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事件
しおりを挟む「も~、晩御飯食べてすぐに寝転がると牛になるのよ~?」
「うるさいなぁ。」
ソファーに寝転びながらテレビを見る。関西弁の男性二人組がマイクの前で話していた。
「…そういえばさぁ、お母さん。」
「なぁに?」
洗い物が終わったのか、エプロンで手をふきながら私のほうを見るお母さん。なんだなんだとお父さんも真叶も私を見て、次の言葉を待つ。
「彼氏、できたよ。日曜日デートなんだぁ。」
「まぁ!」
「な、なに!?ま、まだ早いぞ、高校生だろ…!」
「真叶なんてまだ中学生なのにこの前まで彼女いたからね~?」
案の定、大騒ぎになった。わざわざ彼氏ができたなんて報告しなくてもよかったんだけど、なんとなく。
真叶は、すこし目を大きく開いて、無言で部屋に戻った。
「あはは、高校生で彼氏なんて普通だよ、お父さん」
「そ、それでもだなぁ…お父さんは菜々美が悪い男に騙されてないか心配だ!」
「大丈夫だって、心配性だなぁ。」
「そうよ、お父さん。娘が選んだ人を信じない父親がどこにいますか!」
「だがなぁ…」
お父さんとお母さんが話し合っている。議題は、高校生に彼氏は早いのか、だ。
普通だし、なんなら小学生でいる子だっている。マセてるなぁ、最近の子は。
私が報告をしたのになんだか面倒くさくなってまた、テレビに集中した。
テレビでは相変わらず、関西弁の男性がとぼけた顔をして話していた。
「道化…」
小さくつぶやいた声は、話し合っているお母さんとお父さんには聞こえなかったようだ。
食べた後なので、眠くなってきた。ふぁ、と一つ欠伸を洩らすと、私は眠りに落ちた。
***
キシ…と音がして、目が覚めた。どうやら今は夜中で、眠ってしまったみたいだ。
ふわ、と毛布がかかった感触に思わず目を開いた。
この時、私がソファーで寝なければ、物音で起きなければ、こんなことにはならなかったのだろう。でも起こってしまったものはどうにもならない。
どんなに後悔しても、遅いのだ。
真叶と目が合った。二人して、青ざめる。
「なに、して、」
「何って…。」
真叶が私にキスした事実は私が後悔したところで覆りはしないのだ。
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