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ゴシック&ロリータの女
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ネオグライドのゲームに参加して何度も負けながら敵を倒してドロップアイテムを集め、ファン・ロイが持つ素材を分けてもらってドロップアイテムの武器を強化しつつ、ノアたちのチームLv.BEYONDERは少しずつではあるが勝率が上がって来ていた。10回対戦すれば3回ぐらいは勝つ、それぐらいの勝率、ただ何もできずにチーム全員がヤラれることは少なくなり、必ず1人か2人は倒している。複数のチームで同時対戦なので勝ち負けは運の要素も強い、4人全員が猛者のチームは上位ランカーとして君臨している。
ノア「最近、ドロップアイテムを手にする機会が増えてきたね」
ファン・ロイ「そうだな、素材と錬成して強化した今の武器はまぁまぁ気に入ってる」ショットガンを右手に持ち、左手で弾をテーブルの上に並べ、6つの弾を丁寧に弾倉に装填していく。
レナータ・ライ「ファン、私にも素材分けてくれない?今の武器じゃ戦えない」両手に持ったハンドガンをファン・ロイに見せ、”これダメでしょ?”のポーズを取っている。
「なんだ?お前、まだ初期武器のままだったのか・・・。早く言えよ」ファン・ロイはベストのファスナーを降ろして、いくつかの素材をレナータ・ライに手渡した。
「実は私も素材欲しいです」とアントン・ケイが微笑みかける。誰かが素材をもらったタイミングで、前々から言うつもりだったがそのチャンスはなかなか訪れなかったようだ。アントン・ケイはレナータ・ライが素材をもらったタイミングに便乗した。
チーム名が決まり、Lv.BEYONDERとして正式にチームの登録をしたので”仲間意識”が芽生え、前よりもお互いの距離は近くなってきている。
気前がいいファン・ロイは兄貴分だ。「おう、これをやろう」手を差し出すアントン・ケイに素材を手渡す。まるで宝石のように輝くその素材はきっと高価なものに違いない。
レナータ・ライも最近は少しずつ笑顔を見せるようになってきた。相変わらずの塩対応ではあるが時折見せるとびきりの笑顔は可愛い。やっと彼女も仲間として心を開いてくれたようだ。
4人の談笑とは裏腹に、バーカウンターのほうが騒がしい。人混みができて何が起きているのか見えない。こういうときはだいたい有名なプレイヤーが酒場に登場したときだ。
黒子たちが人混みをかき分け、その後ろに登場したのは真っ黒な正装・・・いや、ゴシック&ロリータの格好に身を包んだ真っ白な肌の女性である。彼女はゆっくりと歩き、黒子が用意したテーブル席で立ち止まる。黒子が椅子を引いて彼女を座らせた。テキパキと動き回る黒子とは対照的にゆっくりと物静かな動きの彼女に客たちは釘付けとなった。
「あれ、ゴスロリのジェニー・アリスだ」客の誰かが大きな声で彼女の名前を言うとざわめきが起きた。「マジか!?じゃああいつらがA・I・Wか」どうやらそれが彼女が率いているチーム名のようだ。
強いチームほど統制が取れているのも然ることながら垢抜けたその個性が周りに集まった人たちを魅了する。
ノアたちもゴスロリのジェニー・アリスと黒子たちに思わず見とれてしまった。どういう経緯で仲間になったのか不明だが黒子たちはジェニー・アリスの召使いである。
丸テーブルに台座を置き、ロウソクに火を灯す。美しくも優雅なひと時を楽しんでいるかのようにも見えた。ネオグライドの出番が来るまでの時間を酒場で待機する。控室で準備もせずによほど余裕があるようだ。
「アリス様、お時間です」黒子が時計を見ながらジェニー・アリスに伝える「うむ、わかった。それでは皆さん、ご一緒に参りましょう」ジェニー・アリスと黒子たちは転送され姿を消した。
ネオグライドの対戦が始まる。ついさっき転送されたばかりのA・I・Wのメンバーがスタート地点で武器を構える。「なんだ、あれ?見てみろよ。あんな武器ありなのかよ」モニター観戦している客が叫ぶ、みんながモニターのほうに注目するとジェニー・アリスが身の丈ほどのミニガンを床から垂直に立て、そこに持たれかかっていた。「あんな武器どうやって使うんだ?あのミニガンM134はヘリや車両に設置する搭載兵器だぞ。ゆうに40kgは超える。仮想現実のゲームといっても物理法則は現実世界と同じなんだ。あんなもん振り回せないだろ」と言いながら観戦している客は大笑いした。
