15 / 22
第二部 キミに会えないクリスマス・イヴ
第四話 的中した予感
しおりを挟む
その日ワタルは、数日ぶりに自宅に戻った。部屋の中やベランダに飾られた観葉植物は、長期の留守から帰宅したときでも青々とした色で出迎えてくれる。時間のあるときに沙樹が水やりに来てくれたのだろう。
何でもない小さな思いやりに、ワタルは我知らず笑みが浮かんだ。許されることなら今すぐ会いたい。でも沙樹は番組の真っ最中だ。
電波を通じて繋がれるような気がしたワタルは、ラジオのスイッチを入れ、沙樹の勤めるFMシーサイド・ステーションにチャンネルをあわせた。流れてきたのはアメリカのハードロックバンドの曲だ。一口でベテランというにはあまりにも活動期間が長い。途中何度か解散の危機を迎えながらも、今でも最前線で活躍している。
これから先、自分たちにもいろいろな危機が訪れるかもしれない。そのような場面に立ったとき、なんとか乗り越えて活動を続けたいと願う。それを実現するために重要なのは、リーダーの自分だ。
バンドの曲を聴いていると、哲哉のシャウトするようなボーカルを連想する。実はあの歌い方は、彼らの影響が大きい。思えば哲哉に初めて聴かせたアルバムは、彼らのものだった。あの日あのとき聴かせてなければ、今のオーバー・ザ・レインボウはなかったかもしれない。何気ない思いつきが将来を左右することもある。
昨夜のライブも、彼らに負けないくらい大成功だった。日を追うごとに自分たちの演奏も熱が入り、来てくれるファンの反応もよくなる。明日のツアー最終日は、間違いなく最高のものになるだろう。バンドメンバーみんなの気持ちもコンディションも絶好調だ。
沙樹にも来てほしかったが、特番の仕事がある以上無理は言えない。ただ今回のツアーに一度も来てもらえなかったことは、メンバーも残念がっていた。
オーバー・ザ・レインボウは、毎年クリスマス・イヴに特別ライブを行う。いつものロックから離れ、小さめの会場を選んでクリスマスソングを中心にアンプラグドで演奏している。デビューした年、できたばかりのファンクラブで行ったものが、いつの間にか一般向けにも行われる恒例のものとなった。人気が出るにつれプラチナチケットになり、規模も少しずつ大きくなってきたので、今年を最後にやめようという話が出ていたところだ。
それがたまたまツアーの最終日と重なったので、ミニライブは行わない。そのかわりアンコールで、恒例のクリスマスライブを行うことにした。それだけに沙樹にも来てほしかった。
アマチュア時代に多くのサポートをしてくれた沙樹のことを、みんなは六人目のメンバーだと思っている。ライブに来るのであればいつでも席を用意するし、関係者として特別待遇も可能だ。にもかかわらず沙樹は、一度もその申し出を受けたことがない。
そこまで気を使わなければならない境遇に追いやったのは、沙樹との交際をオープンにしていないワタルが原因だ。事務所などの方針があったとしても、それを押し切っていれば、隠れてつきあう必要などなかった。
でも気遣いも今年で終わりになる。そのはずだった。
ところがワタルにとって運が悪いことに、そのツアー最終日、沙樹に特番の仕事が決まった。キャリアアップを目指してバリバリ働く姿は、恋人の欲目抜きで輝いている。
希望していたラジオ局に身を置く生活が充実しているのは解る。特番のメンバーに入ったのも、これまでの努力の結果だ。
沙樹にとって喜ばしいことだが、結果、その日は遅い時間まで拘束され、ライブに来てもらおうというワタルの目論見は崩れた。
