凌辱カキコ

島村春穂

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凋落

四/三

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 蒼甫は、ここぞとばかり腰を振る。最初、臨床器具を動かす手が驚き、腹部に当たる力が心持ち弱まったが、多馬田臨床検査技師からのお声掛けからは不審な態度というのはどこにもない。これに気をよくする蒼甫から、熱っぽい吐息がでる。ごくりと一つ、生唾を呑むのが聞こえる。これは蒼甫からではない。あの多馬田臨床検査技師からだ。


 臨床器具を持つ手がやんわりとひらく。その隙間へ、肉冠の先っぽを入れようと蒼甫が試みる。すると、まるで協力でもするかのように、やんわりとひらいていた手が明けっ広げに空洞を作った。


 横向きの姿勢にあったベッド側の足をちょいとなし崩し、腰をかくかく振っているうち、先っぽが見事に空洞へと刺さった。だがまだ幾分か浅い。手の平が織りなす空洞に肉冠を丸ごと収めるべく、つとめてさりげなく態勢をややずらし、あれこれ工夫している最中、ぐぐぐ、ぐぐぐぐっと肉径を確実に運び、押し込み押し込み、結果、親指のある奥のほうまでずしりと入っていった。


 臨床を続ける傍ら、蒼甫は息を止め止め、ふんふんふんふん、と鼻さきを詰まらせ、腰を前後させて振りまくる。空洞は人肌でちょうどよくぬくい。我慢汁でほどよく粘るから感触もよい。ベッドがよく軋み、多馬田臨床検査技師の洟息が乱れていることにまで気づくのには、彼女が湿った咳払いを、二、三立て、「もう一度仰向けになってください」と言われるちょっと前のことである。


 いざ仰向けになってみると、検診衣パンツから食み出たのは肉径だけではなく、睾丸にも及び、なんと陰毛が繁茂した様まで、つまり下腹部の全容が露出していた。多馬田臨床検査技師がこれを一瞥したのは言うまでもない。だが、言葉はなく、無言のままを貫く。蒼甫は、多馬田臨床検査技師をガンミしている。やがてお互いの目がかち合う。わずかコンマ数秒ほどで、あの多馬田臨床検査技師のほうから視線を逸らした。


「おおきく息を吸ってください」
 と、臨床検査技師の顔色こそ保ってはいるものの、この状況をなんら注意できない彼女を見、蒼甫がバレない程度にほくそ笑んだ。


 下腹部を諸だしたまま臨床は続く。


 ベッドで安閑と仰臥する蒼甫は、両足の裏をくっつき合わせ放埓な態勢でリラックスした。やはり、この多馬田臨床検査技師は注意をしない。いや、できない。「息をおおきく吸ってください」「ゆっくり吐いてください」と機械的に言うばかりである。


「ちょっと」
 ――と、唐突に蒼甫が声を掛けた。「は、はいっ……」とすかさず返事がきた。これを見、折り紙つきの確信を得て、些か意地悪そうに、蒼甫は一拍も二拍も、いや、もっとあからさまに間を置いた。「……どど、どうしましたか……」とつとつと、どもる多馬田臨床検査技師。


「あのよぉ」


「はっ、はい……」
 と、返事したっきり、多馬田臨床検査技師は固まっている。


 蒼甫はまだ焦らして本当を話さない。何か言いたそうな多馬田臨床検査技師から、言葉のきっかけが色々上がるが、どれもこれもどもってしまい、狼狽えていることだけが明白であった。


「……器具がよぉ」


「はっ……、はい?……」


「器具がよぉ、擦れて痛い」
 あれほど勿体ぶってようやく口に出たのがこれである。


 多馬田臨床検査技師は一瞬呆気に取られ、思い出したかのように、「……ジェ、ジェルを足しますね」と言い、慌ててジェルをつけた指さきで蒼甫の腹部を濡らしていく。多馬田臨床検査技師の仕草から媚びついている態度は隠しようもなく、「別のこと考えてたんじゃねえのか」と物凄く小声で呟く蒼甫に対し、また返事がどもり、やっとこさ声音を整え、慎重かつ堅実に、「……もう少しで終わりますからねぇ」と、臨床検査技師としての最後のプライドを見せた。そのプライドによほど興奮でもしたのか、「おう」と、蒼甫は横柄な返事をしたばかりではなく、そのあと屹立した肉径をビクン、ビクンと上下させてみせた。


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