蒼炎の魔法使い

山野

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第四十九話 ゼロ距離で伝わる遠距離

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「それは…」

レデリが重い口を開いた

「これはただのわがまま、私が決着をつけたいの」
レデリの表情は真剣だ

「何か理由があるのか?」
俺はブライケルを警戒しながら話を続ける

「そこの男は…私のお父さんとお母さんの核を持ってる」
レデリがブライケルの持ってる綺麗な宝石が二つ埋まった長い杖に指を差した

「あ、これですか? 貴方達の集落を襲った時に手にいれましてね、今では愛用品ですよ。 ふぇふぇふぇ」
杖をクルクルと回し笑うブライケルの笑いは事情に癇に障る笑い方だ

「だからお願い…」
気持ちはわかるのだけど…

「でもレデリはそんなに戦闘向きじゃないはずだ」
彼女は本来薬師だ、戦いには不向き

「大丈夫の私は薬で本来のステータスの十倍の能力値、薬が切れた時は暫くベッドから出れないけどね…」
十倍?! 何そのチート薬! ここに来るまでに積み上げられて死体はレデリがやったのか… 

「…わかった… ただ危ないと判断したら強引にでもやめさせるからな」

「ありがとう兄さん」
レデリは立ち上がり再びブライケルへと向き直る

「お話は終わりましたか? 流石に連戦は辛いのでね、お友達を呼ばせてもらいますよ。 降臨術【憑依】」
ブライケルの固有魔術であろう物が発動するとレデリが倒した人間がゆっくりと立ち上がる

「行きなさい!」
ブライケルが杖をレデリの方に向けると、多数の死体がレデリに向かって襲い掛かってきた

「 ※※※※   ※※※※   ※※※※  結晶魔術【ダイヤモンドランス】」
いつも比ではない大きさと本数で高速回転しながら物凄い速さで向かってくる敵に突き刺さり、あまりの威力に上半身が吹き飛んだ

「これは本気でやらないとですか。 降臨術【二体憑依・ミロ・ファルダ】」
ブライケルの体に半透明な男と女が吸い込まれて行くとブライケルの魔素量が爆発的に上がる

「 お父さんとお母さんを取り戻す! ※※※※   ※※※※   ※※※※ 結晶魔術【ダイヤモンドランス】」
先程と同じ様に普段よりも威力が何倍にも増した魔術が飛んでいく

「結晶硬化」
ブライケルの声を合言葉に手に持った長い杖の宝石の一つが輝き、両手で風が巻き起こる程の速さで回転させ全て弾き落としてしまう。

「ハァ!」
男が一気に距離を詰めレデリを結晶硬化した杖でレデリの頭を突いた!

突いた所からレデリの形をしていた物が破砕音と共にガラスの様に粉々に砕け散る

「ここだぁ!」
レデリの輝く剣がブライケルの後ろから迫った!

重く鈍い打撃音が轟く

「ブハァ」
衝撃で吹っ飛び、ぽたぽたと床に口から出た血が流れ落ちる

「レデリ!」

ダメージを受けたのは、ブライケルの後ろに向かって杖を突き出す攻撃を腹に直撃したレデリ方だ。
結晶魔術で作った軽鎧を着てなければ貫かれていただろう

「結晶魔術で偽物を作って、魔術で姿を消し、背後に移動しての奇襲攻撃。 貴方達輝人の常套手段ですよね?  知らないとでも思いましたか? 」
ブライケルがニヤニヤと杖を弄びながら腹を抱えるレデリに言い放った

「終わりですよ」
ブライケルが地面を蹴り猛突進

すでにバフは掛け、晶刀も準備済みだが更に【電光石火】【魔力循環加速クイックサイクル

新たに身につけた時魔法、魔力の循環に掛かる時間を早くすることによって俊敏性をより上げる事が出来る。  

激しい突きを間一髪の所で二本の晶刀で受け止めた。衝撃波でレデリの髪がなびく

「やっと出てきましたか。  ふぇふぇふぇ」
ブライケルはニタニタと笑い距離を取った

「レデリ大丈夫か?  もう下がれ」
へたり込んだレデリに優しく話しかける

「でも…」

「たまには兄を頼ってもいいんじゃない?」

「私は兄さんの妹でいる資格はないよ…  沢山関係ない人まで殺した…」
何やら落ち込んでいるみたいだ

「俺の妹になる必要条件は可愛い事だ!」
マンガならドン!と言う効果音が付いてるだろう。
ふっキマったぜ!