それでも遅い時間ではあったが会う約束は取りつけた。あとは場所が確定すれば沙樹に詳細の連絡すればいい。
大切なプレゼントは、デスクの引き出し奥に大切にしまわれている。
果たして沙樹はこれを喜んでくれるだろうか。きざな台詞やこった言い回しは必要ない。気持ちをストレートに伝えるには、シンプルな言葉が一番だ。
渡すときのことを考えると決まって動悸が激しくなり、口の中がからからに乾く。
「だめだ。ライブの方がよほど気楽だよ」
沙樹に告白したときは、何度も練習した。それなのにいざその場に立つと、用意したセリフは全部飛んでしまった。今回も同じことを繰り返しそうなので、ぶっつけ本番で挑むことにしている。いくつになっても、恋愛に関して不器用なところは変わらない。ワタルはいつまでも成長しない自分にあきれる。
あれこれ考えていても仕方がない。久しぶりの帰宅だ。やることはそれなりにある。
まず初めに、ワタルはたまった汚れ物を洗濯機に入れ、終わるまでの間コーヒーを飲みながら本を読むことにした。本棚の横にある積読本タワーからシャーロック・ホームズを取り出す。小学生のときに子供向けにリライトされたものを読んで以来なので、内容はほとんど忘れている。
ワタルはラジオを止めてクラシックのCDに変えた。コーヒーの香りが漂うリビングで、ゆったりした気分でソファーに座り読書をしていると、着メロが響いて中断される。それはブルー・ムーンのマスターからだった。
『明日ですが、お席が準備できるようになりましたので、ご予約通り十一時にお越しください』
「ありがとうございます。うちの哲哉が無理言ったんじゃないですか?」
『その点はご心配なく。北島さんたちのような有名人ともなると、デートする場所も限られてくるでしょう。当店を選んでいただけてうれしいですよ』
ブルー・ムーンはマスターの対応が徹底しているので、有名人が訪れても噂にはならない。アルバイトもいないから、うかれたフリーターに「○○さんが女性連れでうちの店に来た☆」などとSNSに書かれる心配もなかった。
店が決まったのはいいことだ。だがそれはキャンセルが出た、つまり別れたカップルがいることの裏返しかもしれない。自分たちがそうならない保証はないが、今日の明日だ、そんな心配は不要だろう。
時刻はまだ夕方の五時だ。沙樹の番組は放送中だ。メールで連絡してもよかったが直接話して伝えたい。忘れないように午後九時にアラームをセットして、ワタルは読書に戻った。
不快な電子音が響いて、ワタルは目を覚ました。いつの間にかソファーに横たわってうたた寝していた。ホテル住まいが続いたためか、思った以上に疲れが溜まっていたようだ。ゆっくりと起き上がり軽く頭をふる。ワタルは床に落ちた本が傷んでなかったことに安心してテーブルに乗せた。
終わった洗濯物を乾燥機にかけながら、こめかみを抑える。
よく覚えていないが、嫌な夢を見たような不快感が残っていた。寝た場所が悪かったのかもしれない。ワタルは肩と首をまわして体をほぐし、キッチンに入って冷凍庫を覗いた。外食するのも面倒なので、作りおきの冷凍ピザをオーブンに入れる。
時計を見るともう九時を過ぎている。さっきのアラーム音は、電話する時刻を知らせるためにセットものだった。
明日のことを一刻も早く伝えたい。ワタルは軽い高揚感を覚えたまま沙樹にかけた。ところが、
『あんたが沙樹の彼氏か?』
予想もしなかった男性の声が答えた。
番号を間違えたのか? だが相手はこちらに向かって「沙樹の彼氏か?」と問いかけた。違う番号にかけたわけではなさそうだ。
ではなぜ沙樹が出ない?