「見栄っ張りもいいとこだぜ!あのお嬢は目立ちたがり屋なだけで実は弱いんじゃないか?自爆型のトラップや囮ぐらいには使えるかもな」爆笑する客たち、A・I・Wは確かに上位ランクにいるがその戦いを実際に知っているユーザーは少ない。3分の制限時間内に複数のチームで同時に対戦するネオグライドは誰がどんな特性を持っていて、どれぐらい強いのかをわかりにくくしている。確かに上位ランクではあるが実は黒子が強くてお嬢様は飾りだったなんてこともあり得なくはない。
スタートの合図が鳴ると勢いよく飛び出すプレイヤーたち、ローラーブレードを加速させフィールドを滑走する。ジェニー・アリスはスタート地点からほぼ動いていない。黒子たちは3人とも既にフィールドの中央に向かっている。戦闘は開始され、プレイヤーたちの銃の音が鳴り響く。建物の影に隠れながら撃ち合い、何人かのプレイヤーが脱落した。3人の黒子は他のプレイヤーに囲まれ四方八方に煙幕弾を投げつけてピンチを凌ぐ。当たり一面、煙が立ち上り、敵も味方もわからないが誰かが闇雲に撃つ銃声だけが鳴り響いていた。そこにローラーブレードの音とは違った何かの車輪が走ってくる音がする、何かの機械が動いているような高い金属音、周りにいるプレイヤーたちが疑問に思う「何の音だ?」ほどなくして煙は風と共に薄れ、黒子たちが囲まれた場所に立っているのはジェニー・アリスたったひとりであった。
ミニガンM134には車輪つきの三脚が取り付けられていた、高い金属音の正体はどうやらこいつらしい。ジェニー・アリスは笑いながら当たり一面に銃をぶっ放す。360度回転しながら弾丸の雨を降らせ、プレイヤーたちを次々と倒していった。さっき中央にいたはずの黒子の姿はそこにはなかった。物陰に隠れ、カモフラージュの能力で姿を消したようだ。
先に黒子を倒して、相手チームの戦力を削ると同時にポイントを稼ごうと卑しい気持ちで近づいてきたプレイヤーたちは、まんまとトラップに引っかかって全滅した。倒されたプレイヤーのところにドロップアイテムが落ちるとそれを黒子たちが拾い集める。モニターで観戦していてもまったくわからないほど景色に同化している黒子たちは影に徹するプロである。
いつの間にか大笑いしていた観戦者の表情は青ざめ「あんなチームには勝てねぇ」と狼狽たえている。
ファン・ロイはそれを見て鼻で笑い「ハッ♪情けねー奴ら」と一掃した。
ノア「最近、ドロップアイテムを手にする機会が増えてきたね」
ファン・ロイ「そうだな、素材と錬成して強化した今の武器はまぁまぁ気に入ってる」ショットガンを右手に持ち、左手で弾をテーブルの上に並べ、6つの弾を丁寧に弾倉に装填していく。
レナータ・ライ「ファン、私にも素材分けてくれない?今の武器じゃ戦えない」両手に持ったハンドガンをファン・ロイに見せ、”これダメでしょ?”のポーズを取っている。
「なんだ?お前、まだ初期武器のままだったのか・・・。早く言えよ」ファン・ロイはベストのファスナーを降ろして、いくつかの素材をレナータ・ライに手渡した。
「実は私も素材欲しいです」とアントン・ケイが微笑みかける。誰かが素材をもらったタイミングで、前々から言うつもりだったがそのチャンスはなかなか訪れなかったようだ。アントン・ケイはレナータ・ライが素材をもらったタイミングに便乗した。
チーム名が決まり、Lv.BEYONDERとして正式にチームの登録をしたので”仲間意識”が芽生え、前よりもお互いの距離は近くなってきている。
気前がいいファン・ロイは兄貴分だ。「おう、これをやろう」手を差し出すアントン・ケイに素材を手渡す。まるで宝石のように輝くその素材はきっと高価なものに違いない。
レナータ・ライも最近は少しずつ笑顔を見せるようになってきた。相変わらずの塩対応ではあるが時折見せるとびきりの笑顔は可愛い。やっと彼女も仲間として心を開いてくれたようだ。
4人の談笑とは裏腹に、バーカウンターのほうが騒がしい。人混みができて何が起きているのか見えない。こういうときはだいたい有名なプレイヤーが酒場に登場したときだ。