「…兄さんは本当に兄さんですね」
いつもの冷たい目で呆れ返った表情だ

「その蔑む全般の意味で兄さんって使うのやめない?」

「無理!」
調子が戻ってきた

「ま、まぁとにかく可愛いは正義なんだよ!  何したって許される。  誰も許さなくても俺だけは許す、誰も守ってくれなくても俺が守る!  可愛い妹をもった兄の責任だ。  だからここは兄ちゃん華持たしてくれよ」

レデリの頭にそっと手を置いた

「…わかった、意地張ってごめんね」
何急に素直な可愛いさ出してんだよ、兄ちゃんドキッとしちゃうじゃん!

「あぁ、ゆっくりしてろ」
俺は目の前の敵をしっかりと見据えた

「ふぇふぇふぇ終わりましたか?」

「終わるまで待っててくれるなんて結構いいやつなのか?」

「これでも優しいとよく言われるんですよ?」

「そうかよ、蒼炎魔法【蒼炎弾】」
あいさつ代わりに使い慣れた魔法を打つ

「 ※※※※   ※※※※   ※※※※ 結界魔術【吸収結界】」
結界の中俺の魔法が吸い込まれた

「魔術も使えるのか」

「というよりも降臨術で降ろしてるんですよ、一人はかつて名をはせた棒術の達人、もう一人も名のある魔術師の冒険者」

「それってずるくないか?」

「貴方だって剣と魔術を使うじゃないですか、しかも二刀流。 手数は貴方の方が多いのでは?」

「はいはいそうですねー『エメ行くぞ』」

『オッケーだよ!』

「結晶樹魔法【ダンシングリーフ】」
ショウの周りに結晶で硬化された鋭い紅葉が、そしてブライケルの周りには楓の葉がひらひらと舞い部屋一面に秋の気配が漂う

「綺麗ですね、とても戦う為に作り出された物とは思えません」

「そうですかい。樹多晶刀嘯風弄月流…【秋宵】」

ブライケルの周りに漂う楓がブライケルの視界を奪う、そして視界が戻った時にはショウは後ろ!
わずかな音しか鳴らない神速の二刀でブライケルを狙う!

ガキン! ブライケルは瞬時に振り返り二刀を受け止めた
「その技はエグバードから聞いてますよ、甘いですね」
ブライケルがニヤリと笑う

俺もニヤリと笑った
「悪いな、俺は二刀流じゃなくて多刀流なんだ」

硬化された紅葉が鍔迫り合いしているブライケルの背中にいくつも突き刺さり深くめり込み、口から血を流す

「 ※※※※   ※※※※   ※※※※ 結界魔術【四点結界】」
「 ※※※※   ※※※※   ※※※※ 火魔術【エクスプロージョン】」

時計仕掛けのクロックワーク魔法マジック【雷狼】」

ブライケルの持つ杖の宝石が輝き一秒も満たない時間で詠唱を終えると、ショウを中心に三つ、頭の上に一つの光が灯り線で繋がれ結果が完成されるとその中で激しい大爆発が起こる