『おれは仲谷っていうんだが、あんたに負けないくらい、沙樹が好きだ。あんたと違っておれは沙樹を放ったり、不安にさせたりしない』
相手はこちらが口を挟む余裕を与えず、一方的にまくしたてる。ワタルは事態が飲み込めず、状況を理解するのに少しの時間が必要だった。何も言い返せずに聞いていると、相手は挑発されたと思ったらしく、強い口調でさらに続ける。
『おい、聞いてんのか? ハハッ。何も言えないのか。だったら沙樹はおれがもらう』
仲谷、仲谷……友也?――ああDJトミーか。
ワタルはやっと電話の相手が解った。
でもどうしてこんな時刻に沙樹と一緒にいる? 代わりに電話に出る? 明日の番組の最終打ち合わせにしては時間が遅すぎる。一体全体どうなっているのか。
さっきの不快感を残した夢は、このことを暗示していたのか。ワタルの動悸が激しくなる。
何でもない小さな思いやりに、ワタルは我知らず笑みが浮かんだ。許されることなら今すぐ会いたい。でも沙樹は番組の真っ最中だ。
電波を通じて繋がれるような気がしたワタルは、ラジオのスイッチを入れ、沙樹の勤めるFMシーサイド・ステーションにチャンネルをあわせた。流れてきたのはアメリカのハードロックバンドの曲だ。一口でベテランというにはあまりにも活動期間が長い。途中何度か解散の危機を迎えながらも、今でも最前線で活躍している。
これから先、自分たちにもいろいろな危機が訪れるかもしれない。そのような場面に立ったとき、なんとか乗り越えて活動を続けたいと願う。それを実現するために重要なのは、リーダーの自分だ。
バンドの曲を聴いていると、哲哉のシャウトするようなボーカルを連想する。実はあの歌い方は、彼らの影響が大きい。思えば哲哉に初めて聴かせたアルバムは、彼らのものだった。あの日あのとき聴かせてなければ、今のオーバー・ザ・レインボウはなかったかもしれない。何気ない思いつきが将来を左右することもある。
昨夜のライブも、彼らに負けないくらい大成功だった。日を追うごとに自分たちの演奏も熱が入り、来てくれるファンの反応もよくなる。明日のツアー最終日は、間違いなく最高のものになるだろう。バンドメンバーみんなの気持ちもコンディションも絶好調だ。
沙樹にも来てほしかったが、特番の仕事がある以上無理は言えない。ただ今回のツアーに一度も来てもらえなかったことは、メンバーも残念がっていた。
オーバー・ザ・レインボウは、毎年クリスマス・イヴに特別ライブを行う。いつものロックから離れ、小さめの会場を選んでクリスマスソングを中心にアンプラグドで演奏している。デビューした年、できたばかりのファンクラブで行ったものが、いつの間にか一般向けにも行われる恒例のものとなった。人気が出るにつれプラチナチケットになり、規模も少しずつ大きくなってきたので、今年を最後にやめようという話が出ていたところだ。
それがたまたまツアーの最終日と重なったので、ミニライブは行わない。そのかわりアンコールで、恒例のクリスマスライブを行うことにした。それだけに沙樹にも来てほしかった。
アマチュア時代に多くのサポートをしてくれた沙樹のことを、みんなは六人目のメンバーだと思っている。ライブに来るのであればいつでも席を用意するし、関係者として特別待遇も可能だ。にもかかわらず沙樹は、一度もその申し出を受けたことがない。
そこまで気を使わなければならない境遇に追いやったのは、沙樹との交際をオープンにしていないワタルが原因だ。事務所などの方針があったとしても、それを押し切っていれば、隠れてつきあう必要などなかった。
でも気遣いも今年で終わりになる。そのはずだった。
ところがワタルにとって運が悪いことに、そのツアー最終日、沙樹に特番の仕事が決まった。キャリアアップを目指してバリバリ働く姿は、恋人の欲目抜きで輝いている。
希望していたラジオ局に身を置く生活が充実しているのは解る。特番のメンバーに入ったのも、これまでの努力の結果だ。
沙樹にとって喜ばしいことだが、結果、その日は遅い時間まで拘束され、ライブに来てもらおうというワタルの目論見は崩れた。
それでも遅い時間ではあったが会う約束は取りつけた。あとは場所が確定すれば沙樹に詳細の連絡すればいい。
大切なプレゼントは、デスクの引き出し奥に大切にしまわれている。
果たして沙樹はこれを喜んでくれるだろうか。きざな台詞やこった言い回しは必要ない。気持ちをストレートに伝えるには、シンプルな言葉が一番だ。
渡すときのことを考えると決まって動悸が激しくなり、口の中がからからに乾く。
「だめだ。ライブの方がよほど気楽だよ」
