荒れた大地にはただ進化できなかった私がいる。

彼方千夏

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街への道程

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私は小さい頃夢見た事があった。
それはみんなの憧れの存在になって世界から誰にでも愛されるんだって、でもそんな夢はやがて違う形で叶うことになった。
 私が12歳になって半年が経ったあるとき、国からの要請で私は軍に連れ去られ、戦争に繰り出された。国にとって私は特別なんだと私には他の人には無い才能があるのだと言われ私は半信半疑ながらも国の為、皆の為なら私はやるしか無い。ここでやらなければどうすると最終的には正義感に駆られ戦争に加担することに決意した。それがたとえ誰かを殺す事だとしても。 
私は小さいながら胸に手を当てそんな意思を強く抱いた。
その意味も深くは考えずに、、、


「はぁー、今日も収穫なしか。」
旅の途中に見つけたガラクタの山の中をキャディはゴーグルで探知しつつ溜息をつき困り果てていた。
「そんなとこで何をしているんですか?」
 ふと後ろから男の人が話をかけてきた。そりゃガラクタの山で1時間近くもウロウロしてたら誰かが怪しむのも仕方ないかと思い、事情を話すことにした。
「私は旅をしているものなのですが。ここ最近食糧や金属が手に入らなくて困っていまして、、」
男は私の事情を聞くとなるほどと頷き、地図を取り出し渡してくれた。
「この地図から見て東北の方にデビュタウンという街があるのでそちらに行ってみてはどうでしょう。」
ありがとうございます。と私が応えると男は軽く頷き去っていった。
 国の多くは”災害“で崩壊したが男が教えてくれたデビュタウンはその中でも生き残ったのか復興したのか、どちらにしろとても美味しい情報なのは間違いないだろう。そんな情報をありがたく思いつつ空を見上げてみると茜色に染まって夕暮れを迎えていた
「今日はここの近くで寝床を作って明日の朝デビュタウンへ出発としようか。」
明日の朝に出発する事を決め、キャリーバッグからカプセル型寝袋を取り出して、地面に投げ瞬時に寝袋を作ってみせた
「やっぱカプセル型は速くて助かるね。」
キャディは自分のアイテムを誇らしげに思いながら寝袋に入ろうとしたがまだ眠りにつくには速いと思い、キャリーバッグに入っている残り少ない非常食を食べることにした。と言ってもこの非常食は大戦時に軍が食べていたという栄養のみ重視したものなので味はあまり良くない
「これ、やっぱあんま美味しくないんだよね。でもこれもデビュタウンに行けば解決するか。」
そうキャディは非常食の残りを口にしながら先程貰った地図を確認していると完全に日が暮れていた。ゴーグルで時間を確認してみるともうすぐで19時を超えていた。
「非常食も食べたし良い時間だね。そろそろ寝ようか。」
そう思いキャディはあくびをしながらゴーグルを外しキャリーバッグとコードを繋げ充電を出来ているのを確認すると、用意しておいた寝袋に入り眠りについた。