それと同時にルチルの元の姿を模した雷で出来た狼の牙がブライケルに直撃

結界が割れる音と共に爆風で至近距離に居たブライケルも壁の方に激しく吹っ飛んだ

「ケホッケホッ! 兄さん!」
爆煙の中レデリが安否を気遣い呼びかける

「…レデリ…大体そうやって名前を呼ぶ時は無事なパターンが多いんだ…」
爆煙の中に人影が見えた

「…嘘…」
立ち込めた煙が晴れて見えた来た余りの光景に手で口を覆ってしまう

元から張ってあった【結晶魔法障壁】でかなり防いだが大爆発が直撃だ、いくらショウと言えどもただでは済まない。

「兄さん… 右腕と両足が……いやぁぁああ!!」

「レデリ…これからはお前が俺の手足となってくれるか?」

「そんな…私のせいで… 初めから頼って一緒に戦っていれば… そんな…」

「………と思うじゃん?【リカバリー】」
ショウがそう唱え終わると手足がにょきにょきと生えて来た

「………ゴミ。」

『お兄ちゃん流石にそれはゴミ』
俺もちょっと反省はしてるんだよ? 原稿用紙一枚分位ならすぐかけるよ?

「な、なぁそんなに怒るなよ… って俺も昔フララにこんなような事されて怒ったわ」
レデリが可愛くプイッと顔をそむけた

「兄さんなんて無事に生き残っても右腕と両足切り落としてさっきの状態にしてやる!」
それは事件だよ! やめろ!

「手足を吹き飛ばしたのにもう再生ですか? なんというか困った人ですね。 ふぇふぇふぇ」
雷の狼の牙に貫かれ爆風で吹っ飛んだブライケルが、元気そうな声でパラパラと壊れた壁の破片を払いながら話しかけて来た、まぁわかっちゃいたがな

回復にかなり魔力持って行かれた

「お前こそ結構傷深かったはずだけど?」

「そうでしたか? 忘れましたね」
あいつも白魔術で治したんだな、初めての自分と同じ魔法剣士タイプだ実にやりにくい

「お互いに一撃で殺すしかないですね?降臨術【三体憑依・ルド】」

「ああそうだな【エレクトロ】【電光石火】【魔力循環加速クイックサイクル】」

ブライケルに半透明な男が入り込み、俺の周りには放電現象が起こりバチバチと音を立てる。

お互い距離は射程圏内… お互いに目を合わせてそらさない…

刹那

目で終えな程の速さで二人の武器がぶつかり剣戟の声が部屋を満たす

幾度も火花が散りお互いに相手のスキを伺う。

「雷二刀嘯風弄月流…【雷雲】」
「水龍棒術【流水】」

こちらが神速の剣で何度も切りつけるが、軽やかな杖裁きで全て受け流されてしまう、先程とは杖の扱い方が違うので先程憑依した物の技だろう

距離を取り魔法を放てば相手も魔術で応戦、近づいてもわずかな傷はつけれるが一撃で仕留めないとお互いに再生するという懸念があるのでいまいち一歩踏み込めないでいた。

部屋中に魔術や魔法の炸裂音や武器の衝突音が轟きその衝撃で分厚い窓が今にも壊れてしまいそうな程だった。

何度もぶつかり合う近距離攻撃や遠距離攻撃の中で、ショウはブライケルの動きが少ない事に気付く

もしかするとあれは行けるか?

ショウは縦横無尽にへやじゅうを駆けまわり攻撃を繰り出す

「ずいぶんとちょこまかしますね?」
ショウは瞬足で移動しながら、常に死角になるような場所から攻撃していた。 

「それが俺の戦い方なんでなっ!」
ブライケルが受け止め応戦。 それをかわし、瞬足移動しては次の攻撃と何度か繰り返した。

「スタミナが切れるんじゃないですか?」

「まぁな、でもその前に…」
キラリと何かが輝いく

「な、何?! ぐぐぐ、動けないだと?! 何故だ?!」
ショウが何かを引っ張った途端、ブライケルが不可視の何かによって縛られた様に身動きが取れなくなっていた

「これは【魔糸】って言って目には見えない位細いが頑丈なんだ」

「貴方はこれを仕込むために駆けずり回っていたという事ですか、ですが…」
ここがチャンス! ブライケルが何かしようとするが絶対に逃がさん!

