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一章 子供編
7話 こっちの姿
しおりを挟む今頑張って設定や話の展開を練っております。不明な点もいつかは解決するように考えていますので、応援していただけると嬉しいです( ´∀`)
○○◇○○◇○○◇○○
昨日は恥ずかしかった⋯⋯イリスがなんとも思っていなかったのもいたたまれなかった⋯⋯。まあ、それは置いといて人になった自分の姿をしっかり確認していなかったので、改めて脱衣所の鏡の前に立ってみた。
身長は前世と同じ位で、高校生の平均程だと思う。転生者あるある、『転生したら美少女&美少年だった』に則って、顔は前世の感覚からすると整っている。目は丸くて大きく、夕陽のような緋色だ。鼻も口も小さめで、まだあどけない感じがする。羽毛の色よりちょっと薄い色の髪は、肩より下、胸辺りまである。人でいう耳介の辺りには羽毛が生えていて、耳の穴を覆っている。これは鳥の耳と同じ構造になっている。
意識して背中から翼を出してみる。翼を出すと、尾てい骨の辺りから尾羽も一緒に出るようだ。翼の色は鳥の姿の時と変わりなく、自分の意思で開いたり閉じたりできる。芯が通ってピンと伸びている尾羽も、少しだけ動かすことができた。今はイリスの白いローブの背中側に大きく切り込みを入れた物を羽織っているため、翼も尾羽も苦しくはないが、普通の人が着るような服じゃ出すことができないな、と思った。
鏡の前でくるくるしていると、イリスが何やら服を持って脱衣所に入って来た。
「エメ、ここにいたか」
「イリス?それって、服?」
「あぁ。あり合わせだが、魔法をかけている。これは、鳥の姿になると別の場所へ収納され、人の姿になると自動的に身に着けられる」
「えぇっ!?なにそれすごい!」
なんと、この服はイリスが作ってくれたらしい。魔法を使って作った、とも言っていたが純粋にすごいと思う。というか、魔法って便利だな。早速、鏡を見ながら着てみた。恥ずかしいから、イリスには外に出てもらった。
上は、制服みたいな紺色のシャツに、白い襟とドレスみたいな半袖が付いている。襟には、緑色の丸い宝石が真ん中に大きく輝いている。背中に、縦に2つ切れ込みが入っていて、翼が出せるようだ。下は、同じ紺色の、まあるいシルエットの半ズボンで、膝上辺りでキュッと締まっている。こちらも、お尻の辺りに切れ込みが入っていて、尾羽が出せるようになっている。あとは、腰にマントのような物を巻くと、後ろを隠せるようで、切れ込みが見えなくで安心だ。白い膝下まである靴下と、茶色いロングブーツを履いて、全部着終わった。と思ったら、髪ゴムのような物もあったので、ハーフアップにして、右横に結んでみた。髪ゴムには、襟に付いていたのと同じ緑色の丸い宝石と、羽飾りが2つずつ付いていて、とても可愛らしい。鏡の中を見ると、ファンタジーな美少女が居た。
「うわぁ⋯⋯!私ってば、可愛すぎない?」
自分だけど自分じゃない顔。そして前世では一生着ないような服。こういうの憧れてたから、テンションが上がって来た。
「エメ、着終わったかー?」
「あ、うん!見て見てー!」
「⋯⋯うん、思った通り、良く似合っている」
「えへへー!」
褒められたので、テンションの上がっていた私はくるくる回った。
「よし。一旦鳥の姿になってくれ。魔法が機能するか見たい」
「どうやるの?」
「昨日と同じく、魔力で身体を覆い、鳥の姿を想像するだけでいい」
「分かったー」
魔力で身体をすっぽり覆い、鳥の姿を想像すると、元の鳥の姿になった。ただ、首元にさっき着ていた服に付いてた襟を巻いていた。襟の緑色の宝石が光っていて、少し経つと暗くなった。
「ぴぴっ?(なにこれ?)」
「着ていた服を、その石の中に仕舞えるように魔法をかけた。人の姿になると、元通り着られるぞ」
実際に見てみると、魔法の凄さを感じられる。これは益々魔法を使いたくなってくる⋯⋯! 私は人の姿になると、イリスに問いかけた。
「ねぇ、そろそろ魔法を教えて欲しい!もう魔力も動かせるし、出来るんじゃない?」
「ふむ、そうだな。いつかは教えようと思っていたところだ。では明日から魔法や魔力について教えよう」
「やったー!」
やっと! 魔法を教えてもらえる! やっぱ異世界転生といえば魔法だからね! ワクワクし過ぎて、その夜はあまり眠れなかった。
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