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罪人の処罰
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隣の国に向かった兵士たちは城に到着し城を守る兵にカイゼルの行方を尋ねた。マルクス「我々は王・ヨハネの兵士だ。魔術師カイゼルがこの国に現れたと聞いてやってきた。奴は今どこにいるんだ?」と10人の兵士を束ねるマルクスが門の番人に尋ねるとその兵士がそれに応える「ああ、カイゼルは城の中に連れて行かれたよ。バウティスタ王の裁きを受けるはずだ。見て行くかい?」と言って門を開けた。
数日前にメッセンジャーを使ってヨハネ王がバウティスタ王へ手紙を送っていたのだ。城の兵士たちはマルクスたちが訪れたとき丁重に扱うように王から命じられていたのだった。
マルクスたちは門を潜り馬を停めて、この国の兵士コスの案内を通じて城内に入った。ランタンのロウソクに火を灯しそれを手に持ったコスがマルクスたちを連れて歩き、エントランスに来て指を差す「ほら、あの中央の台で両手を縛られて膝をついている男がカイゼルだよ」と言った。
城内のエントランスに設けられた木造の台の上で男は膝をついている。両手は縄で拘束され身動きが取れない状態にある。周りにはたくさんの人が居て、カイゼルがどのような裁きを受けるのか興味を示していた。観念したのか無抵抗のカイゼルがそこにいる。奴が行った悪行の数々、聞けばそれは民衆を不安と恐怖に陥れる方法を用いた詐欺だったり人を殺めるための催眠であったりしたわけだが不気味なほどに目の前にいる奴は大人しい。
たくさんの人の命を奪っているカイゼルは間違いなく死刑になるだろう。この国の王がどのような判決を言い渡すのかわからないがギロチンで首を飛ばされるのかそれとも木に吊るされて槍で突かれるのか、それとも火炙りになるのか車輪引きの刑に処されるのかわからないが牢獄に閉じ込めておくには危険すぎる奴である。生かしておく意味はない。
カイゼルは抵抗するのを諦めたのか両手を縄で縛られたまま膝をついてうつ向いている。しばらくするとそこにバウティスタ王と高官たちがやってきて各街の都市参事会の領主も交えて話しはじめた。マルクスたちは自国の王にそれを報告するため、事の成り行きを見守った。
バウティスタ王「カイゼルよ。そなたの刑が決まった。火炙りの刑と処す。奇怪な魔術を使い、人々を沼に屠ったとも報告を受けておる。わしは魔女を信じておらぬが貴様は街の金品を奪い、人を殺めておるのは事実じゃ。そのような賊を生かしておけばやがては徒党を組み、わしの首をも狙うやも知れぬ。生かしてはおけぬ。死して償うがよい」
王の言葉には威厳があった。聡明な口調は民を従えるに相応しい人格だとひと目でわかるほどだ。王は城の奥へと姿を消し、高官たちが兵士に命令する。兵士たちは木造の台にロープを括り付け馬にそれを引かせて外へ運び出した。エントランスに集まっていた人々もゾロゾロと後をついて行く。マルクス「よし、みんな行くぞ。カイゼルの最期を見届けよう」そう言うと10人の兵士を連れて城の外へ向かって歩き出した。兵士コスはマルクスの横で灯りを照らしながら一緒について行く。
木造の台の上に縄で縛られたカイゼルが膝をついている。両脇からカイゼルを持ち上げて兵士が立たせ、その間に後ろに大きな角材が設置されカイゼルの両手を縛っている縄の先を角材の上についている滑車に通して、それを兵士たちが引っ張った。カイゼルの両手は縄と一緒に持ち上がり棒立ちの状態になった。カイゼルの足元にはたくさんの薪が置かれ火刑の準備は整った。
高官が告げる「これより魔術師カイゼルを火炙りの刑に処す。悪人や魔女など人々を不安と恐怖に陥れた罪人の多くはこの刑に処されるのだ。皆もよく見ておけ」と言うと右手を上げた。その合図と共に兵士たちが松明をカイゼルの足元へ放り投げた。
カイゼルの足元の薪に火がつき火はどんどん燃え広がる。さっきまで動きがなかったカイゼルが火の熱さに悶える。全身を揺らしながら苦しんでいるように見えた。その光景は見るに堪えないものとなり目を覆う者や悲鳴をあげる者までいた。
カイゼルは下半身にまで火が及ぶと全身を揺らしながらモゴモゴと何かを吐き出そうとしているように見えた。なんと口元から魚が出てきた。皆がギョッとした表情でカイゼルを見つめる。生きた魚を吐き出して叫ぶ「オレはカイゼルじゃねー!」それを聞いて高官が言葉を返す「そんなわけがなかろう。お前がカイゼルだということは都市参事会からも報告を受けている」その返事にまた男が叫ぶ「待て!それはウソだ」と叫んだが誰もそこに立ち入ることはできなかった。都市参事会と兵士が協力して捕まえた魔術師ということは、叫んでいる男がウソを言っている可能性のほうがずっと高いのだ。まして人々を不安と恐怖に陥れて金貨を騙し取るような賊である。何を叫んでも信用に値しない。誰も聞く耳を貸さなかった。