「『結晶樹魔法【麻痺螺旋荊棘】』【バインド】」
結晶でコーティングされた荊棘が、螺旋を描きながらブライケルの体に巻き付くと、麻痺の毒と共に深々と体に刺さり血が流れ出る、仕上は【バインド】。 今日の俺は絶対に逃がさないマンなのだ

「ぬぅ… どうやらここまでのようですか…」
痺れ毒が効いてきたようだ

「悪いな 【ライトニング】」
糸を伝ってブライケルに高圧電流が流れ煙が上がる

「ぐあぁ!はぁ…はぁ… いえ、自業自得でしょう」
何処か満足したような顔に見えるのは気のせいだろうか?

俺は刀を構えた。
「蒼炎晶二刀嘯風弄月流【鬼火】」
二刀流の居合でブライケルが為す術もなく体を三等分され、全身を蒼い炎が包む

切られた隙間から見覚えのあるペンダントが転がって来た

………これはストフのペンダントに似てる? 

中を開いてみると全く同じ花の模様が刻んであった

「…こ、これは…お前…」
俺は蒼い炎に包まれたブライケルをみた

「ふぇふぇふぇ…わ…私はただのスリの…元締めですよ…」
確かに金払ってスリしてるって言ってたな… 

「…なぁお前もしかして…」

「それ以上は…やめて下さい… 私はいない方が…」
その先は聞くのを止めた。 こいつにも考えがあったんだろう

「…なぁお前何で死ぬ間際なのに満たされた顔してるんだ?」
男の顔はとても満足げだった。 自分の人生にまるで後悔がなかったかのように

「ふぇふぇふぇ、それは貴方に倒されたからでしょうかね? はぁ…はぁ…後は… 頼みましたよ… ふぇふぇふぇ」
不気味な笑い声と共に蒼い炎に焼かれ彼は息を引き取った

「何が頼みましただよ… お前は俺達の敵だろ?」
ブライケルは敵だ。 なのにこのすっきりしない気持ちはなんだ。

俺はブライケルの指輪をペンダントの中に入れて、レデリの両親の核が埋まった杖と共に亜空間へしまう

「最後までしっかりと悪役やり切れよ… 普通異世界の悪役はスカッと倒されてなんぼだろ…」
最後に見た父親のような満たされた顔を思い出し、骨まで燃やし尽くされた灰に向かって思わず呟いく。

何ともすっきりしない終わり方でブライケルとの戦いは幕を引いた。

「レデリ大丈夫か?」
レデリは薬の効果が切れたのか力なく横たわっていた

「全身筋肉痛で動けないよ… 兄さんおんぶ」
何その両手を突き出してくる感じ! めちゃくそ可愛いんですけど! 兄ちゃん頑張っちゃう!

「こういう時だけ妹感出すなよな」

「そうだそうだ! 妹枠はエメの物!」
両手を腰に置いて主張する万の時を生きる大精霊様は心が狭いな、てかいつ沸いて出て来たし

「流石にこのままじゃまずいでしょ? 仕方がないからエメがお掃除しといてあげる」

「悪いな、レデリが辛そうだから家に先に帰るよ、ちなみにどうやって掃除するの?」

「聞きたい?」
エメが不敵に笑った

「いや、やめときます…」

「レデリおねーちゃんしっかり休むんだよー」

「ごめんね、ありがとう! 今度何か作ってあげるね」

「わーい、じゃあ行ってくるよー」
そういってエメはささっと行ってしまった

「よいしょ」
エメが行ったところで、レデリをおんぶする

「いた! もぉ! 優しくしてよ!」
文句言いながらしっかりと首に腕を回して来た

「俺が優しく出来るのは恋人以上からなんだよ」
俺に100%好意がないといつ手の平返しされてダメージ食らうかわかったもんじゃないかならな!