黒子たちが人混みをかき分け、その後ろに登場したのは真っ黒な正装・・・いや、ゴシック&ロリータの格好に身を包んだ真っ白な肌の女性である。彼女はゆっくりと歩き、黒子が用意したテーブル席で立ち止まる。黒子が椅子を引いて彼女を座らせた。テキパキと動き回る黒子とは対照的にゆっくりと物静かな動きの彼女に客たちは釘付けとなった。
「あれ、ゴスロリのジェニー・アリスだ」客の誰かが大きな声で彼女の名前を言うとざわめきが起きた。「マジか!?じゃああいつらがA・I・Wか」どうやらそれが彼女が率いているチーム名のようだ。
強いチームほど統制が取れているのも然ることながら垢抜けたその個性が周りに集まった人たちを魅了する。
ノアたちもゴスロリのジェニー・アリスと黒子たちに思わず見とれてしまった。どういう経緯で仲間になったのか不明だが黒子たちはジェニー・アリスの召使いである。
丸テーブルに台座を置き、ロウソクに火を灯す。美しくも優雅なひと時を楽しんでいるかのようにも見えた。ネオグライドの出番が来るまでの時間を酒場で待機する。控室で準備もせずによほど余裕があるようだ。
「アリス様、お時間です」黒子が時計を見ながらジェニー・アリスに伝える「うむ、わかった。それでは皆さん、ご一緒に参りましょう」ジェニー・アリスと黒子たちは転送され姿を消した。
ネオグライドの対戦が始まる。ついさっき転送されたばかりのA・I・Wのメンバーがスタート地点で武器を構える。「なんだ、あれ?見てみろよ。あんな武器ありなのかよ」モニター観戦している客が叫ぶ、みんながモニターのほうに注目するとジェニー・アリスが身の丈ほどのミニガンを床から垂直に立て、そこに持たれかかっていた。「あんな武器どうやって使うんだ?あのミニガンM134はヘリや車両に設置する搭載兵器だぞ。ゆうに40kgは超える。仮想現実のゲームといっても物理法則は現実世界と同じなんだ。あんなもん振り回せないだろ」と言いながら観戦している客は大笑いした。
「見栄っ張りもいいとこだぜ!あのお嬢は目立ちたがり屋なだけで実は弱いんじゃないか?自爆型のトラップや囮ぐらいには使えるかもな」爆笑する客たち、A・I・Wは確かに上位ランクにいるがその戦いを実際に知っているユーザーは少ない。3分の制限時間内に複数のチームで同時に対戦するネオグライドは誰がどんな特性を持っていて、どれぐらい強いのかをわかりにくくしている。確かに上位ランクではあるが実は黒子が強くてお嬢様は飾りだったなんてこともあり得なくはない。
スタートの合図が鳴ると勢いよく飛び出すプレイヤーたち、ローラーブレードを加速させフィールドを滑走する。ジェニー・アリスはスタート地点からほぼ動いていない。黒子たちは3人とも既にフィールドの中央に向かっている。戦闘は開始され、プレイヤーたちの銃の音が鳴り響く。建物の影に隠れながら撃ち合い、何人かのプレイヤーが脱落した。3人の黒子は他のプレイヤーに囲まれ四方八方に煙幕弾を投げつけてピンチを凌ぐ。当たり一面、煙が立ち上り、敵も味方もわからないが誰かが闇雲に撃つ銃声だけが鳴り響いていた。そこにローラーブレードの音とは違った何かの車輪が走ってくる音がする、何かの機械が動いているような高い金属音、周りにいるプレイヤーたちが疑問に思う「何の音だ?」ほどなくして煙は風と共に薄れ、黒子たちが囲まれた場所に立っているのはジェニー・アリスたったひとりであった。
ミニガンM134には車輪つきの三脚が取り付けられていた、高い金属音の正体はどうやらこいつらしい。ジェニー・アリスは笑いながら当たり一面に銃をぶっ放す。360度回転しながら弾丸の雨を降らせ、プレイヤーたちを次々と倒していった。さっき中央にいたはずの黒子の姿はそこにはなかった。物陰に隠れ、カモフラージュの能力で姿を消したようだ。
先に黒子を倒して、相手チームの戦力を削ると同時にポイントを稼ごうと卑しい気持ちで近づいてきたプレイヤーたちは、まんまとトラップに引っかかって全滅した。倒されたプレイヤーのところにドロップアイテムが落ちるとそれを黒子たちが拾い集める。モニターで観戦していてもまったくわからないほど景色に同化している黒子たちは影に徹するプロである。
いつの間にか大笑いしていた観戦者の表情は青ざめ「あんなチームには勝てねぇ」と狼狽たえている。
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