好きな子を寝取られそうになりました。

(第1話)事の発端

俺は、俺のいじめっ子、九頭たけしが俺の好きな子を狙っているとわかってしまった。
あいつは元来、人を大切にせず、この半年で3人彼女を作り、全員振られてしまっている。
じゃあ、最終的に振られるから問題ないって？わかってないなー、あいつ、その3人とヤってたんだぜ？
とにかく、愛の処女をあいつに奪わせるつもりはない。

そんなある日、九頭に、愛が俺の幼なじみだということがバレてしまった。
これは大変だ。あいつが何を仕掛けてくるかわからない。
すると、次の日九頭は、実行に乗り出したのだ！
「おい、こいつのカバンの中に愛ちゃんの体操服と愛ちゃんのトイレの写真あるぞ！」
愛は噂を信じやすい。だから
「繁くんがそんなことするなんて、見損なったよ………ありがとう、九頭くん。」
「え………俺は………」
他の女子も
「え、こいつサイテー」
「きっしょ」
「そんなことしたらパパに怒られちゃうだろ！」
という声が上がった。
だが、根拠がない。証拠がない。それでも、信じやすい人は信じてしまう。
さらに次の日
俺は九頭に女子トイレに突き飛ばされた。そして入ったことにされ、
「こいつから離れようぜ？」
「剣道強いからってそれはないわ」
「ピッケル振り下ろして粛清したい」
いや、粛清は九頭にしてくれ。と心に思った。

次の日から九頭はどんどん愛に近づいて行った。
俺には見向きもしなくなった。
「さみしい。」
そのひとつの言葉で頭は埋め尽くされていった。
その言葉は
「孤独」
「憂鬱」
に変わって行った。
剣道をしている時も、校内でやる時は、ペアを拒否られる。
先生にも伝わり、かなり叱られた。
「次やったら謹慎とする。」
と言われた。
お酒でこの思いをかき消したい。未成年には飲めない。
つづく