いまそこにある媚肉

島村春穂

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麗しき継母の膝枕はASMR……

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 いっそ逝ってしまったことを咎められたほうが、まだマシだった。匠は素知らぬふりをして、ダンマリを決めこんだ。


 ローションを手に平にとったまま、少し罰が悪そうにして、貴子はいまだ身動きができずにいた。かといって、伏せた目を匠に向けられずにもいる。なにか言いたげな口もとが次々と言葉を呑んで、生唾を嚥下するばかりだ。


 思いついたかのように、貴子から咳払いがでた。ローションをこぼさないように手の平を見遣りながら、匠の下腹部に腕が伸びたそのときであった。


「ないか言いなよ」
 反射的に、えっ!? っと、いままで伏せていた視線が、匠のほうを向いた。


「……えっ…っ…あの……」
 と、しどろもどろになるウブな継母ぶりに向かって、匠が調子づいて言う。


「お願いして欲しいな」


「……なんて……言えばいいの…っ……」


「自分の言葉で。ちゃんと考えて。小娘じゃないんだし」
 と、まるで少年が言うセリフではなかった。一瞬の空白のあと、言葉をいくらか詰まらせながら、


「……手コキ……で…ご奉仕させて…いただきます…っ……」
 と、ヘンテコなイントネーションで、貴子がやっと呟いた。


 おそらく、このようなことを言ったのはこれが初めてだったろうし、これから起こることに期待と不安とが入り混じった媚態が垣間見えた。


 匠は、よし、とばかりに一度ゆっくりと目を閉じてから、顎をしゃくって許しをだした。


「……ありがとう…ございます…っ……」
 とてもよくできた隷属ぶりであった。


 ねじくれた樹木の幹によく似た男のお道具に、ローション塗れの細くて柔らかそうな継母の手の平が包み込んだ。


「ローション、ぜんぜん冷たくないね……」
 と、匠が下から見上げてきてからかった。


 自らの汗みどろの躰を思い出させられ、貴子がひどく羞じらった。


 耳を覆いたくなるような恥音が、ねじくれた肉幹の樹木から、にちにちっと粘っていった。いま匠にからかわれたように、ローションでベタついた手の平から熱気でもでているかのように、肉頭も肉幹もなにもかもが熱かった。


 剥けたばかりの包皮のさきが、やや腫れぼったい輪重となっていて鬼頭の溝でたわめている。粘っこい手の平で肉悍をシゴいていると、ときおり、その包皮のさきが鬼頭に被ったり、また、ずり下がったりもした。


 海綿体に、いったいどれほどの熱い血汐が溜まっているのであろうか。昨夜あれだけ固く、過保護なほどにきつかった包皮のさきが、いまこれだけ引き伸ばされているのであるから、そうとうなものだ。


 ローションで、肉冠の頭さきが不気味なくらい紫紅色に照り輝いている。


 貴子はすっかり心を奪われたように、ただ一点にこのを眺め、眦を細めてうっとりするのであった。


 親指と人差し指で輪ゴムのように形どり、腫れぼったい包皮のさきを押し下げてやってから、鬼頭の溝をぐっと挟みこむ。こうしながら、マツタケのように周囲に張り出された笠を上下に小刻みにシゴき立ててやる。輪ゴムのように形作った指を伝って、くちゅくちゅと扱くたびに肉笠が引っ掛かるのがよおく分かる。


 やがて粘っこい恥音が溜まっていく。まるで口のなかでおコメでも咀嚼するかのように、とてもお行儀の悪い、すごい破廉恥な音であった。


 手練手管のさすがの熟女の指技に、あの表立って感情を顔にださない匠が、たまらず腰を引いた。粘っこい恥音に混じって、ときおり、小さくうめき立てた。


 吐息を振るえさせていたのは、奉仕を強要された貴子も一緒であった。夢中で愛撫する傍ら、ゴクリと生唾まで嚥下する。はんびらいた朱唇から、ときおり、舌先を覗かせたりもしたし、肩を弾ませるほど、どうしようもなく高まってきていた。


 満面なくローションでコーティングされ、鬼頭がてろんてろんに艶光っている。貴子は、人差し指を鰓ばった肉冠の溝に巻き付けたまま、親指を使って、クニクニと肉頭に円を描いて撫でまわした。


 ローションに混じって、ぬめ白いあぶくが粘ってきた。匠の我慢汁だ。


 息子は、口もとを真一文字に喰いしばって愉悦に堪えている。いくら強がってみせても、まだ少年らしさを残しているようだ。


 痛がるように腰を引いて、少しでも長くこの快楽を貪ろうとする健気な息子を、どこか慈しむかのように、継母の眦が次第に細まっていく。


 貴子は、ローションを手の平につぎ足して、いまや破裂しそうなくらいパンパンになって漲る肉頭ぜんぶを、びったびたに濡らしてやった。


 匠はたいへん気持よがって、足裏と足裏をくっつけるようにして股ぐらを開いた。やはり根っからのスケベだ。


 手の平のなかで肉悍が熱く脈動してきている。ストローのような血管が亀裂のように浮きでてきた。そして、目が沁みてきてしまいそうなほど、蒸れきっている。


「うっ…っ…ああっ……」
 あの匠から、ついに弱音がでた。


 そのよがり方も貴子にどこか似ていて、下唇をさげて、きつく眉間に皺を寄せる。その様子を見るなり、継母の貴子は、初めてといっていいくらいに、村越宅にやって来たことを肯定できた気がしていた。



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