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〜第一章〜其の参
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次の日もその次の日も、何日経っても彼には会えなかった。
それでも私は神社に通い続けた。
雨の日も風の日も…ずっと彼を待ち続けていた。
3月の中頃になった。桜の花が徐々に咲き出した。
私は次第に独り言のように彼のことを呟くようになった。
「なんで…どうして急にいなくなっちゃったの…?会いたい…また一緒に……」
紡ぐ言葉も虚しく宙に消えるだけだった。
「ごめんね、愁君…実は私貴方のことが…好きだったの…」
「…私は貴方のことを愛しています。なんでもっと早く伝えなかったんだろう…」
「この桜…桜を纏った彼はきっと綺麗なんだろうな…」
頬を伝った涙が彼女のスカートに水玉模様を幾つも描いた。
彼女が虚無へ伸ばした掌にひらりと桜の花弁が1枚、舞い降りた。
次の日の事だった。
目が覚めるなり、彼女は自身に起きた異変に気が付いた。
左眼の視力が落ちたのか、少し暗く見えるようになった。心做しか、耳も左だけ聞きずらくなっていた。
義母の計らいで医者に診てもらったが、「特に異常はない。」との事だった。
夏が過ぎ…秋が過ぎ…冬になり…また桜の蕾が色付く頃、私の彼への想いは募る一方だった。
それと同時に、視力も聴力も段々と衰え、遂には左眼と左耳の機能を完全に失ってしまった。
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それでも私は神社に通い続けた。
雨の日も風の日も…ずっと彼を待ち続けていた。
3月の中頃になった。桜の花が徐々に咲き出した。
私は次第に独り言のように彼のことを呟くようになった。
「なんで…どうして急にいなくなっちゃったの…?会いたい…また一緒に……」
紡ぐ言葉も虚しく宙に消えるだけだった。
「ごめんね、愁君…実は私貴方のことが…好きだったの…」
「…私は貴方のことを愛しています。なんでもっと早く伝えなかったんだろう…」
「この桜…桜を纏った彼はきっと綺麗なんだろうな…」
頬を伝った涙が彼女のスカートに水玉模様を幾つも描いた。
彼女が虚無へ伸ばした掌にひらりと桜の花弁が1枚、舞い降りた。
次の日の事だった。
目が覚めるなり、彼女は自身に起きた異変に気が付いた。
左眼の視力が落ちたのか、少し暗く見えるようになった。心做しか、耳も左だけ聞きずらくなっていた。
義母の計らいで医者に診てもらったが、「特に異常はない。」との事だった。
夏が過ぎ…秋が過ぎ…冬になり…また桜の蕾が色付く頃、私の彼への想いは募る一方だった。
それと同時に、視力も聴力も段々と衰え、遂には左眼と左耳の機能を完全に失ってしまった。
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