「ひどいなぁ兄さんは」
レデリの程よいサイズの胸が背中に当たりとても心地いい

「気付いてないと思ってるの?」
彼女が耳元にぐっと近づいた時にチェリーの香りにスズランやアンバーが混じったような爽やかな香りが鼻孔を刺激する。 実に彼女らしい香りだ

「思ってますせん」
きっと今彼女は一日置いた牛乳を噴いたぞうきんを匂った時の様な顔をしているのだろう

「ねぇ兄さん…」
俺の首に回した腕に力が入る

「私今日凄く人を殺した。 私達の村を襲った者達や、それに関係ない物達迄…」
罪悪感? はなさそうだ。 体は密着して距離なんてないのに、何でこんなに心は遠いんだろう?

「そうだな…」

「そんな私が… 優しい兄さんの妹で良いのかな? こんなに躊躇なく人を殺せる人間じゃない私が兄さんの妹でも…いいのかな…」
そんな優しい男でもないんだけどなぁ… 同じような事やってるし

「そうだなぁーじゃあお前流に考えてみろよ、俺の妹でいることが良いか悪いか、好きか嫌いか、損か得か」

「とても良いと思うし、好きだし、お得」

「お得っていうのはちょっと気になるけど、レデリはそうありたいって思ってくれてるんだよね?」

「うん」

「お前は俺のいちいち悩んだりするところが人間らしくて好きって言ったよな?」

「うん」

「お前も俺との距離感をずっと悩んでたんだろ? そんな事で悩むのって結構人間らしい事なんじゃないのか?」

「………」

「人間かどうかよりも、人間らしいかどうかのが大事なんじゃないか?」
生物学的上は人間ではないのかもしれない、でも俺にとっちゃレデリは人間だ

「………」

「なぁ今日みたいに今後無理しないでくれよ、お前には俺もいるし、ルーもフララもみんないる。 遠慮なく頼れよ寂しいじゃないか」

「やっぱり自分はみんなとは違うって感じちゃうんだよね…」
レデリは少し体を離し天井を見ながら足をバタバタさせている。 お前筋肉痛嘘だな?

「レデリが何だろうと生きてることには変わりないだろ? お前がただの宝石だっていうなら俺がお前の宝石箱になるよ」
くっせぇ! これは臭い! 牛乳拭いたぞうきん一週間は置いたわこれ

「…何それ? 口説いてるの? クサいしワードセンスないし最悪…」
俺も言ってて恥ずかしくなってます

「…でも…凄く嬉しいよ…」
レデリは腕を首に回しギュッと抱き着いて耳元で感謝を伝えた
押し当てて耳元で言うのやめて… 結構クルから

「あの男の事もごめんね。 兄さんに変なの背追わせちゃったみたいで…」

「いいよ、レデリと一緒だったから。 お前と一緒に背負ってやるさ。 だからもう一歩踏み込んでおいで、レデリの考えてる事なんて俺からしたらどうでもいい事だよ。」
俺は単純にこの子が大事だ。 それ以外に側にいて欲しい理由なんてない、お前の罪も咎も一緒に背負おう。 何が正しいかなんてどうでもいい、歪んでたっていい、今更だ。

「うん…ありがとう。 大好き」

「それは兄として?」

「勿論兄として」

耳元でそういうと肩に手を置きまた離れた

「…今この時だけはね…」

「ん? 何か言った?」

「…やっぱり兄さんは兄さんだね」

「お前の兄さんという言葉の意味についてじっくり語ろうじゃないか」

「やだよー」
足をぶらぶらさせて声も弾ませとても機嫌がよさそうだ

チャプチャプ血だまりを踏み鳴らし、レデリが積み上げた上半身がはじけ飛んでぐちゃぐちゃになった屍の中を仲良く笑いながら歩くその姿は、仲のいい兄弟そのもだった。

負ぶさっている妹の、決して作り物でない幸せそうな人間味あふれた表情を見なければの話しだが。
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