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寿司

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悪役令嬢、援護を受ける

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「あら、エドワードくん。そんなに怖い顔しないで下さいな」

 柔らかな笑顔を浮かべるミラン先生。

「エド、うるさいわよ! 女に手をあげようとするなんて王様としてどうなのかしら? 」

 そしてその隣にはツインテールの少女。

「レベッカ! ミラン先生! 」

 それは、私を手助けするため式に潜り込んでいた二人だった。
 彼女たちは私の前に立ち塞がるようにしてエドワードを退けてくれている。
 流石の彼も先生やクラスメイトに手を出すわけにはいかないのか、渋々勢いを落とした。

「それにエドワードくん。この映像や音声が事実無根の作り物なら別に焦る必要ないじゃない」

 うふふ、と笑うミラン先生。
 正装に身を包んだ先生は、大人の魅力に溢れた気品漂う女性だ。

「でも先生! こんなの名誉毀損です! 」

「王様なら堂々と最後まで聞いて、それできっぱり否定したらぁ? だってやってないんでしょ? 」

 畳み掛けるのはもちろんレベッカ。彼女も萌木色のドレスに身を包み、華やかな空気を纏っている。

 怖い女二人に睨まれて動けなくなるエドワード。

「それに私は気になりますけどね。イリアさんのお話」

「ええミラン先生、私もですわ。皆さんもそう思いません? 」

 レベッカが演技がかったように言うと、周りの貴族たちも同意したように頷く。まあそりゃあこんな面白い見世物はないだろう。
 それに他国にとってはリセンティア王国を貶める格好のネタにもなる。

 国王だけが苦虫を噛み潰したような顔で自分の息子の行く末を見ていた。

 黙りコクったエドワードを確認した私は……。

 今だ! スイッチオン!

『……それでこの毒をお姉様のタンスに入れとけば良いのね』

『ああそうだ。それでお前の食事にも一滴毒を足らす。これでイリアがお前の毒殺を企てたように見せることが出来るだろう』

『毒なんて……私怖いわ』

『大丈夫。ほんの1滴ぐらいなら少し舌が痺れるぐらいだ。これも僕たちが結ばれるためだ、分かって欲しい』

『もちろん分かってるわ。貴方のためなら私、何だって捧げます』

 いやああああああとエミリアが狂ったように叫び、その後がっくりと膝をつき、声にならない笑みを浮かべていた。
 まるで壊れたマリオネットみたいで、ぞっとする。

「何だと!? じゃああの毒殺は……」

 横で控えていたお父様が思わず大声をあげた。驚きのあまり呆然としていた彼だったが、ようやく気を取り戻したのだろう。

「エミリアの自演ですわ、お父様。まあ貴方は信じてくれませんでしたけどね」

 押し黙る。

「娘のことを信じられない人が私のお父様だなんて恥ずかしいですわ……」

 うなだれるお父様。ふふん良い気味。

 で、今はお父様のことなどどうでもいい。そして私は二人をちらりと見る。

 エドワードもエミリアも言い返す気力も残っていないようだ。

 あら、まだ観念するのは早いですよお二人とも。とっておきは最後まで残しておく主義なのだ。

 しかし不意にポツリとエドワードが呟く。

「……だ」

「え? 」

「僕が全てやったんだ! エミリアは悪くない! 」

 大袈裟な身ぶり手振りを交えて声を荒げるエドワード。ここまで来てエミリアを庇うとは何たる愛の力。

「エドワード……」

 否定はしないエミリア。

「僕がどうしてもエミリアと一緒になりたくて……それでこの話を持ちかけた。彼女は何も悪くない! 全部僕の責任だ! 」

 それならば、こちらも敬意を表さなければやるまい。

 私はミラン先生の証言を録音したテープを再生する。
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