外れ職業の旅芸人(LV.15)だったけれど、呪いの装備を使いこなせるチートに目覚めました

寿司

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学術都市 アルカデラ

第31話 巻き込まれ体質は直らない

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「お子さまには少し刺激が強かったかもしれないね~」

 ソフィアがぐいと何か液体を飲み干すとそう呟いた。

「……って何飲んでるんですか」

「へ? 酒だよ酒。祝いの席にはお酒がつきものらろ~」
 
 トロンとした目をしたソフィアが呂律の回らない声で言う。

「……ソフィアさん今年で何歳ですか」

「ぴっちぴちの28才らよ、少年よ」

 に、にじゅうはち!?!?
 あり得ない、どう見ても18才ぐらいにしか見えない……。

「若く見えるらろ、よく言われる」

 にやっと笑うソフィアは確かに大人の余裕があるのかもしれない。

「ん……そう言えばロアクリフって……」

「そう! よく気が付いたな少年よ。何を隠そうこのあたしは……」

 そのときだった。

「ソフィア=ロアクリフ!! いるんだろ、出てこい! 」

 土煙と共に、ドアが蹴破られたかと思うと、たくさんの人間が飛び込んできた。

「な、何だ!? 」

 僕は思わずリオンを抱き寄せると、何が起きたのか分からず混乱する。
 そしてまるでなだれ込むようにたくさんの人たちが入ってきた。

「やー、やー、トルネさんたち。久しぶり。揃いも揃ってどったの? 皆もお祝いしてくれるの? 」

 その中のトルネと呼ばれた老人にソフィアは気さくに話しかける。

「貴様を神の英知に触れた大罪人として捕らえる! 」

「え? ちょ、ちょっと待ってよ! 何の話!? 」

「一緒にいるのは……何者だ? ソフィアとぐるの者たちか! 」

「は? 違います! 僕たちは通りがかっただけで……」

「少年! あたしのことを見捨てるんじゃないよ」

 ただでさえ僕は罪人として追われてるのだ。正直、面倒ごとに首を突っ込んでる暇はない。

 ここは何としてでも逃げ出さなきゃいけないところだが……。 

「引っ捕らえろ!! 」

 しかしそんな願いも虚しく、僕らも数人の男たちに羽交い締めにされてしまうのだった。

◇◇◇

「ごめんって少年! 」

 ……

「ねー、機嫌直してよ! 」

 ……何でこんなことに。

 捕まった僕たちは何も事情が分からないまま、拘束されて牢屋に転がされた。
 いや、僕の場合は呪いの力が強すぎて隔離されたと言った方が正しいのかもしれない。

「事情ぐらい説明してくれよ、君は一体何をやらかしたんだ? そしてなぜ僕たちは捕まっている? 」

「んふふ、それ聞きたい? 」

「茶化すな」

 つれないな~とぼやくソフィアだったが、不意にきりっと表情を強張らせた。

「教えても良いけど……元の生活には戻れなくなるかも」

 もうとっくに元の生活には戻れないよ、そう思った僕はこくりと首を縦に振った。

「簡単に言うとね、あたしの作ったこれは魔法が使えないはずの戦士が魔法を使えるようにする道具。それはつまり職業を超えた能力を得ることになるんだ」

 ソフィアの手首についている道具。これが神の怒りに触れる代物……?

「神の決めた職業を超えることは重大な禁忌。ま、分かっちゃいたけどね」

「分かってるのに作ったのか? 」

 当たり前じゃんとソフィアが笑う。

「神様の敷いたレールを歩くだけの人生なんてつまんない。あたしは誰が何と言おうと魔法使いになりたかったんだ」

 そうやってにやりと子どもみたいに笑うソフィアが誰よりも格好良く見えた。

「凄いな……僕なんて旅芸人の職業を授かってから挫折の日々だったよ」

「え!? 旅芸人!? 君、そんな厳つい見た目して旅芸人だったの!? 」

 目を丸くして驚くソフィア。そんなに驚かれることだろうか……?

「そうだよ、文句あるか」

「文句はないけど面白いね。少女誘拐犯の旅芸人か」

 ちらりとリオンに視線を移すソフィア。
 一方のリオンはくうくうと目を閉じて寝息を立てている。

「誘拐じゃないぞ! 」
 それは断じて誤解だ!
 たまたま遭遇して、成り行きで行動を共にしているだけだ!

「冗談さ、久しぶりに人間に興味が湧いた。君、名前は? 」

「ノアだ。ノア=ディフェンシオ。ただ今はリヒトという偽名を名乗ってる」

「ふーん、訳ありっぽいね。まあその辺りの事情はここから出たら教えてよ。どうせ罰金でも払えばすぐ出して貰えるからさ! 」

 すると、カツカツと複数の人間がこの地下牢に下りてくる音がした。

「ほら、来た来た」

 そして先ほど僕たちを取っ捕まえた男たちは牢の前で立ちすくむ。

「ソフィア=ロアクリフ、そして残り二人」

 の、残り二人って。そんなおまけ扱いされてるの僕……。

「トルネさん、早く出してー。お金ならいくらでも払うからさ! 」

 そして一番偉いであろうトルネという男に告げられた次の言葉は信じがたいものであった。

「この三人を死刑に処す」
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