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第7話 死神との遭遇
しおりを挟む地面に吸い込まれたあたしは真っ暗な空間をさ迷っていた。
辺りには何にもない。というか自分の手足すら見えない。
「何これ? これが皆が言ってたやばいこと? 」
神聖魔法で人を殺めることは禁忌とされている。
これを破ったからあたしは地獄に落ちたのだろうか?
ならばここは地獄……?
『よく来たな 神に反逆し 聖女よ』
そのとき、さっきも聞こえた低い声が頭のなかで響いた。きょろきょろと見渡してみるが、誰もいない。いやそもそも見えない。
「だ、誰?! 」
『我は 神に封じられし神 ルティリオ
神に死を 与える神 』
「ルティリオ? 死を与える神って……。何でも良いからあたしをここから出して! 」
『ここから 出たくば 我と契約しろ』
「良いよ! 」
『え そんなすぐに即答されると…… 本当か?』
「良いってば! 契約って何をすれば良いの? 」
『先にそれを聞いてから承諾するもんじゃないのか
まあ 良いけど』
「そっかな? 」
『我の依り代となれ さもなくばここから出してやろう』
「糊代? 糊代が何なのか良くわかんないけど……良いよ! 」
こんな真っ暗な空間にずっといたら気がおかしくなりそう。あたしは即答でそのルティリオという存在と契約を結んだ。
『決まりだ』
次の瞬間、目の前が真っ暗になった。
そしてまるで何かがあたしの中に入ってくるような感覚がした後、意識が遠退いていくのが分かった。
◇◇◇
「う、うーん……」
あたしは頬にあたる冷たい感触で目を覚ました。
「早く起きろ。我が眷属よ」
聞いたことある声。そして体を起こすとそこには見慣れない少女の姿があった。
綺麗な黒髪に真珠のような白い肌。
そしてつり目がちだがルビーのような赤い瞳がキラキラと輝いている。
あまりに精巧なその姿は人形のようで、思わず生唾を飲み込む。
「だ、誰? 」
「主に誰とは失礼だな。我が名はルティリオ。神に死を与える者だ」
ルティリオ……ルティリオ……?
「あーー!!! あの、地面に吸い込まれたときに聞こえた声!! 」
夢じゃなかったのか……。
あたしは思わず自分の頬をつねって確認する。い、痛い。夢じゃないんだ……。
「やかましい声だ。いちいち騒ぐな」
可憐な姿とか似つかわしくない低い声にじじくさい言葉遣い。それがかえって神秘的な雰囲気を醸し出している。
「だ、だって意味分かんないんだもん。魔法でおじさんたちをしばいたら地面に吸い込まれて……そしたら知らない女の子がいて……」
するとルティリオはくすっと心底楽しそうに笑った。
「我も信じられぬ。まさか禁忌を破る聖女が現れるとはな。そのお陰でこうして久方ぶりに戻ってこれた訳だが」
「禁忌を破ると貴女が現れるの? でもそれが世界を滅ぼすって……? 」
「そんなものは奴等の戯れ言よ。死を恐れた臆病者のな」
「奴等……? 」
するとルティリオは心底嫌そうな顔をしてこう続けた。
「光の神 アレイスと闇の神 レイズのことよ。ああ、口に出すのも忌々しい! 」
「アレイスって……あああたしを生け贄にしようとした神のことか! 」
「生け贄? 」
ルティリオは興味を示したのか眉をあげた。
「えーっと……」
あたしは少しだけ言い淀む。ここはゲームの世界で、あたしはその中のキャラクターに転生してしまった。なんてこと信じて貰えるだろうか。
まあ良いか。隠していても仕方ないし。
そう思ったあたしは、今までのことを全て話し始めた。
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