好きな子を寝取られそうになりました。

(第2話)遠ざかる心

あの事件から、俺は女子、いや、男子にすら避けられるようになってしまった。
そんなある日、帰りに九頭に遭遇してしまった。
「君のま・け・だ・よ」
とこいつは煽り性能高レベルで俺を罵ってきた。
そして隣には、愛がいた………
愛は、俺とは反対方向の電車に乗ったように心は離れていく。
俺は途方に暮れて帰った。親はあの冤罪が伝わり、俺とは顔を合わせなくなってしまった。
「地元に戻りたい。」
そんな言葉が俺の頭によぎった。

次の日も九頭は冤罪を作り始めた。
「おい、こいつ昨日、俺の彼女寝取ろうとしたんだぜ？」
と言うと、そこには愛はいなかった。
隣にいたのは、なんと、愛ではなく、隣のクラスの阿久津さんだった。
どうやら九頭は浮気してるらしい。
すると阿久津は、
「私をレイプしようとしました。」
すると周りの女子たちは
「もう死んで欲しい」
「この世からいなくなって欲しい」
「学校に変態郵便屋が！」
愛はまだ学校に来ていない。
愛が学校にくると、すぐ女子たちが
「ねぇ、上泉って阿久津をレイプしようとしたんだって！」
(もうダメだ、おしまいだ)
地位的にも精神的にも孤立していく。
「栄光ある孤立」の真反対の孤立だ。 
だが、その反面九頭に対する心の奥底からどす黒い何かが込み上げてくる。
俺の心の中は、
「孤独」
「憂鬱」
から、
「復讐心」
「憎しみ」
へと変化して行った。
こんな孤立の中どうすればいいのか。そんなことからスタートしなければならない。
でも、あいつの暴走を止めなければ、俺の人生があいつに壊されることは間違いない。
つづく