 翌日、早朝5時にゴーグルのアラームが起動したのと同時にキャディは目を覚ました
「ん~起きたぁ。やっぱこの時間に起きるのはちょっと速いかな」
キャディは朝日を浴びながら気だるげに蹴伸びをしてその片手間に寝袋をカプセル化させキャリーバッグにしまい、充電しておいたゴーグルを装着してキャディは身支度を終わらせた事を確認してデビュタウンへと足を進めた。
デビュタウンへの道のりを改めて地図で見てみると徒歩だと片道は2日ほどかかりそうな距離があった。
「意外と時間かかるなぁ、これはデビュタウンついたら宿で即寝かな。」
少し残念に苦笑いしつつ久しぶりの街なのでワクワクする面もあり、やはりキャディは楽しみにしているのか少し笑顔を浮かべていた。
「バイクでもあればなぁ。今の時代ハイテク乗り物一つ持ってないとは私としたことが、、」
そんなことを思いながら歩いていると気付いたときには日が完全に昇っていた。
「流石にお腹が空いてきたな。でも非常食は残り一つだからなぁ、、まぁお腹が空いてはなんとやらだ。食べよう」
キャディはキャリーバッグから残り一つの非常食を苦渋の決断で食べることにした。もぐもぐと非常食を食べていると前から3台のバイクが向かってきた。乗っている人柄は少し悪びれていてそのまま野蛮な男達のオーラが出ていた。するとその野蛮な男達はキャディを囲むようにバイクを停めた。
「おいガキ、良いキャリーなバッグ持ってんじゃん」「持ってんじゃん」「じゃん」
一人の野蛮な男が言葉を放つともう2人はそれに続き言葉を追うように放った。
 正直私はいきなり芸でも披露されたのかとそう思うほど間抜けな言葉の追い方だった。そのせいか私は少しニヤけてしまった。
「おいガキ、何ニヤけてんだよ!ナメてんのかおら」「ナメてんのかおら」「おら」
野蛮な男達は私のニヤケ顔に苛立ちを覚えてしまったのか腕を捲りそれぞれ腕が変化した。
「おやおや、ほんとに野蛮な人たちだね。それがあんたらの”進化“の力かな」
「そーだよ、びびったかガキ」「びびったかガキ」「ガキ」
野蛮な男達は一人は腕を伸ばしており、また一人は腕を固くして岩を砕いたり、そして最後の一人は炎を腕に纏いこちらに脅しをかけていた。
「おいノーム、ガキのキャリーバッグ取れ」「りょーかい」
腕を伸ばす男はノームという名前らしい。キャディはお前まともに返事できるんかいと心のなかでツッコミを入れつつ少女は戦闘体制に入った。
ノームは指示通りキャディのキャリーバッグにまで手を伸ばし手に取り持っていこうと手を掛けていた。だが次の瞬間、いつの間にかノームの手首から先が見事に切り落とされ地面に落ちていた。ノームがキャディの手元に目をやるとナイフが握られていた。
「痛ッッッッッッッッタァァァァ!!!」
ノームは地面に倒れ込み激痛を感じ叫んだ、やがて気絶したのか静かになった。
「ちっ、ノームのやつガキ程度にしくじりやがって、ガームあのガキやっちまえ」「りょー。」
腕を固くする男、ガームが此方へ向かってくる。身体からみて喧嘩慣れしているのだろう、先程のノームと比べ手ごわそうだ。とキャディは警戒しながらナイフを構えた。
「ガキ、”進化“使わねぇとはナメられたもんだな」
「いや私は使えないだけだよ。」
キャディはそう応えると攻撃へと動きを転じた。キャディは身体を低くし突進した、だがガームは腕が固いのを利点に直接キャディのナイフに殴りつけ、ナイフを砕いた。
「なかなか固いねぇ、私のナイフが砕かれちゃった」
「だろう、これは自慢の力だからな。武器を失くしちまったお前は終わりだな」
ガームがそう言うと相手が武器を無くしたからなのか大胆に踵落としをキャディに繰り出した。
「決まったな」
ガームの踵落としは地面を抉り砂煙を激しくたてた。地面はまるで巨象の足跡と思うほどに歪んでいた。だがキャディの姿はそこには無かった。
「ど、どこ行きやがった」「後ろだバカヤロ!」
「正ー解!」
キャディはガームの首に腕を巻きゴキッと鈍い音を鳴らした。ガームは曲がるはずのない方向に首が曲がり地面にひれ伏した。
「ちっ、ただのガキじゃねぇみたいだな。俺はファーム。お前は」
「私はキャディ。あとはあんただけだねファームさん」
キャディの名前を聞くとファームは攻撃の態勢に入りキャディに両手を構えた。
「燃えちまえ」
その言葉と同時にファームの両手から火炎が放たれキャディに襲いかかった。
「じゃあ私はこれをお見舞いしてあげる。」
キャディは火炎を避けつつ手に持っているキャリーバッグの側面のボタンを押した。するとキャリーバッグはマシンガンに変形していた。
「何だそれそんなものとも燃やしてやるよ。」
ファームはまた新たに火力を上げ火炎をキャディに放った。
「さぁ喰らいな。連射だよ」
ダダダダダダダダダダッとキャディは火炎に向けてマシンガンを連射した。やがて連射していると火炎が収まり、そこにはマシンガンの連射で蜂の巣にされた無様な姿になったファームが倒れていた。
「やりすぎたかな。弾も使いすぎたし金属を早く入手しないとね」
 キャディはマシンガンのマガジンを確認してからキャリーバッグに変形させそんなことを呟いた。
「あ、バイク貰うね。まぁ返事ないだろうけどね」
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