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連載
女子高生の終わり
しおりを挟む生まれた時から家族という存在と縁がなかった。
母は自分を出産するのと同時に命を落としてしまい、母を溺愛していた父や母が大好きだった歳の離れた兄達から母を奪った死神として嫌われていた。
体裁を保つため、父から食事を抜かれたり虐待を受けはしなかったが基本放置されていた。朝顔を合わせて挨拶をしても何も言わず、いない者扱いをされた。
長男とは四歳、次男とは三歳の差がある。父に何もされずともこの兄達から日常的に虐められた。
長男には毎日お母さんが死んだのはお前のせいだと罵られ、食事中無理矢理おかずを取ったり、部屋の私物を勝手に捨てられたり、不細工と言われ続けた。
次男には長男にされている事と追加で暴力を奮われていた。一度頭を縫う大怪我を負わされた時には無関心な父が激怒していた。これに懲りて何もしなくなる、なんてことはなく、服の下に隠れる場所を狙って攻撃された。大怪我しないようにも手加減もされた。
こんなのと一緒にいたくない。きっといつか殺される。
幸いにも父方、母方祖父母は味方をしてくれた。長期休みの期間はどちらかの祖父母の家に泊まったりもしたが学校が始まる間近になると必ず父が連れ戻しに来た。長く娘だけ家に不在だと近所にどんな噂を流されるか堪ったものじゃないからと。これを言われたのは父方祖父母の家にいた時。祖父母は激昂し、二度と顔を見せるなと実の息子相手に塩を撒いたが実家からでないと通学が不可能なので戻るしかなかった。
兄達に祖父母から嫌われているのはお前のせいだと言われるが事実なのだから認めろ。
家族に恵まれなくても友人には恵まれた。特に仲良しな友人の家に放課後よく遊びに行った。アニメや漫画、ゲームが大好きな友人に様々な作品を教えてもらった。
大学進学後は家を出て行けと父に高校入学した辺りから言われており、友人と同じ大学に進学する予定なので二人と住もうと提案された。所謂、シェアハウスというやつだ。友人の両親が管理しているアパートがあり、一部屋余っているから家賃を特別価格にして住まわせてくれるというのだ。有難い話で友人と大いに盛り上がった。
――せめて一緒に卒業式に出たかったな
水の流れが激しい川に落とされた樹里亜は途中ぶつかった石に頭を強打し、痛みと呼吸が出来ない苦しさから意識を段々と落としていく。
遠くから兄達の樹里亜を呼ぶ絶叫が聞こえる。家族で田舎の別荘を訪れ、近くにある川を眺めていた樹里亜は忍び足で背後に迫った次男に背中を押された。場所は絶対に中に入ってはいけないと近所の子供達でも知っている川の上流。次男は川を眺める樹里亜を驚かせるつもりで押しただけなのだろう。川に落ち、息を吸おうと藻掻き物凄い速さで流されて行く樹里亜を見ていた次男の顔は真っ青に染まっていた。
絶対に自分は助からない。しんどいだけの家だったが友人や祖父母に恵まれていたお陰でそれほど苦な人生じゃなかった。
――漫画やラノベでよくある転生とかあるなら、今度はちゃんと家族に愛されたいな……
享年十八歳。成人すらしないで樹里亜の人生は幕を閉じたのであった。
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