沙樹に告白したときは、何度も練習した。それなのにいざその場に立つと、用意したセリフは全部飛んでしまった。今回も同じことを繰り返しそうなので、ぶっつけ本番で挑むことにしている。いくつになっても、恋愛に関して不器用なところは変わらない。ワタルはいつまでも成長しない自分にあきれる。
あれこれ考えていても仕方がない。久しぶりの帰宅だ。やることはそれなりにある。
まず初めに、ワタルはたまった汚れ物を洗濯機に入れ、終わるまでの間コーヒーを飲みながら本を読むことにした。本棚の横にある積読本タワーからシャーロック・ホームズを取り出す。小学生のときに子供向けにリライトされたものを読んで以来なので、内容はほとんど忘れている。
ワタルはラジオを止めてクラシックのCDに変えた。コーヒーの香りが漂うリビングで、ゆったりした気分でソファーに座り読書をしていると、着メロが響いて中断される。それはブルー・ムーンのマスターからだった。
『明日ですが、お席が準備できるようになりましたので、ご予約通り十一時にお越しください』
「ありがとうございます。うちの哲哉が無理言ったんじゃないですか?」
『その点はご心配なく。北島さんたちのような有名人ともなると、デートする場所も限られてくるでしょう。当店を選んでいただけてうれしいですよ』
ブルー・ムーンはマスターの対応が徹底しているので、有名人が訪れても噂にはならない。アルバイトもいないから、うかれたフリーターに「○○さんが女性連れでうちの店に来た☆」などとSNSに書かれる心配もなかった。
店が決まったのはいいことだ。だがそれはキャンセルが出た、つまり別れたカップルがいることの裏返しかもしれない。自分たちがそうならない保証はないが、今日の明日だ、そんな心配は不要だろう。
時刻はまだ夕方の五時だ。沙樹の番組は放送中だ。メールで連絡してもよかったが直接話して伝えたい。忘れないように午後九時にアラームをセットして、ワタルは読書に戻った。
不快な電子音が響いて、ワタルは目を覚ました。いつの間にかソファーに横たわってうたた寝していた。ホテル住まいが続いたためか、思った以上に疲れが溜まっていたようだ。ゆっくりと起き上がり軽く頭をふる。ワタルは床に落ちた本が傷んでなかったことに安心してテーブルに乗せた。
終わった洗濯物を乾燥機にかけながら、こめかみを抑える。
よく覚えていないが、嫌な夢を見たような不快感が残っていた。寝た場所が悪かったのかもしれない。ワタルは肩と首をまわして体をほぐし、キッチンに入って冷凍庫を覗いた。外食するのも面倒なので、作りおきの冷凍ピザをオーブンに入れる。
時計を見るともう九時を過ぎている。さっきのアラーム音は、電話する時刻を知らせるためにセットものだった。
明日のことを一刻も早く伝えたい。ワタルは軽い高揚感を覚えたまま沙樹にかけた。ところが、
『あんたが沙樹の彼氏か?』
予想もしなかった男性の声が答えた。
番号を間違えたのか? だが相手はこちらに向かって「沙樹の彼氏か?」と問いかけた。違う番号にかけたわけではなさそうだ。
ではなぜ沙樹が出ない?
『おれは仲谷っていうんだが、あんたに負けないくらい、沙樹が好きだ。あんたと違っておれは沙樹を放ったり、不安にさせたりしない』
相手はこちらが口を挟む余裕を与えず、一方的にまくしたてる。ワタルは事態が飲み込めず、状況を理解するのに少しの時間が必要だった。何も言い返せずに聞いていると、相手は挑発されたと思ったらしく、強い口調でさらに続ける。
『おい、聞いてんのか? ハハッ。何も言えないのか。だったら沙樹はおれがもらう』
仲谷、仲谷……友也?――ああDJトミーか。
ワタルはやっと電話の相手が解った。
でもどうしてこんな時刻に沙樹と一緒にいる? 代わりに電話に出る? 明日の番組の最終打ち合わせにしては時間が遅すぎる。一体全体どうなっているのか。
さっきの不快感を残した夢は、このことを暗示していたのか。ワタルの動悸が激しくなる。
0
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
彼女が望むなら
mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。
リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
2026.1.4 73話見直した際、瑛士の台詞《本音/懺悔》を加筆しました。😇
☘ 累計ポイント/ 200万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる