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無意識に1
しおりを挟む別室に移動した私は王太子殿下とリアン様と向かい合うように座った。時間を貸してほしいとは何をするのだろう。
「今日の場にはいなかったが今回の騒動の加担者であるドロシー嬢は今日を以て退学処分となった」
「そう、ですか」
逆恨みで人1人の命を奪おうとした。運が悪ければ巻き込まれて被害者が増えていた場合もある。ドロシー様の実家は王太子殿下や学園側からの報せもあって、事態を重く見退学処分を受け入れた、修道院送りを決めたのだとか。
修道院……『予知夢』の世界では、私は最も重い北の修道院へ送られた。精神力を大幅に削るとは言え、もう1度視よう。どうしても、自分が最後どうなったかを知りたい。
「今は未だリグレットが王宮にいても、娘に甘い父上が情を出すか分からない。本当はリグレットが大人しくなるまでと思っていたんだが……」
「殿下?」
「おれ、というか王太子として言おう。リアン、フィオーレ嬢の側にいてやってくれ」
「殿下!?」
突然何を……。唖然として殿下を見れば、眉尻を下げられ困ったように笑われた。
「君が心配なんだ。こうも巻き込まれては、また何時何が起こるか」
「わ、私よりもエルミナが……」
「エルミナ嬢よりも君だフィオーレ嬢」
私がリアン様といたら、エルミナが可哀想だ……どうしよう。リアン様を不意に見てしまった。何を考えているか全く読めない青水晶の瞳には、薄っすらと翳りがあって。気まずくて逸らしてしまう。
さっきのキスを思い出して全然見れない……。
嫌な気持ちはなかった。心のどこかで永遠に続けばいいとさえ抱いた。
王太子殿下は心配が消えない限りはリアン様に私の側にいるよう告げ、呼びに来た神官様に連れて行かれた。
残ったのは私とリアン様。気まずくて何を話そう。
するとリアン様が先に話を切り出した。
「……1つ、聞いてもいいか」
「はい……」
「……どうしてそうエルミナ嬢を持ち出すんだ。自分よりもエルミナ嬢を過剰に贔屓する君の意図はなんだ」
「贔屓なんて」
「してるよ。無意識なら、それはそれで問題だが」
言われて心当たりがないと言ったら嘘だ……私よりも、エルミナがリアン様と結ばれるべきなんだ。
『予知夢』がそうなのだから……。
私は心の中で言ったつもりの三文字。呆然とするリアン様の声を聞き、自分が声に出してしまっていたと気付いた。
「君は……『予知夢』が視れるのか……?」
しまったと焦った時はもう遅かった。
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