数日前にメッセンジャーを使ってヨハネ王がバウティスタ王へ手紙を送っていたのだ。城の兵士たちはマルクスたちが訪れたとき丁重に扱うように王から命じられていたのだった。
マルクスたちは門を潜り馬を停めて、この国の兵士コスの案内を通じて城内に入った。ランタンのロウソクに火を灯しそれを手に持ったコスがマルクスたちを連れて歩き、エントランスに来て指を差す「ほら、あの中央の台で両手を縛られて膝をついている男がカイゼルだよ」と言った。
城内のエントランスに設けられた木造の台の上で男は膝をついている。両手は縄で拘束され身動きが取れない状態にある。周りにはたくさんの人が居て、カイゼルがどのような裁きを受けるのか興味を示していた。観念したのか無抵抗のカイゼルがそこにいる。奴が行った悪行の数々、聞けばそれは民衆を不安と恐怖に陥れる方法を用いた詐欺だったり人を殺めるための催眠であったりしたわけだが不気味なほどに目の前にいる奴は大人しい。
たくさんの人の命を奪っているカイゼルは間違いなく死刑になるだろう。この国の王がどのような判決を言い渡すのかわからないがギロチンで首を飛ばされるのかそれとも木に吊るされて槍で突かれるのか、それとも火炙りになるのか車輪引きの刑に処されるのかわからないが牢獄に閉じ込めておくには危険すぎる奴である。生かしておく意味はない。
カイゼルは抵抗するのを諦めたのか両手を縄で縛られたまま膝をついてうつ向いている。しばらくするとそこにバウティスタ王と高官たちがやってきて各街の都市参事会の領主も交えて話しはじめた。マルクスたちは自国の王にそれを報告するため、事の成り行きを見守った。
バウティスタ王「カイゼルよ。そなたの刑が決まった。火炙りの刑と処す。奇怪な魔術を使い、人々を沼に屠ったとも報告を受けておる。わしは魔女を信じておらぬが貴様は街の金品を奪い、人を殺めておるのは事実じゃ。そのような賊を生かしておけばやがては徒党を組み、わしの首をも狙うやも知れぬ。生かしてはおけぬ。死して償うがよい」
王の言葉には威厳があった。聡明な口調は民を従えるに相応しい人格だとひと目でわかるほどだ。王は城の奥へと姿を消し、高官たちが兵士に命令する。兵士たちは木造の台にロープを括り付け馬にそれを引かせて外へ運び出した。エントランスに集まっていた人々もゾロゾロと後をついて行く。マルクス「よし、みんな行くぞ。カイゼルの最期を見届けよう」そう言うと10人の兵士を連れて城の外へ向かって歩き出した。兵士コスはマルクスの横で灯りを照らしながら一緒について行く。
木造の台の上に縄で縛られたカイゼルが膝をついている。両脇からカイゼルを持ち上げて兵士が立たせ、その間に後ろに大きな角材が設置されカイゼルの両手を縛っている縄の先を角材の上についている滑車に通して、それを兵士たちが引っ張った。カイゼルの両手は縄と一緒に持ち上がり棒立ちの状態になった。カイゼルの足元にはたくさんの薪が置かれ火刑の準備は整った。
高官が告げる「これより魔術師カイゼルを火炙りの刑に処す。悪人や魔女など人々を不安と恐怖に陥れた罪人の多くはこの刑に処されるのだ。皆もよく見ておけ」と言うと右手を上げた。その合図と共に兵士たちが松明をカイゼルの足元へ放り投げた。
カイゼルの足元の薪に火がつき火はどんどん燃え広がる。さっきまで動きがなかったカイゼルが火の熱さに悶える。全身を揺らしながら苦しんでいるように見えた。その光景は見るに堪えないものとなり目を覆う者や悲鳴をあげる者までいた。
カイゼルは下半身にまで火が及ぶと全身を揺らしながらモゴモゴと何かを吐き出そうとしているように見えた。なんと口元から魚が出てきた。皆がギョッとした表情でカイゼルを見つめる。生きた魚を吐き出して叫ぶ「オレはカイゼルじゃねー!」それを聞いて高官が言葉を返す「そんなわけがなかろう。お前がカイゼルだということは都市参事会からも報告を受けている」その返事にまた男が叫ぶ「待て!それはウソだ」と叫んだが誰もそこに立ち入ることはできなかった。都市参事会と兵士が協力して捕まえた魔術師ということは、叫んでいる男がウソを言っている可能性のほうがずっと高いのだ。まして人々を不安と恐怖に陥れて金貨を騙し取るような賊である。何を叫んでも信用に値しない。誰も聞く耳を貸さなかった。
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