いまそこにある媚肉

島村春穂

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いびつなラヴ

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「……もうやめよう。ほんとうにお願い……」
 ふり絞る哀願は無視され、片乳ずつまさぐられ、ぐいとさげられたブラジャーの上に載っからされた。


 ぼろん、と大ぶりの胸は外にひらいて突き出た。双乳のあいだがあいていて、八の字にたわむしずく型のおっぱいだ。芸術的に卑猥な形だ。そして、見事な迫力と申し分のないボリュームである。


「ああ……だいすき。このひょうたんおっぱい」
 と、ひとりゴチて、手の平にあつめた双乳をさっそく握り締める。マシュマロのような柔らかさだ。


 脱がせてみなければ、女の裸は分からないものである。貴子は、実に品のあるその顔のわりに、すごい卑猥な乳首をしていた。乙女のように雪白な肌とは対照的に、乳頭が太く、そして貫禄があった。


 しずく型のおおきさを別にしても、やや乳暈がおおきい。雪白の柔肌から、一段と小高く盛りあがり、年輪を思わせる沈殿した深い褐色が妙に男心を煽ってくる。


 匠は、実にいじわるそうに、乳首と、貴子の顔とをしげしげと見較べた。その仕草に感じるところがあるのか、貴子は腕のなかで身じろいだ。


「ああぁ……」
 やりきれなそうに、貴子がうつむく。言い逃れできないような、Mっぽい乳頭が―、充血し、シコりきったその先端が、フルフルと物欲しそうに息づいている。


「うううぅ……」
 しかも、呪わしいほど、貴子の躰は敏感であった。


 ほんの少し、ちょっと乳頭のさきを指で弾かれただけで、酔っ払ったように目もとが妖しくなっていった。


 ほんとうなら、ところかまわず、一郎とこうして抱き合うつもりだった。その旦那が単身赴任。一郎とはセックスレス。新婚で女盛りの貴子にとって、むごい仕打ちであった。


 手の平が、たわむ乳房を持ちあげる。乳頭を、指と指で挟みこむようにしてだ。さっきとおなじように悩ましい谷間を楽しまれながら、捏ねられていく。そうやって揉まれていくうち、乳頭が瞬く間に固く、よりふてぶてしく尖った。


 乳暈や乳頭の色味も強くなってきたように思える。匠の媚態に満ちた手汗だけのせいじゃない。


 しきりに下唇をさげて嫌がりつつも、母親らしからぬ悩ましく濡れた吐息が、かすかではあったが洩れだしていた。


 量感のある胸を包んだままの指さきが、トントンと乳頭を小突いた。


「だめ……よぉ……」
 いやよ、いやよ、とかぶりを振って、貴子が、かいがいしいところを見せる。


 親指と人差し指に抓まれた乳頭は、ぐんと色香を滲ませ、貴子の言い訳さえ奪っていく。


 息子の好きに玩ばれていくうちに、ブラジャーが双乳の下にもぐりこんだ。その支えを失くしてしまうと、しずく型の豊乳がその量感に耐え切れなくなってしまい、どすん、とたゆんだ。


 匠は、そのたゆんだ大ぶりの乳が大好きらしく、寄せあつめながら持ちあげては、どすん、と落とし、また持ちあげては、どすん、とたゆませた。


「ああぁ……ああぁ……」
 まるで瘧にかかったように、匠がうめいている。言い尽くせない安堵感に、口を失くしたみたいだった。



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