともに薔薇の香りが濃くなる。
ふと床帳の外を見やれば、瓊祥の太監が香炉を置いて去っていくところだった。香炉の中には媚薬が仕込まれており、少し嗅いだだけでも紗琰の発情を促す。
一瞥した間にも身の内で慾がふくれあがり、瓊祥を受け入れようとあわいが潤みを増した。
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